2016年01月20日

「実は私は」第143話「紅本先生を取り返そう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第143話「紅本先生を取り返そう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<あらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

・前回はこちら。
「実は私は」第142話「紅本先生とさくらさんC」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

紆余曲折を経て遂にさくらとの交際を始めた明里は浮かれていた。
今宵もさくらと電話で恋人トークを楽しむ明里、その表情には余裕が溢れている。

とはいえ、今の明里とさくらは教師と生徒の立場。
さり気なく教師であることを主張し「分別を忘れないように」と釘を刺して通話を終えた。

ところが、電話が切れた途端に明里は豹変する。
遂に訪れた我が世の春を謳歌するべく全身で喜びを表現するや、床の上で「甘酸っぺぇ〜〜〜」と転がり始めたのだ。

この間、隣にはジト目の茜と明里の恋を応援する華恋が立っている。
2人を意に介さず自分の世界に浸り続ける明里。

すると、茜が呟いた。
「生徒との恋愛は禁止だぞ」と。

これに冷水を浴びせられたように慌てて茜へと振り向く明里。
たじろぐ明里の姿を目にし、ニヤリと悪魔の笑いを浮かべる茜。
どうやら茜は明里が自身のもとから巣立つのが寂しいようで……。

一方、さくらはと言えば朝陽、岡、嶋たちと公園で屯していた。
遂に願いを叶えたさくらの快挙に沸き立つ朝陽たちに、さくらは皆のおかげだと感謝する。

そんなさくらにそれぞれの反応を示す3人。
朝陽は素直に応援を約束、嶋はお礼として合コンをセッテイングするよう要求。
そして、岡はさくらの行動に励まされたと自身もある決意を固めることに。

それにしても……と話題はさくらが快挙を成し遂げた体育祭へ。
どうやら、さくらたちにはどうしても不思議なことがあるらしい。

あのとき、明里に角や羽根が生えていたこと。
さらに、天空に浮かぶ城が突如として出現したこと。
どうにも不思議でならないのだそうだ。

言葉に詰まる朝陽。
そう言えば、どうして茜はあんな目立つことを行ったのだろう。
まるで自ら秘密をばらす様な真似を……。
だが、きっと茜のことだから何か深い考えがあってのことに違いない。

同じ頃、当の茜は明里にボコボコにされていた。
「天空独身城」が特に理由もなく、前日に視聴していた「ラピュタ」に影響を受けた物であることが発覚した為である。

数分後、さくらたちと別れた朝陽は茜の考えについて葉子に相談してみることに。
すると葉子はこう言ってのけた。
「きっとこう言うてるやろうね、明里は私の玩具だから!!」

同じ頃、当の茜はこう言っていた。
「明里は私の玩具だから!!」
そして、明里から強烈な一撃を喰らい沈黙していた。

「もう、どうして茜はそんなに素直じゃないの!!」
見かねた華恋が間に割って入る。
華恋によれば茜は大事な明里を任せられる相手かどうか確かめるべくさくらを試したのだと言う。

「うっそぴょ〜〜〜ん!!」
ところが、華恋がフォローした傍から茜は否定する。
再び感情を逆撫でされた明里から鉄拳制裁を受ける茜。

「うわ〜〜〜ん」
遂に茜は泣きながら叫び出す。

教員会議では明里とさくらの交際は温かく迎え入れられているらしい。
もはや、茜の権限ではどうこう出来る状況にない。
その為、密かに続けて来た明里へのプロジェクトが頓挫することとなったのだ。

まず、「魔法中年 まじかる☆あかりん」を12話まで作っているのに公開出来なくなってしまった。
さらに、密かに明里に釣り合う強者募集を行ったにも関わらず、誰も集まらなかった。
それに何より、これまでコツコツと重ねて来た「亞華里伝説」の更新も出来なくなってしまう。
ともかく、明里に恋人が出来てしまうとからかえないのだ。

泣き出した茜の頭を撫でる明里、その口角がゆっくりと吊り上って行く。
ニヤリと微笑んだ明里から飛び出したのは「ざまぁ!!」の一言であった。

「なにおぅ!!どうせ、すぐに捨てられるわ!!」
「あんだとぅ!?」

売り言葉に買い言葉でいがみ合う2人。
と、不意に茜が呟いた。

「酒は飲み過ぎるなよ、お前はそれで分別を失くすからな」
「分かっとるわ……いえ、分かってます」

憎まれ口を叩きつつ親類としての情を示す茜に、何処か恐縮する明里であった。
こうして、紅本家の夜は更けて行く―――144話に続く。

充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻、7巻、8巻、9巻、10巻、11巻、12巻、13巻、14巻も重版出来とのことで目出度い。さらに15巻も発売予定。
そして、本作かなり面白い!!

2015年7月にはアニメ化も果たしており、シーズン2製作の報が待たれます。

【第EXTRA話】アニメ版「実は私は」スタッフさんとキャストさんの一部を明らかにされよう!

その143話。
サブタイは「紅本先生を取り返そう!」。

今回は紅本家のある一夜が描かれました。
明里を心配しつつ、それを素直に表現出来ない茜。
そんな茜のことを理解しつつ、やはり素直になれない明里。
やっぱり血縁なんだなぁ……。
そして、そんな2人に挟まれ気が休まらないであろう華恋。
それぞれのキャラクターが活かされていて良し!!

でもって、前回で影を潜めそうと書いた「魔法中年」ネタが早くも登場。
全く潜めませんでしたね……しかも流石は茜、密かに12話までを完成させていたとは!!
さらに、驚くべきことに凛(バイザー着用)までもが出演していた様子。
スピンオフで良いので内容が知りたい!!

一方、朝陽たちにもある動きが……どうやらさくらの勇気を目にした岡が遂にみかんへアタックすることを決意した様子。
これがどうなるか!?
岡と言えばみかんへ想いを寄せていますが、朝陽の妹・鳴から想いを寄せられています(134話「心配しよう!!」参照)。
一方で当のみかんは未だ朝陽へ想いを寄せている状態。
みかんに拒絶され打ちひしがれたところを鳴に励まされるなど、朝陽と同様の展開を迎えそうな予感。
あるいは、これまでの他の面々に比べても熾烈な恋愛模様が予想されますが果たして!?

うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!

そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス15巻も発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛、7巻の明里さんに続き、8巻が銀華恋、9巻が渚とみかんのコンビ、10巻が1周回って葉子、11巻は獅穂と凛コンビ、12巻は緑苑坂弓と桐子の夫婦コンビ、13巻は桃地結香、14巻は水奈川咲と葉子に!!
そして15巻は獅穂たち三人娘に!!ああ、嶋よ……。
こうなると16巻は「明里とさくら」か「明里、茜、華恋」かなぁ。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
「実は私は」第1話から第140話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ

「実は私は」第141話「紅本先生とさくらさんB」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第142話「紅本先生とさくらさんC」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。

朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「外道クイーン(オレンジ)」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。124話にてフルネームが「嶋田結太」と判明。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
手崎:文字通り茜の手先な料理教室のシェフ。

朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。92話で高校に進学。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。

緑苑坂弓:朝陽たちの副担任、実は源二郎。92話から登場。
桃地結香:忍者少女、92話(実際は105話)から登場。ある秘密が……。
黄龍院閃:鳴、結香のクラスメートの男子。瓶底眼鏡に腰の日本刀がトレードマーク。132話で苗字が判明。
水奈川咲:結香、閃、鳴のクラスメート。109話から登場。ある秘密が……。
箱入り娘:114話終盤に登場した謎の人物!?

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posted by 俺 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ちはッス。
なんだかんだで紅本先生とさくらさんはハッピーエンドで何よりでした。岡君はまあ玉砕覚悟で頑張れと。朝陽じゃなくて多分、(毎回言ってますけど)凛ちゃんが血筋的にみかんの孫ならば)黄龍院閃くんが岡君のライバルになるんじゃないかなと。現状の相関図はこんな感じでしょうか。

閃→葉子⇔朝陽(少しだけ)→←みかん←岡←鳴

みかんが岡君を受け入れるかどうかは閃くんと出会ってから、でしょうか? 閃くんの苗字が黄龍院ですから凛ちゃんが大切なみかんがはたして凛ちゃん消滅を受け入れられるかどうか……まあ、8巻で「いくつも分岐点があってあたしと同じ道を歩むかどうかはアンタ次第」って、みかんおばあちゃんが伏線張ってましたからその点は大丈夫かもしれませんが。

さて、16巻表紙……順当にいけば、紅本先生とさくらさんでしょうけど、体育祭のクライマックスの収録が17巻になりそうなので、鳴と朝陽か、意表を突くなら1年でまだ表紙になっていない鳴と閃くんか。
Posted by らいらっく at 2016年01月20日 06:43
Re:らいらっくさん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

明里とさくら、紆余曲折ありましたが爽やかな結末で良かった!!

こうなると岡が気になるんですよね……。
仰る通り岡の恋路はかなりの苦戦が予想されるし。

そして、16巻の表紙ですが言われてみれば鳴たちが居ましたね。
確かに表紙でクローズアップされても不思議ではない。

それにしても、こうして相関図を見てみるとやっぱりみかんはキーキャラだなぁ……と再確認。
Posted by 俺 at 2016年01月26日 23:13
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