<あらすじ>
警察官の西加音子(真矢ミキ)は夫の武雄(村田雄浩)と二人で暮らす、超節約主婦だ。いつものようにスーパーでタイムセールの戦いを終え、大量の野菜が詰まったバッグを抱えた加音子は、経済犯罪を扱う警視庁捜査二課に初出勤する。加音子はその中でも横領や背任など主に企業犯罪分野の第三知能犯捜査係に配属された。
その頃、小金井(小倉一郎)たち第三係の捜査員はある「振り込め詐欺」グループのリーダー格・岡崎(山崎樹範)を尾行していた。加音子の予想外の活躍で、詐欺グループの事務所を特定することに成功。アジトに乗り込むが、岡崎にはあと一歩のところで逃げられてしまう。翌日、岡崎が遺体で発見され、事件は捜査一課の刑事・鈴木たまき(内藤理沙)らに任せることになった。
やがて、加音子はあるラーメン店が融資詐欺によって閉店してしまうことを知る。加音子はその店に金を貸した銀行の支店長・堂島晋一郎(陣内孝則)を訪ねると、彼は高価なものを身につけ、高級クラブを行きつけにするなど不自然なほどの豪遊をしていた。案の定、堂島の銀行が関わる同様の被害が新たに報告される。さらに堂島とある政治家との癒着も判明するが、証拠をつかめず捜査は振り出しに戻ってしまう。
捜査が行き詰まるなか、加音子は高級クラブのホステスで堂島の愛人・有美(齋藤めぐみ)に堂島のことを話してほしいと頼み込む。翌日、有美から話があると言われ、加音子が彼女のマンションに向かうと…。
(公式HPより)
では、続きから……(一部、重複あり)。
西加音子は夫の武雄と共に海外旅行を目指す主婦。
しかし、加音子にはもう1つの顔があった。
彼女は経済犯罪を追う警視庁捜査二課の刑事だったのだ。
今、加音子たちが追っているのは岡崎をリーダーとする「振り込め詐欺」事件。
グループを壊滅にまで追い込んだが、肝心の岡崎には逃げられてしまっていた。
矢先、当の岡崎が何者かに殺害されてしまう。
事件の捜査には鈴木たまきら捜査一課が当たることに。
そんな中、加音子行きつけのラーメン店・万石が閉店してしまった。
店主の妻によると、「イトウ」なる男性から新店舗の開設を持ちかけられ資金として「ひかり銀行」の支店長・堂島晋一郎から融資を受けたところ「イトウ」に全額を持ち逃げされてしまい、店舗と土地が「若光不動産」の社長・若光の手に渡ってしまったことが原因らしい。
これに憤慨した加音子は背景を調べ、堂島や若光による融資詐欺であることを突き止めた。
この背後には代議士・大友健吾も関わっていた。
実は万石付近の土地は東京ランドマークタウンの建設予定地で地価の急騰が見込まれていた。
これを知っていた大友が若光に教え、若光が堂島を利用して融資を行い、イトウが金を持ち逃げすることで土地を奪ったのだ。
結局、万石の土地は「若光不動産」から「はなぶき建設」が2億で買い上げていた。
この利益が大友と堂島の懐に消えていた。
当の堂島は得た金で豪遊しており、妻・薫と息子・陽斗が居ながら高級クラブ「ジュネーブ」のホステス・高木有美を愛人として囲っていた。
しかも、調べたところ同様のケースが多数発生していることも判明する。
加音子たちは大友、堂島、若光の密談現場を抑えるが決定的な証拠を手にすることが出来ず失敗してしまった。
困った加音子は有美に証言を依頼、有美はこれに応じるのだが……。
証言を得る為に有美のもとを訪れた加音子。
ところが、有美は既に殺害されていた。
こちらの捜査にもたまきが乗り出した。
すると、岡崎と有美殺害犯が同一人物と思われることが明らかに。
加音子は「イトウ」こそが事件解決の鍵になると考え、堂島周辺の人物を洗い始めた。
直後、若光の部下・浅尾信二こそが「イトウ」であることが明らかになった。
一方、大友を追っていた特捜本部の働きもあり、大友と若光が逮捕された。
加音子は堂島に罪を認めるよう奨めるが、堂島は家族と相談したいと猶予を申し出る。
これを認めた加音子であったが、当の堂島が姿を消してしまった。
逃げられてしまったのだ。
堂島宅に乗り込んだ加音子は冷蔵庫が空であることに注目。
しかも、冷蔵庫からはコンセントが抜かれていた。
薫たちが引越しするつもりだと見抜いた加音子は飛行機の旅客名簿を調べ、スイス行きにその名前を発見する。
どうやら、堂島は妻子と合流し海外逃亡を図るつもりのようだ。
しかし、問題は「どうやって、これまでに不正で得た大金を持ち出すのか」である。
堂島がこれを捨て置く筈が無い。
何かの方法がある筈なのだ。
同じ便の旅客名簿を眺めていた加音子はその方法に気付く。
空港では若い女性の団体客が堂島と合流していた。
その前に立ちはだかる加音子たち。
若い女性たちの正体は「ジュネーブ」のホステスたちであった。
堂島は彼女たちを利用して隠し財産を持ち出そうとしていたのだ。
調べたところ、身体にガムテープで留めた札束が発見された。
観念した堂島は全てを自供した。
薫たちは逃亡を取り止め、堂島を見守ることになった。
薫は既に堂島の罪を全て知っており、彼を支えようと決めていたのだそうだ。
岡崎と有美殺害は若光の命による浅尾の犯行と分かった。
どうやら、若光は岡崎に融資詐欺について知られ口封じしたようだ。
有美も同様に口封じの犯行であった。
こうして事件は解決したのである―――エンド。
<感想>
新シリーズ「銭の捜査官 西カネ子」第1弾。
原作は萩生田勝先生『警視庁捜査二課』(講談社刊)。
あらすじは次の通り。
<あらすじ>
小説・実話の垣根を越えて、これまで書かれた刑事ストーリーの常識を覆す衝撃のノンフィクション
世界有数の大都市・東京の犯罪を摘発する巨大捜査機関・警視庁。
人生をかけて巨悪と闘ってきた名物刑事を待ち受けていた結末は不可解な辞職劇だった──。
管理官は真剣な顔で口を開きました。
「萩生田さん、やってもらいたい事件があるんです。捜査二課長命令です。外務省の内閣官房報償費の事件です。萩生田さんの班でどうしてもやってほしいんですよ」
上から降りてくる“頼まれ事件”は嫌だし、渋谷署の事件を放り投げて他の事件にとりかかるなんて気持ちにはなれませんでした。
「無理ですね。そんなことをしたら渋谷署に怒られますよ。それに何で俺なの?他の班だってあるじゃない。お断りですよ」
私はまだ、この事件の大きさにピンときていなかったのです。(本文より)
(講談社公式HPより)
原作はノンフィクション作品だったんですね。
では、ドラマ版感想を。
「融資詐欺の構図」や「冷蔵庫の中身から逃亡を看破する」などの点はなかなかでしたね。
ノンフィクションを原作としているからこそのリアリティだったのでしょうか。
ただ、個々は良かったのだけど繋ぎ合わせると妙に薄く感じるのは何故だろう……。
そう言えば気になる点もありました。
堂島は手配されている身だから、急ぎ逃亡する必要があった筈。
1人先行して脱出しスイスで薫たちと合流することも出来たのに、どうしてしなかったんだろう……。
「ジュネーブ」のホステスたちが持ち逃げしないか心配だったのだろうか。
でも、それだったらそもそも「彼女たちが隠し金を受け取った時点で山分けしてしまい空港に来ない」ことも考えられただろうになぁ……。
信頼しているのか、していないのか、どちらなのだろうか。
そう言えば、持ち出そうとした隠し金が見つからなくとも空港で身柄を抑えられた時点で堂島の負けだろうになぁ。
どうして堂島は隠し金が見つかるまでは余裕だったのだろうか。
いろいろと気になる作品でした。
2016年2月23日追記:
コメントにてご指摘頂き、あらすじとキャスト欄の高木有美役について訂正しました。
本放送では高木有美役を高部あいさんに代わり齋藤めぐみさんが演じられていたとのこと。
教えて頂き感謝です(^O^)/!!
追記終わり
<キャスト>
西加音子:真矢ミキ
磯村英彦:堀部圭亮
柴田辰巳:田中 健
小金井喜平:小倉一郎
大蔵 圭:片岡信和
熊里進:宮川一朗太
鈴木たまき:内藤理沙
西武雄:村田雄浩
野々宮美鈴:高岡早紀
堂島薫:横山めぐみ
高木有美:齋藤めぐみ
岡崎達也:山崎樹範
堂島晋一郎:陣内孝則 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)
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新しいおばさん刑事が誕生したのですが先人が強烈だった為かちょっとキャラが薄いかなが感想でした。
市原悦子さんの桜乙女や中村玉緒さんの流石姫子が濃すぎるだけなのかもしれませんが真矢ミキさんだと綺麗すぎるというのもあったのかもしれません。
ただホステスさんが全員お金巻きつけていたのは中々に壮観でしたね。あれ座りにくそう
多分本当にこんな事をした人が居たんだろうなとちょっと思いました。
そういえば有美役の方が高部あいさんとありますがドラマでは斎藤めぐみさんになってますね
多分役者さんにあんな事があったから変更になったんでしょうか
だとしたら本来ならもっと早くに放送されてたのかなと思いました。
そして気付いたら大蔵役の片岡信和さん今週末の広域警察に名前がなかったんですよねと
本当どうでも良い豆知識でした
ニュースでご存知だと思いますが逮捕された事により代役に斎藤めぐみさんを立てて撮影、放送されました。
作中でもこの役者変更&既に撮影していた分を破棄しての撮り直しと思えるような不自然なカメラワークや脚本変更があったように感じられます。
特に最後の、肝心要の殺人の真相をエンディングであっさり数十秒説明するだけで終わらせてしまい、実際に犯人が被害者の高木有美を殺すシーンがなかったのはひょっとしたら高部あいさんが有美役でシーンはちゃんと撮ってあったけど使えなくなったのでは?と思いました。
代役の斎藤めぐみさんを起用して撮影し直した時にはもう撮影スケジュール的にシーンを撮る時間がなかった、もしくは役者が変わる事によって何らかの矛盾が映像に生まれる事になり仕方なくあんな説明に留めるだけで終わらせた…。自分の憶測でしかありませんが。
とにかく役者の逮捕騒ぎで撮影変更があった作品なのは事実です。
管理人の“俺”です(^O^)/!!
Re:花さん
確かに「桜乙女」や「流石姫子」ほどのインパクトはありませんでしたね。
とはいえ、相手は「2時間サスペンス史」に残るレジェンド級の面々、それだけに「西カネ子」はこれからの成長に期待なのかも。
空港での摘発シーン、あれは印象的でしたね。
「事実は小説より奇なり」だったり。
役者さん、代役が立てられていたんですね。
これは急ぎ訂正せねば……。
ご指摘、感謝です(^O^)/!!
「広域警察7」視聴しましたが、確かに片岡さん演ずる大内が登場してませんでしたね。
これは美咲と交際したことで高村課長の逆鱗に触れたから……だったりして。
Re:翔丸さん
なるほど、本作に何処か抱いた違和感の正体はソレだったのか。
だとすると、本作は真価を未だに発揮出来ていない状態と言えるのかもしれません。
次回作でこそ真価が問われるのかも。
教えて頂いたご指摘の点、早速追記訂正したく思います。
感謝(^O^)/!!
真矢さんは、まだ「おばさん」と呼ぶにはお若く見えてしまう所があって、その部分に多少の違和感めいたものを覚えもしましたが、そこが返って「素敵なおばさん刑事」みたいな新しい魅力のようにも思えて、今後のシリーズ展開が楽しみになっています。欲を言えば、数字に強い以外にもう一つか二つ、特技を加えて貰えたら(実はアクション派とか、黒蜥蜴の時のように変装が得意とか、etc.)、更に他とは色合いの異なる面白いシリーズになりそうな気がするのですが……。
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
奇しくも先行作がイメージを補強したのかもしれませんね。
また、未だ先達の域に至っていない点こそが逆に本作の特徴かつフレッシュな魅力と言えるのかも。
その上で、もう少しキャラに特徴が欲しいかなぁ。