ネタバレあります、注意!!
第58話登場人物一覧:
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。
緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
桃園霧子:「聖マルス学園」2年生とされる謎の令嬢。「謎の桃園」「崖の下の呪い家」「恋する桃園」「オバケの出る公園」に登場。
青葉真琴:「聖マルス学園」2年生女子、学園1の天才。
黄多川礼:「聖マルス学園」の女子生徒。実は武闘派。
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。「十二人委員」の創立者であった。
鏡二郎:呪いの家の過去の所有者。「十二人委員」の現リーダーらしい。
黄多川達也:礼の伯父で武術師範。原因不明の体調不良により入院中。「十二人委員」の1人。
フード男:「十二人委員」の1人。展望台から多くの犯罪者を抹殺した。
御門屋恭示:圭一の幼馴染らしいが……実はフード男!?
これまでの登場人物については過去記事リンクの後に記載しています。
<ネタバレあらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
高校生になった赤木蛍は行方不明となっていた兄・圭一と思わぬ形で再会を果たすことに。
なんと、圭一が幽霊として蛍のもとに戻って来たのだ。
しかも、圭一は悪意が関わる事件を察知し悪意を消滅させる能力を手に入れていた。
だが、圭一は現世に介入することが出来ない。
これでは折角の力も無意味である。
其処で圭一から協力を求められた蛍は、兄妹で力を合わせ1人でも多くの人を助けるべく動き出すことに。
・前回までのあらすじはこちら。
「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第57話「黄多川礼対黄多川達也」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
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楓が緑川宗達こそ「十二人委員」の創設者であることを知りショックを受けていたと同じ頃、霧子と真琴の姿は霧子の祖母の前にあった。
霧子の祖母は高名な占い師として多大な影響力を誇る人物。
そして、鏡二郎はその上得意である。
ところが、真琴は何を考えているのか霧子の祖母に鏡二郎が「十二人委員」のリーダーであり、多くの悪人を葬っていると明かす。
さらに、そんな鏡の身に因果が迫っており危険であるから忠告すべきだと進言した。
突然の真琴の言葉に動揺を隠せない霧子の祖母。
暫し悩む素振りを見せたが、結局は相手に出来ないとばかりにその場を去ってしまった。
しかし、これこそ真琴の狙いであった。
真実を伝えつつも考える時間を奪うことで消極的ながらも霧子の味方に引き込んだのだ。
積極的な支援こそ期待出来ないが、鏡に対して不審が芽生えている限り少なくとも霧子の祖母が壁となることはない。
真琴の狙いを聞かされ絶句する霧子。
さらに真琴は次の一手を打つ。
霧子の祖母の顧客名簿を盗み見ると鏡二郎に面会の予約を申し入れたのだ。
その口実は霧子の祖母が引退し霧子に代替わりしたとのものである。
これに鏡は応じた。
その翌日、学園でこれを聞かされた蛍は事態の急展開に戸惑いながらも自身も立ち会うことに。
其処で楓を誘おうと声をかけたのだが、どうしたことか楓には普段の元気がない。
それどころか、誇りにしていた宗達の帽子を何故か忌避する様子を見せる。
楓がどれだけ宗達を慕っているか知るだけに驚く蛍だが……。
放課後、蛍は霧子や真琴と合流し作戦を確認する。
作戦の内容はこうだ。
霧子が巫女として鏡と対面、お告げの形で「十二人委員」について仄めかす。
これに鏡がどのような反応を示すかを確認するのだ。
蛍と真琴は陰からこれを眺める。
何かあれば霧子の守護霊に対応して貰う予定だ。
この間、圭一は様子が普段と異なっていた楓を見張っている。
こうして作戦が開始。
やって来た鏡二郎は壮年の恰幅の良い男性であった。
霧子の言葉を受けた鏡は想定外の出来事に驚く様子を見せる。
途端、その背後から多数の霊が現れた。
達也のときと同じである。
だが、不思議なことに彼らは鏡の背後に控えるだけで襲う様子はない。
それどころか、鏡を後押しするようにさえ見えた。
そんな鏡の背後に対応するように霧子の守護霊が出現。
これで一掃出来るかと思われたが……なんと、鏡の背中からも同じ大きさの守護霊が出現。
鏡と霧子を中心に衝突することに。
両者の力はほぼ互角、この事態に蛍は息を飲む。
その頃、当の圭一はと言うと……楓の様子に愕然としていた。
自身を見失っている楓は自己否定を繰り返し霊体が分裂しつつあったのだ。
これが続けば楓は自我を失いかねない。
其処に黄多川礼が現れた。
達也から宗達の正体を聞かされていた礼は自己否定を繰り返す楓の態度に激怒。
振りかぶるや楓に強烈な一撃を加えることに―――次話に続く。
ネタバレあらすじはまとめ易いように展開などをかなり改変してます。
気になる詳細は「週刊少年チャンピオン」本誌で確認せよ!!
<感想>
「名探偵マーニー」から3ヶ月……我らが木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」に還って来た!!
というワケで、その新作「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」です。
1巻、2巻、3巻、4巻、5巻に続き、早くも6巻が発売!!
さて、その58話。
サブタイは「鏡二郎との対決」。
今回は「蛍、霧子、真琴」と「礼、楓、圭一」とで物語が進みました。
まずは「蛍、霧子、真琴」。
霧子が居れば圧勝か……と思われましたがそうは問屋が卸しませんでした。
なんと鏡二郎の背後には桃園霧子と互角の守護霊の姿が。
つまり鏡二郎も世界を改変可能であることに他なりません。
鏡自身が霧子と同等の力の持ち主なのか……あるいは「十二人委員」が抹殺した悪人たち、彼らの被害者たちの無念が仇を取った「十二人委員」に力を貸しているのか。
それとも抹殺された悪人たちが「呪い家」のように仲間を求めているのか。
そう言えば「十二人委員」には獣も居た筈で、いずれにしても霧子だけでは厳しい戦いとなりそう。
こうなると、圭一はもちろん死神の力を借りて均衡を崩す展開になるかも!?
そして「礼、楓、圭一」。
強い正義感を持つ楓はその正義感故に敬愛する宗達の裏の顔が許せず自己否定にまで走ってしまいました。
まさに自身の正義に縛られた形に。
とはいえ、礼のシンプルな鉄拳制裁が彼女をその呪縛から解き放ちそうです。
そもそも、楓の正義感は楓自身のもの。
たとえ宗達の存在が大きな原動力となっていたとはいえ、既に彼女自身の正義が育まれている。
それを否定する必要はない。
むしろ、自身の正義を貫く必要があるとさえ言えるでしょう。
次回では想いを新たに探偵帽を被り直した楓の姿を見ることが出来るのではないでしょうか。
いよいよ、楓も此処から本領発揮となりそう。
一癖も二癖もある蛍の仲間たち、果たして次回はどう出る!?
やっぱり、本作は面白い!!
次回にも注目です!!
木々津克久先生といえば「フランケン・ふらん―OCTOPUS―」が『拡張幻想 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編、東京創元社刊)に掲載されています。
こちらも注目。
・木々津克久先生が「週刊少年チャンピオン」本誌に帰還する!!2012年8月16日より探偵物語「名探偵マーニー」連載開始!!
さて、作者である木々津克久先生と言えば、管理人にとっては「週刊少年チャンピオン」本誌での「ヘレンesp」の作家さんとのイメージ。
「ヘレンesp」は、盲目のヘレンがその特別な力(ESP能力)を駆使し、愛犬や叔父さんたちに見守られながら同年代の友人や幽霊など様々なものと交流する物語。
衝突したり理解し合えなかったりと苦難がヘレンを襲うものの、その都度ヘレンの純粋な心で相手に向き合い相手との心の壁を乗り越えていくさまは、心に響きました。
確かにあらすじだけ聞くとよくある展開かと思うものの、本作は不思議な“熱”と“説得力”を持っており、透明感のある淡い絵柄も加え、なかなかの名作といえるでしょう。
既に連載自体は終了していますが、こちらもオススメです。
◆「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」関連過去記事
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)第1話から第50話までネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第51話「霊感少年と黄多川礼の事情」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第52話「黄多川達也を救え!」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第53話「十二人委員の糸口」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第54話「赤木蛍裁判」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第55話「12VS5」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第56話「フードの男の正体」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「兄妹〜少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿〜」第57話「黄多川礼対黄多川達也」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
◆関連過去記事
・「名探偵マーニー」(木々津克久作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)まとめ
・「フランケン・ふらん 最終話(最終回) Dream」ネタバレ批評(レビュー)
・「フランケン・ふらん 59話 BestFriend」ネタバレ批評(レビュー)
・「Phase20」(木々津克久作、「チャンピオンRED 2012年1月号」掲載)ネタバレ批評(レビュー)
・「鋏女(チャンピオンRED 5月号掲載)」ネタバレ批評(レビュー)
・「ヴァンパイア・アナライズ (チャンピオンRED 7月号掲載)」(木々津克久著、秋田書店刊)ネタバレ批評(レビュー)
これまでの登場人物一覧:
【蛍とその仲間たち】
赤木蛍:主人公。今年の春から「聖マルス学園」に特待生として進学した。
圭一:蛍の兄。正義感の強い警官だったが失踪。幽霊となって戻って来た。
緑川楓:蛍のクラスメート。実は少女探偵であった。
桃園霧子:「聖マルス学園」2年生とされる謎の令嬢。「謎の桃園」「崖の下の呪い家」「恋する桃園」「オバケの出る公園」に登場。
青葉真琴:「聖マルス学園」2年生女子、学園1の天才。
黄多川礼:「聖マルス学園」の女子生徒。実は武闘派。
死神:黒い影の男の正体。「桐島静香の秘密」「謎の桃園」「騙された死神」「母の父」に登場。
【十二人委員】
十二人委員:警察内部に存在する犯罪者を私的制裁する組織、メンバーは12人居るらしい。
緑川宗達:楓の祖父。推理能力に長けた名刑事として有名らしい。「十二人委員」の創立者であった。
鏡二郎:呪いの家の過去の所有者。「十二人委員」の現リーダーらしい。
黄多川達也:礼の伯父で武術師範。原因不明の体調不良により入院中。「十二人委員」の1人。
フード男:「十二人委員」の1人。展望台から多くの犯罪者を抹殺した。
御門屋恭示:圭一の幼馴染らしいが……実はフード男!?
獣を連れた男(11人と1匹の獣):圭一の死に関わる人物。獣は殺意のことらしい。
PND(疑われざる者):静香によれば圭一が追っていた謎の人物らしい。獣を連れた男と同一人物なのか?
【赤木家とその周辺】
蛍の父:赤木興業の社長。
赤木真知恵:蛍の母。バーのような店を経営している様子。
節:蛍の妹。
和也:蛍の弟。
紀理香:真知恵の姉、長女。
陽香:真知恵の姉、次女。
おじいちゃん:真知恵の父、蛍にとっては母方の祖父。44話で死去。
謎の少年:蛍の初恋相手らしい。11話に登場。
真島慎一:蛍の幼馴染。彼女に恋心を抱いている。9話から登場。
【聖マルス学園関係者】
志田りか:聖マルス学園の生徒。2話から登場。
塞田康平:蛍のクラスの担任教師。割とミーハーらしい。
見場創太:3話ラストに登場した怪しい男。学園の生徒であった。
校長:聖マルス学園の校長。
教頭:聖マルス学園の教頭。
千葉:鐘楼登頂に挑み謎の転落死を遂げた男子学生。
沼代:22話ラストで鐘楼登頂に挑んでいた男子学生。
5人の成功者:過去に鐘楼に登頂することに成功した面々。
五島:5人の成功者の1人だが……。
東条春道:霧子の幼馴染、人気者。
創さん:「聖マルス学園」の成績優秀者。
野間:「聖マルス学園」の成績優秀者。
郷里良子:「聖マルス学園」の女子生徒。「ザ・ボディーガード」に登場。
垣木:「聖マルス学園」の女子生徒。柔道部の猛者だが……。「ザ・ボディーガード」に登場。
清水宗徳:「聖マルス学園」の男子生徒。霊能力者を名乗る。
【警察関係者】
逸見:楓の知人の刑事。
桐島静香:圭一の同期であるキャリア。現在は警察署長に。
大島:南具署の刑事。
光芝:圭一と静香の同期。
久毛山:圭一と静香の同期。
紅梅:圭一と静香の同期。
二階堂:警部。白い服の男。静香に想いを寄せていたらしい。
山本巡査長:在りし日の圭一の上司。今は田舎の派出所に勤務している。
蓮宮:県警の担当者。
【その他】
志田高志:りかの兄。りかにストーカーしているとのことだが……。
実山:赤木興業を担当している会計士。
貝塚俊雄:実山会計士事務所の職員。比較的若手。
役丸みつえ:実山会計士事務所の職員。紅一点。
三島:実山会計士事務所の職員。太目。
丸木田:実山会計士事務所の職員。ダンディ。
麻依:貝塚の元婚約者。
末為良則:12話で遺体で発見される。場津間高校の教師であった。
葉森了:場津間高校の学生。末為の教え子。
葉森美和:蛍が廃病院で出会った女性。了の母で入院していた毛羽病院で落命していた。
間岩:米城警察病院の看護師。
怪物:人中に居ようとも誰も興味を向けない怪物。
大人しい人間:怪物に付き添う不可思議な人影。
栗山将秋:怪物たちが暮らしている部屋の契約者。
三ツ矢:誘拐事件の被害者とされる子供の母親。
満島:節の担任教師。
円卓:「占いの館」の占い師の1人、「ジュエル」を名乗っていた。「緑川楓の誤算」に登場。
蝶野:「占いの館」の占い師の1人、「カラスアゲハ」を名乗っていた。「緑川楓の誤算」に登場。
丹下七郎:携帯ショップの店員、35歳。「騙された死神」に登場。
真利奈:七郎の姪。「騙された死神」に登場。
能美功次:「城町西学園」の成績優秀者。「フックマン」を抱えている。
能美一郎:過去に町止小学校襲撃殺傷事件を引き起こした犯人、当時37歳であった。
三橋:能美一郎と親しかった男性。
赤沼茂樹:工学部の院生、ミステリーマニア。
広重将美:赤沼の同期、テレビで一躍大ブレイクを遂げた著名人。
奥宮サキ:墓地で殺害された被害女性。
荒井忠良:サキと交際していた男性、姿を消している。
君近良雄:サキと交際していた男性、姿を消している。
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