<あらすじ>
男性の刺殺体が発見され、傍らには楽譜が置かれていた。それは日本を代表する世界的なピアニスト・雨宮薫(矢田亜希子)が作った曲であることが分かる。宅間はこの曲に頻繁に出てくるあるメロディに目をつけ、それを英語の音名に直してみると、「DEAD BECCA」という言葉が現れる。「BECCA」の意味を調べるうちに、薫の衝撃的な過去が明らかになり…!?ひとつのピアノ曲をめぐって、事件は意外な結末を迎える!
(公式HPより)
では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……
新設された「総合事犯対応係(仮称)」。
メンバーには10年と10ヶ月に渡り冤罪で服役し犯罪に精通した宅間。
未だ対応係に慣れない様子の我妻。
個性的なメンバーのまとめ役・姉小路。
システムに強い松原。
元SPでイケメンの堀川。
そして、このメンバーを集めた滝道が居る。
そんな「総合事犯対応係」は今日も今日とて何やら騒がしい。
彼らのもとに新たな事件の捜査が持ち込まれたのだ。
その事件とは「桑原武彦殺人事件」。
深夜の路上で背後から何者かに刺され絶命していた。
絶命後も何度となく刺され続けていたことから、女性ではなく男性の犯行と思われた。
また、現場からは世界的なピアニスト・雨宮薫による名曲「聖者のレクイエム」の楽譜が発見されていた。
どうやら、犯人からのメッセージらしい。
宅間は「聖者のレクイエム」の楽譜を目にするなり「暗号が隠されている」と指摘する。
有名な音階暗号であった。
不審なパートを抜き出し「アルファベット」に置き換えたところ「DEAD BECCA」との言葉が……。
すなわち「ベッカの死」である。
果たして「ベッカ」とは何者なのか!?
また、もう1つ終盤の「ラレ」の部分が不審なパートであったがこれだけは変換できない。
雨宮薫のもとを訪ねた宅間たち。
薫のマネージャーの杉崎は「薫は関係ない」と主張する。
宅間はと言えば薫の部屋に置かれた人形に目を留めることに。
一方、「DEAD BECCA」について調べたところ、薫の友人に「ベッカ」こと渡辺麗香が居たことが明らかに。
だが、麗香は15年ほど前に夫を亡くし、3歳の息子・仁を残して謎の死を遂げていた。
夫を亡くしたショックから麗香が自殺したものと思われていたが……。
被害者・桑原と薫の関係が明らかになった。
なんと、桑原は薫の恩師だったのだ。
矢先、薫が記者会見を開き「天使のレクイエム」が麗香への鎮魂曲であったことを公表した。
さらに、薫は桑原を殺害したのが彼女のストーカーであると主張し始めた。
犯行当日に桑原と旧交を温めた直後の事件だったらしい。
薫によると、事件の翌日にはストーカーから「愛の邪魔をする奴を消してやった」との手紙が届くようになったのだそうだ。
薫の部屋を調べた宅間は「銭やん製の盗聴発見器」で例の人形から盗聴器を発見する。
どうやら、ストーカーは盗聴器から情報を得て桑原を殺害したようだ。
翌日、児童福祉施設「ゆうづき学園」で演奏会が行われることに。
宅間たちはストーカーを罠にかけるべく張り込む。
姉小路らが緊張する中、宅間は園出身者と見られる青年の記事に目を留める。
それは「聖者のレクイエムを演奏し優勝した渡辺仁さん」との記事。
其処では仁が「幼い頃に母親が何度も弾いてくれた記憶があるんです」と語っていた。
そう、麗香の息子・仁は「ゆうづき園」で成長しピアニストを目指していたのだ。
一方、薫の前にナイフを持ったパーカーの影が立ち塞がった。
しかし、控えていた姉小路たちにあっさりと逮捕される。
このパーカーの人物こそ薫のストーカーであった。
これで事件は解決と姉小路たちは胸を撫で下ろすが……。
宅間は「まだ終わってない」と洩らす。
その頃、薫は仁と接触していた。
仁は「薫が聖者のレクイエムを奪った」と詰め寄る。
実は、麗香の死は自殺ではなく他殺であった。
その犯人こそ薫だったのだ。
そして、薫は秘密を知る仁をも殺害しようとしていたのである。
薫に捕らえられた仁は15年前の麗香の転落現場に連れて行かれてしまう。
ところが、其処に宅間らが現れた。
薫の行動はすでに予測されていたのだ。
薫の犯行動機は「聖者のレクイエム」を麗香から盗作した事実を隠蔽することにあった。
桑原は薫の成長を楽しみにしており、彼女に関する記事をこまめに集めていた。
其処で仁の記事を見かけ何の気なく薫に教えた。
ところが、薫はこの桑原と仁に危機感を抱き口封じを決意したのである。
薫はストーカーを利用することにした。
盗聴器の存在を知りつつ、桑原の名を繰り返したことでストーカーの嫉妬心を煽りこれを殺害させた。
桑原の殺害現場に楽譜を手向けたのは薫である。
では、薫が楽譜を手向けた理由は何か?
桑原殺害を利用し仁を呼び出す為であった。
この意図は当たり、仁が薫の前に現れた。
では、仁をストーカーに殺害させなかったのは何故か?
薫は麗香に強く嫉妬しており、仁を自身の手で殺さずにはいられなかったらしい。
宅間は薫に「聖者のレクイエム」にもう1つ暗号が隠されていたことを明かす。
そう終盤の「ラレ」だ。
「ラレ」は和名表記だと「イ二」、すなわち「仁」である。
麗香は「DEAD BECCA」で「夫を失った自身(ベッカ)の死」を歌ったが、同時に「息子・仁と生きて行く決意」をも歌っていたのである。
すなわち「聖者のレクイエム」は麗香作だったことの証明であった。
宅間の弾劾を受けた薫は逮捕されることに。
麗香の死の真相を知った仁に「幼い子供を残して死を選ぶ親は居ない」と自身の境遇を思い返しつつ励ます宅間、その脳裏には宅間自身の家族の姿があった―――7話へ続く。
<感想>
「スペシャリスト」の連続ドラマ版、その第6話です。
今回はスペシャル版からのファンにとっては嬉しい回でしたね。
久しぶりに銭やんや美也子の名が登場しました。
ちなみに、銭やんは宅間の古い仲間、美也子は宅間の元妻です。
此の点、シリーズ設定を活かしたストーリーだったと思います。
ただ、「ラレ」=「イニ」=「仁」は何処かで視たなぁ……と思ったら有りました。
水曜ミステリー9「森村誠一サスペンス 刑事の証明9 疑惑の四重奏 目撃者500人演奏中の完全犯罪!!幻の曲に暗号が?謎の音符シ♯に秘めた愛」ですね。
こちらは「シドラレ」=「ロハイニ」=「只仁」でした。
・水曜ミステリー9「森村誠一サスペンス 刑事の証明9 疑惑の四重奏 目撃者500人演奏中の完全犯罪!!幻の曲に暗号が?謎の音符シ♯に秘めた愛」(7月8日放送)ネタバレ批評(レビュー)
そして音楽暗号と言えば「ハルチカシリーズ」の『惑星カロン』にもありますね。
・『惑星カロン』(初野晴著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)
とはいえ、今回も楽しめました。
次回にも期待ですね!!
◆関連過去記事
・土曜ワイド劇場 サスペンス特別企画(ドラマスペシャル)「スペシャリスト〜無実の罪で10年服役した刑事と殉職警官の妻…異色タッグが京都を揺るがす4つの殺人連鎖に挑む!」(5月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場 サスペンス特別企画(ドラマスペシャル)「スペシャリスト2〜全ての犯罪を知る刑事VS完全犯罪を操る男!京都の街に現れた謎の暗号…女性議員を狙う殺人計画の罠」(3月8日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場 サスペンス特別企画(ドラマスペシャル)「スペシャリスト3 無実の罪で10年服役した刑事!7体のフィギュアが結ぶ連続殺人 冤罪の謎が解ける衝撃の結末とは!?」(2月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場 サスペンス特別企画(ドラマスペシャル)「スペシャリスト4」(12月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「スペシャリスト」1話(1月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「スペシャリスト」2話(1月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「スペシャリスト」3話(1月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「スペシャリスト」4話(2月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・「スペシャリスト」5話(2月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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