<あらすじ>
7通の怪文書が送られてきた、という一報を受けて、宅間(草ナギ剛)らはその大病院へ向かう。怪文書を読んだ宅間は、白衣をまとい病院内に潜入捜査。次々と怪文書の内容に沿った悪事を暴いていく!一方、別の場所で男性の撲殺体が発見される。宅間は、その事件が怪文書と繋がっていると名言。さらにこの病院では、ある要人が極秘で手術を受ける予定があることも判明し…!?やがて病院は、一般人を巻き込んで大パニックに陥っていく!
(公式HPより)
では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……
新設された「総合事犯対応係(仮称)」。
メンバーには10年と10ヶ月に渡り冤罪で服役し犯罪に精通した宅間。
未だ対応係に慣れない様子の我妻。
個性的なメンバーのまとめ役・姉小路。
システムに強い松原。
元SPでイケメンの堀川。
そして、このメンバーを集めた滝道が居る。
そんな「総合事犯対応係」は今日も今日とて何やら騒がしい。
彼らのもとに新たな事件の捜査が持ち込まれたのだ。
その事件とは「玄豊会総合病院脅迫事件」。
玄豊会総合病院宛てに「恐ろしいものが撒かれる」など七通の脅迫状が届いたことを事務長の山本茂文が重視し、外科部長の高沢憲一の反対を押し切り宅間たちの介入を依頼したのだ。
興味を抱いた宅間は我妻らと共に玄豊会総合病院へ。
一方、宅間は警備会社社員・梶村隼男殺害事件にも興味を抱いていた。
実は梶村こそ玄豊会総合病院のセキュリティシステム担当者だったのだ。
その死の原因が脅迫状に関わって来ると見た宅間の差配で姉小路らがこの捜査に乗り出した。
その頃、玄豊会総合病院に辿り着いた宅間は七通の脅迫状について報されていた。
その内容は次の通りである。
1.整形外科でリハビリを受けると金運が下がる。
2.眼科では目玉の神様が見張っている。
3.産婦人科にはお産のときに亡くなった妊婦の霊が居る。
4.消化器内科で月末に死んだ患者が翌月に甦る。
5.泌尿器科ではトイレの山羊子さんが紙を食べる。
6.小児科では夜中に居ない筈の子供が泣く。
7.玄豊会総合病院に恐ろしいものが撒かれる。
1から6に比べて7だけは明らかに毛色が違うことを気に掛ける宅間。
そんな宅間に不信感を募らせる高沢。
「卵は1つの籠に盛るなとも言いますし、手は打って置くに越したことはないでしょう」
そう言って高沢を宥める山本だが。
数分後、宅間は案内ボランティアの馬場小百合と打ち解けていた。
小百合によれば、7通の脅迫状は「玄豊会総合病院の七不思議」と重なっているそうだ。
だが、7つ目は「玄豊会病院にはカルテの無い患者が居る」筈だったそうだ。
そんな宅間と小百合から少し離れたところでは、看護師・鳥塚蕗子が困惑した表情を浮かべていた。
蕗子は鮎原医師と看護師長・成田喜和子から何やら言い含められているようだが……。
ちなみに小百合によれば鮎原は人気医師で「1時間に20人を診療する」と豪語しているらしい。
また、待合室では妊婦が古堂なる男性に声を掛けられていた。
小百合によれば、妊婦は「既に臨月を迎えている筈なのにまだ子供が生まれていない」のだそうだ。
話しかけている古堂は話好きのおじさんであちこちの人に話しかけてはいろいろ聞いていると言う。
その一方で、廊下では医療器具メーカーの営業・荒木が眼科の担当医相手に必死に売り込みを続けていた。
人気急上昇中のアイドル「KYT480」のグッズで気を惹こうと奮闘中だ。
これを見ていた宅間は蕗子をお供に指名し「七不思議」について調べ始める。
「七不思議について詳しくない」と訴える蕗子だが宅間は聞く耳を持たない。
見ていた我妻は同情しつつ「諦めなさい」と首を横に振る。
同じ頃、姉小路は院内の監視カメラを調べ、スマートトレンド社の会長・大城重雄の入院に気付いていた。
大城は極秘裏に入院しているようだ。
また、梶村殺害現場の遺留品から芝浜埠頭の倉庫の鍵が発見されていた。
姉小路の指示を受けて松原と堀川が倉庫へ向かう。
さて、その頃の宅間はと言えば蕗子と共に整形外科のリハビリ室を訪れていた。
1.整形外科でリハビリを受けると金運が下がる。
「整形外科を受診すると金運が下がるの検証をしよう」
「リハビリを受けると金運が下がるとはどういうことですか?」
宅間の言葉に疑問を呈する蕗子だが、宅間はその場に居た古堂に目を付ける。
古堂はリハビリ室内のお年寄り相手に世間話に興じていた。
投資信託や出身地などを聞き出していた古堂。
つかつかと彼に歩み寄った宅間はその所持品からICレコーダーを奪い取る。
そう、古堂は相手から情報を引き出すと会話を録音していたのだ。
おそらく古堂が得た情報を活かして詐欺が行われていたのだろう。
古堂は特殊詐欺の手先だったのだ。
1の正体は「詐欺」のことを示していた。
2.眼科には目玉の神様が見張っている。
眼科を訪れた宅間は其処に飾られた目の模型に注目し「目玉おやじか……」と呟く。
これを「目玉おやじじゃなくて神様ですよね」と訂正する蕗子。
ところが、宅間が手にした模型の中には小型カメラが仕掛けられていた。
どうやら、眼科の医師を盗撮していたようだ。
これは営業の荒木が医師の趣味を探る為に仕掛けたものであった。
「KYT480」のファンであるなど情報を掴んで営業に用いていたのだ。
2の正体は「迷惑防止条例違反」を示していた。
同時刻、倉庫に辿り着いた松原たちは其処に「玄豊会総合病院の偽造IDカード」を見出していた。
さらに、大城の命を狙うとのメモが……。
偽造されたIDカードから湊修一郎の存在が浮上した。
どうやら、湊は大城の命を狙って玄豊会総合病院に忍び込んでいるようだ。
一方、宅間は3つ目の謎に挑んでいた。
3.産婦人科にはお産のときに亡くなった妊婦の霊が居る。
産婦人科の待合室を一瞥した宅間は其処に「臨月を過ぎても出産していない妊婦」を見つける。
妊婦の霊とは予約を入れていない彼女のことであった。
しかも、彼女は妊婦体験セットを着用した偽妊婦。
不倫相手の奥さんに妊娠したと嘘を吐き離婚を迫ったところ、四六時中、監視され退くに退けなくなっていたらしい。
3の正体は「不倫こじらせ」を示していた。
4.消化器内科で月末に死んだ患者が翌月に甦る。
これは死亡日時を改竄することで年金を1ヶ月分不正に受給させていたこと。
4の正体は「私文書偽造詐欺」を示していた。
5.泌尿器科ではトイレの山羊子さんが紙を食べる。
其処では女性がトイレットペーパーを盗んでいた。
5の正体は「窃盗罪」を示していた。
6.小児科では夜中に居ない筈の子供が泣く。
これはブーブークッションと同じ原理であった。
椅子の下にイタズラ小僧が置かれていたのだ。
6の正体は「悪戯の類」を示していた。
残るは7つ目だが、七不思議と脅迫状では「カルテの無い患者」と「恐ろしいものが撒かれる」で内容が異なる。
宅間は七不思議版について解明する。
7.玄豊会病院にはカルテの無い患者が居る。
まず、宅間は蕗子こそが6通目までの脅迫状の主だと指摘。
蕗子は七不思議に詳しくないと言いながらも、「整形外科」を「リハビリ」や「目玉のおやじ」を「目玉の神様」と正確な内容に置き換えていた。
つまり、蕗子は七不思議を知っていながら知らないふりをしていたのだ。
では、蕗子が嘘を吐いてまで脅迫状を送ったのは何故か?
「1時間における医師1人当たりの平均診療時間は5人」と指摘する宅間。
ところが、鮎原は「1時間当たり20人」と豪語していた。
これは「1人当たりの診療時間が3分であること」を示す、物理的に不可能だ。
そう、鮎原医師は成田看護師長と共謀し診療患者数の水増しを行っていたのだ。
宅間が目撃した蕗子の困惑の表情の理由は、鮎原と成田から黙認するよう圧力をかけられていた現場であった。
蕗子はこれを告発しようと脅迫状の形で宅間たちの介入を狙ったのだ。
7の正体は「私文書偽造」を示していたのだ。
しかし、蕗子には七通目に心当たりがないと言う。
七通目を送ろうとしたところ、何者かに先を越されてしまったのだそうだ。
其処に姉小路たちが合流した。
姉小路は湊の存在を明かし「湊が大城へ復讐しようとしている」と宅間に教えた。
湊の父は大城の買収に遭い自殺に追い込まれていたのだ。
脅迫状の「恐ろしいもの」とは、もしかしてウイルスなどの細菌兵器のことなのか!?
これを何処から現れたのか馬場が聞き付け大騒ぎに。
並行して防火シャッターや隔離扉が次々と閉鎖して行く。
大騒ぎとなる中、電気の供給が停止し院内はパニックに!!
一方、行われようとしていた大城の手術はこの事態を受けて中止。
外科部長の高沢は大城を連れてエレベーターで屋上へ脱出するよう指示を出す。
エレベーターで屋上へ向かう高沢と大城たち。
此処で宅間は何故、真犯人が予告を行ったのかに注目する。
真犯人が大城を殺害するつもりならば予告する必要は無い。
途端、宅間は真犯人の狙いを察知した。
宅間は湊がウイルスはウイルスでも、コンピューターウイルスを用いたと指摘。
梶村殺害もこの布石であったと訴える。
高度にハイテク化されていた「玄豊会総合病院」のセキュリティはそれ故に湊により支配されてしまっていた。
大城が乗るエレベーターは停止してしまう。
大城は小百合たちがパニックに陥る玄関前に放り出された。
大城の存在に気付いた小百合は「スマートトレンドの大城会長が極秘手術を行っていた」と騒ぎ立てる。
その様子は先の騒動と併せてネットで院外へと配信されてしまった。
其処へ清掃員に扮した湊がナイフを手に駆け寄って来た。
宅間は湊へ車椅子をぶつけて足を止めると彼を逮捕する。
これで事件解決と思いきや……宅間は「まだ、最後に残っている」と走り出す。
向かった先には地下駐車場の山本のもとであった。
山本は地下駐車場で株式取引を行い、大きな利益を得ていた。
彼が取引したのは「スマートトレンド社の株」だ。
大城入院が露見し下落した株を空売りしたのだ。
山本の前に立ちはだかった宅間は「あなたが黒幕ですね」と語り出す。
「卵は1つの籠に盛るな」それはリスク分散を謳った株式投資の言葉だ。
此の時点で宅間は山本に疑惑を抱いていたらしい。
山本は大城の秘密入院を知り、これを活かそうと考えた。
しかし、関係者である山本はこの情報を活かせない。
其処で、山本は湊を利用することにした。
湊に騒動を起こさせ大城の入院を暴かせることで利益を得ようと目論んだのだ。
最初から山本は大城を湊に殺させるつもりは無かった。
だからこそ、宅間たちを招いたのである。
しかし、山本の罪はこれだけでは無かった。
梶村殺害現場に湊に繋がる倉庫の鍵が残されていたのが不自然だったのだ。
梶村殺害も山本の犯行であった。
湊へ目を向けるよう鍵を残した山本であったが、この際に鍵に自身の血痕を付着させていた。
これが決め手となり山本は逮捕されることに。
奇しくも、7つ目の真の正体は「殺人」を示していたのである。
その夕方、我妻は姉小路と宅間について会話していた。
宅間が追うモノについて聞かされる我妻だが……。
一方、宅間は相関図を前に考え込んでいた。
其処には脚本家・佐神(スペシャル2、3)や武藤(スペシャル3)、死亡した高倉(スペシャル1から4)の写真が貼られていた。
また、爆殺された我妻公昭(連続ドラマ版3話)の写真も―――8話へ続く。
<感想>
「スペシャリスト」の連続ドラマ版、その第7話です。
今回も盛り沢山の回でしたね。
同時にファンには嬉しい回でした。
まずは、「スペシャリスト3」でも登場した「KYT480」が再登場。
他に「脚本家」こと佐神や武藤、死亡した高倉らも登場。
また我妻公昭も含めて「我々」との関係が匂わされていました。
こうなると全員が警察関係者だけに「我々」も其処に存在していることになりそう。
「スペシャリスト3」での予想が活きて来るか!?
・土曜ワイド劇場 サスペンス特別企画(ドラマスペシャル)「スペシャリスト3 無実の罪で10年服役した刑事!7体のフィギュアが結ぶ連続殺人 冤罪の謎が解ける衝撃の結末とは!?」(2月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)
それにしても気になるのは「玄豊会総合病院の七不思議」を定めたのは誰だったのか?
てっきり、蕗子の創作と思いきや小百合も既に知っていたようですし、そもそも院内で存在していたものの様子。
その人物は全てを見通していたことになりますが、もっとも危険な人物の気がします。
もしかして、これこそ「脚本家」の佐神だったりして。
そして、何故か偽造IDカードに本名を用いる湊修一郎。
また、蕗子も七通目の「診療数水増しの不正告発」が目的なら、それだけ強調した方が良かったような気がしたり。
奇しくも山本が自身の利益に利用しようとしたから宅間が介入し目的を果たせましたが、当初の予定通りでは到底狙いは果たせなかったでしょう。
これを考えると山本こそが「彼自身も含めた玄豊会総合病院の大掃除」の真の貢献者だったのかもしれません。
いよいよ、次回からは「我々編」に突入のもよう。
次回は元妻・美也子との再会だそうです。
しかも、銭やんや「脚本家」こと佐神も登場との噂も……目が離せません!!
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