<あらすじ>
宅間(草ナギ剛)は、同窓会で上京した元妻・美也子(紺野まひる)と久々に会い、ある思い出の品を受け取る。その後、連続殺人事件が発生。共通している点は2つ。 (1)現場に不可解な印のついたプラスチック片が残されている。 (2)被害者は、過去に殺人の容疑をかけられるも不起訴になっている。 この異常な連続殺人に宅間は、京都府警時代に出逢った“殺人脚本家"の存在を思い出す。やがて宅間と美也子に衝撃の展開が待ち受ける!
(公式HPより)
では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……
新設された「総合事犯対応係(仮称)」。
メンバーには10年と10ヶ月に渡り冤罪で服役し犯罪に精通した宅間。
未だ対応係に慣れない様子の我妻。
個性的なメンバーのまとめ役・姉小路。
システムに強い松原。
元SPでイケメンの堀川。
そして、このメンバーを集めた滝道が居る。
そんな中、宅間の元妻・美也子が上京して来た。
美也子は宅間と再会すると「(宅間が帰って来ることを)待っている」と告げる。
さらに、宅間が広報課時代に編集した広報誌と学生時代の同人誌を手渡すのだが……。
一方、巷では3件の連続射殺事件が話題になっていた。
被害者は会社員の大木、スーパーのパート店員・高野富江、職業不詳の笠木である。
全て手口は同じだが、3人の間に共通項はない。
いや、ただ1つ妙な遺留品が残されていた。
矢先、暴力団流水会の組長・郡司喜作がラブホテルで刺殺された。
現場には1枚のプラスチックカードが残されていた。
この妙なプラスチックカードこそ連続射殺事件の遺留品でもあったのだ。
連続射殺事件の遺留品であったプラスチックカードにはバツ、プラス、放射状の絵柄が描かれていた。
これを目にした宅間は予想通りならば少なくとも6件、最大で36件の犯行が起こり得ると口にする。
さらに、宅間は例としてある絵柄を描き出すのだが。
奇しくも郡司殺害現場に残されていたカードの絵柄こそソレであった。
何やら掴んだらしい宅間。
一方、郡司が過去に殺人容疑がかかりながら無罪になっていたことが判明。
さらに、これまでの被害者3名も同様であった。
大木は送電塔から山田を突き落とした疑いがあった。
富江は母親を殺害し山中に埋めた疑いがあった。
笠木は12年前に元交際相手への放火殺人の疑いがあった。
しかし、郡司も含めた4人ともが悉く無罪になっていたのだ。
此処で宅間は例の遺留品の正体を明かす。
それはチェスの移動範囲を図示した物であった。
バツはビショップ、プラスはルーク、放射線状はクイーンだ。
さらにサイバー犯罪対策課に依頼し、該当しそうなサイトを調べたところ奇妙なチェスサイトを発見したらしい。
そのサイトには8つの駒が描かれていた。
中の1つ倒れた黒のポーンに書かれた文字からそれが郡司であると指摘する宅間。
ポーンの動きこそ先の宅間が例に挙げた図柄そのものであった。
さらに、サイトではビショップ、ルーク、クイーンが倒れていた。
それぞれ大木、富江、笠木を示しているようだ。
宅間は8つの駒がそれぞれターゲットを表現していると考え「ネット上で参加者を募った殺人だ」と断言する。
つまり、不特定多数の犯行なのだ。
これならば当初3件の犯行と郡司殺害の手口が異なるのも頷ける。
手口から現状で2人の参加者が居ることになる。
そして、サイト上に残る駒は4つ。
つまり、残り4人の命が危険なのだ。
この遣り口に宅間は見覚えがあった。
そう、犯罪ビンゴ(スペシャリスト2参照)だ。
つまり、裏に存在するのは「犯罪脚本家」こと佐神に違いない。
・土曜ワイド劇場 サスペンス特別企画(ドラマスペシャル)「スペシャリスト2〜全ての犯罪を知る刑事VS完全犯罪を操る男!京都の街に現れた謎の暗号…女性議員を狙う殺人計画の罠」(3月8日放送)ネタバレ批評(レビュー)
宅間は久しぶりに銭やんのもとを訪れる。
彼に例のサイトについて情報を得る為だ。
銭やんはあからさまに胡散臭い占いの館を経営していた。
銭やんからサイトのパスワードを聞き出す宅間。
実は、チェスサイトには管理者向けにもう1つページがあったのだ。
さらに、佐神の居所についても問う。
数時間後、「総合事犯対応係(仮称)」では残る4人について捜査結果が報告されていた。
牧瀬輝美、再婚相手の子供を虐待死させた。
小池智英、未成年時に危険ドラッグで同級生を殺害している。顔写真はない。
安西桂子、夫に対する保険金殺人の疑いがあった。
菅和也、不良少年グループのリンチ殺人の容疑者であった。
身許が判明した以上、早急に保護せねばならない。
ところが、4人とも連絡が取れないらしい。
宅間は8人全員の事件が10年以上前であることから、なおさら佐神の関与を確信する。
銭やんから教わった管理者パスワードでサイトにアクセスした宅間。
其処には予想通り8人の罪が記されていた。
もちろん、其処に書かれた罪が事実かどうか確認は出来ない。
だが、参加者の心理的抵抗を軽減させる免罪符にはなる。
佐神がサイトを通じて人の悪意に揺さぶりをかけていると述べる宅間。
矢先、別の管理者パスワードによりデータのアップデートが行われた。
IPアドレスから管理者は渋谷のネットカフェに居るらしい。
宅間は「佐神からの挑戦状だ」と呟く。
ネットカフェに急行したところ、チェスサイトの管理者と思われる男性が捕まった。
ところが、彼は自身を小池智英だと名乗る。
身を守る為に管理者パスワードでサイトにアクセスし、サイトを閉鎖しようとしたらしい。
直後、輝美が撲殺死体で発見される。
凶器は鉄パイプのようだ。
また、輝美は血染めのナイフを所持していた。
現場からは他に白のポーンの絵柄が回収された。
残りの駒は3つ。
すなわち、標的も3人だ。
ところが、小池が意外なことを言い出した。
菅が一ヶ月ほど前に既に殺害されていたと言うのだ。
だが、菅を示すと思われる駒は未だに健在である。
もしも、小池の言葉が正しければ残る標的は小池と桂子の2人だけとなるが……。
同じ頃、野方は何者かに電話で捜査状況について報告を入れていた。
また、姉小路は宅間が佐神に取り込まれることを怖れ美也子と会って来るように奨める。
美也子こそ宅間を止められると考えているようだ。
これに素直に従う宅間。
ところが、隙を突いて小池が姿を消してしまった。
同じ頃、美也子のもとに不審な手紙が届く。
差出人は佐神となっていた。
これを美也子から聞いた宅間は手紙を届けた相手を追うが鉄パイプで襲撃を受けてしまう。
危機一髪のところを姉小路らが駆け付けたことで事無きを得るが、周辺を調べたところ撲殺された小池の死体が発見された。
遺留品からルークの駒らしき絵柄が発見。
また、おそらく犯行方法から輝美と同じ犯人であろう。
現時点で犯行方法は4つ、射殺、刺殺、撲殺、菅を殺害した方法だ。
だとすれば参加者は4人存在することになるのだが……。
直後に輝美が所持していたナイフが郡司殺害の凶器と一致したとの報が届く。
さらに、佐神の手紙を目にした宅間。
其処には「1人だけ生き残ることが出来る。生き残った者は願いが叶う」と記されていた。
これを目にした宅間は真相に辿り着き、チェスサイトに管理者パスワードを用いてアクセスする。
数時間後、菅殺害を目論む影が現れ緊急逮捕された。
影の手には鉄パイプが握られており、輝美と小池殺害犯のようだ。
影に「白のナイトこと安西桂子さんですね」と呼びかける宅間。
影の正体は標的とされた8人の1人・桂子であった。
宅間はサイトの本質を見誤っていたと語る。
チェスサイトの本質は8人による「殺人トーナメント」だったのだ。
つまり、不特定多数の参加者など其処には存在していなかった。
標的とされた8人こそが参加者だったのだ。
8人の人間が互いに殺し合い、最後の1人だけが生き残れる―――それこそチェスサイトの本当のルールだったのである。
当初、桂子は参加を悩んでいた。
だが、殺らなければ殺られると気付き、率先して他の参加者を抹殺したのだ。
手掛かりはその犯行方法にあった。
3件の射殺後、1件の刺殺、2件の撲殺、すべて犯人が異なる。
最初の3人殺害は郡司の犯行であった。
ところが、輝美に刺殺された。
輝美は次に桂子を狙ったが鉄パイプで返り討ちに遭った。
続いて桂子は小池を殺害した。
宅間を襲ったのは目撃されたと思ったからである。
そして、桂子は勝利者となるべく菅を襲ったのだ。
だが、菅が既に死亡していたことは知らされていなかったらしい。
菅の死を知った桂子は震えつつ「じゃあ、資格が貰えるのね。あいつらが来る前にやらなきゃならないのよ!!」と言い放ちながら連行された。
此処で宅間の脳裏を疑問が過った。
それにしても……最初に殺された菅は誰の手にかかったのだろうか。
桂子への取調べが開始された。
その直後、チェスサイトに変化が起こった。
全ての駒が倒れたかと思うとキングが現れた。
其処には宅間の名が記されていた。
さらに15年前の日付が表示される。
身に覚えのない宅間は困惑しつつ桂子の言葉を思い出す。
桂子は「資格が貰える」と言った、それは生き残った1人に挑戦権を与えるとの意味ではないか。
佐神の手紙にあった「願い」とは「探し求めているもの」すなわち「我々」のことではないか―――。
だとすれば「我々」への挑戦権なのか!?
混乱する宅間は桂子へと詰め寄る。
しかし、桂子はキョトンとしつつ「あんたが私たちを作ったんじゃない。あんたが我々を作ったんでしょ」と繰り返すばかりだ。
同じ頃、美也子の部屋を訪れる影があった。
「俺が作った?」
一方、桂子の言葉に混乱を深める宅間。
そんな宅間を嘲笑うようにサイトに更なる変化が。
中央に立ったキングがクイーンへと変わったのだ。
「なんだ、あんたじゃ無いんだ。言いだしっぺはクイーンじゃない」
これを目にした桂子が呟く。
画面に残されたクイーンに表示されたのは美也子の名であった。
美也子の危機を察した宅間は急ぎ駆け付ける。
倒れ臥した美也子を前に慟哭する宅間―――9話へ続く。
<感想>
「スペシャリスト」の連続ドラマ版、その第8話です。
奇しくも予告が全てを表現していましたね。
「殺人トーナメント」に「美也子が狙われる」、今回の内容が全て盛り込まれていました。
もう1つどんでん返しがあるかと思っていただけに、これは些か意外だったか。
そんな今回はスペシャリスト版『そして誰もいなくなった』でした。
インディアン人形の代わりにチェスの駒と考えればご納得頂けるのではないでしょうか。
そして、何と言っても気になるのは菅。
『そして誰もいなくなった』だとすれば生死が曖昧な菅は生きている可能性も。
今回でも菅の死に対する疑惑(誰が菅を殺害したのか)も少し浮上していましたし。
美也子に毒を盛ったのも菅かも。
もし、これが正しければ菅も「我々」のメンバーなのかな。
佐神自身は「我々」のメンバーでは無さそうだし、これを知りつつ暗に宅間を導いたのかなぁ。
いずれにしても佐神自身は「我々」ではなく、むしろこれと対立している立場っぽいけどなぁ。
それと、小池と菅に過去の顔写真が無かったことも気になる。
もしかして、入替っていた可能性もあるか?
生存可能性と言えば我妻公昭も死体が確認されていない筈なんだよなぁ。
もしかして、再登場ある!?
また、今回気になったのは美也子のこと。
桂子の言葉からすれば、「我々」のルーツは15年前にこそあり美也子が関わっているのか。
だとすると、美也子から宅間に手渡された同人誌にこそルーツが隠されていることになりそう。
また、だからこそ宅間も巻き込まれたのか。
美也子が襲われたのも「我々」に纏わるものか。
もしかして、美也子は同人誌で「我々」の雛型となる作品を書いていたのかもしれないなぁ。
ちなみに、宅間が冒頭で三人の射殺事件から「ポーン」を例に挙げたのが気になりました。
あの時点だと、バツ印はビショップ、プラスがルーク、放射線状がクイーンを示していた筈。
残る駒はポーン、ナイト、キングだったのに何故、ポーンの絵柄だけを例に挙げたのか。
不可思議かなぁ。
またまたちなみに、宅間があの時に少なくとも6件としたのは駒の種類(キング、クイーン、ビショップ、ナイト、ルーク、ポーン)、最大32としたのはは駒の数全てを考慮に置いていたことになります。
でもって、野方もどうやら監視役の様子、報告相手は滝道か?
おそらく滝道も「我々」とは敵対する立場だと思うけどなぁ。
この辺りも注目ですね。
そして次回はいよいよ「対佐神」。
宅間と佐神の因縁に終止符を打つことになるのか、あるいはまた別の展開となるか。
要注目です!!
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