ネタバレあります、注意!!
登場人物一覧は本記事下部に移動しました。
<あらすじ>
〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜
「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?
矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・前回はこちら。
「実は私は」第149話「岡田奏と朱美みかんC」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
みかんに告白したものの見事に玉砕した岡。
とはいえ、その経験は彼を一回り大きく成長させていた。
岡はこれまでの気取った自分を捨て、素直な自分に生まれ変わったのだ。
翌朝、そんな岡を見かけた朝陽は彼の変化に驚く。
岡は伊達眼鏡を外しすっきりとした短髪になっていたのである。
さらに岡の変化は外見だけでは無かった。
朝陽に出会うや否や、みかんに告白しフラれたことを呆気らかんと告げたのである。
これも今までの岡からすれば考えられないことであった。
再三、驚き続ける朝陽だがサプライズは止まらない。
突然に岡が何者かに押されるようにして地面へと頭部から突っ込んだのだ。
混乱する朝陽が周囲を見回すと、その背後に立っていたのはみかん。
岡を地面へとダイビングさせた張本人は彼女であった。
前夜の遣り取りを朝陽に暴露されたことを照れたみかんは岡の頭部へ狙い澄ました蹴りを入れたのだ。
岡の安否を気遣う朝陽だが、みかんは今のうちとばかりに止めを刺すべく更に蹴り込む。
岡を救うべく必死に止めようとする朝陽だが、当の岡がこれを拒否した。
岡によれば「みかんに蹴られた上に下着を目に出来るご褒美」らしい。
これまた今までの岡からすればあり得ない台詞。
その様子にあの嶋ですら、騒ぎで出来た人垣から冷たい視線を送っている。
だが、岡は怯まない。
他の誰でも無くみかんだからこそ価値があるのだと熱く主張して止まない。
これに照れたみかんが鈍器を持ち出す。
流石にそれでは岡が死ぬ、駆け寄る朝陽だがバランスを崩してみかんの胸に触れてしまった。
慌てて謝る朝陽、これをチャンスとばかりに迫るみかん。
そして岡は……。
「くっそぅ、お前ばかり!!」
全力で地面を叩きながら血の涙を流していた。
その光景は、さしもの嶋ですらそっと目を逸らしているほどだ。
全力で朝陽を求めるみかん。
そんなみかんを全力で求める岡。
朝陽はと言えば「俺には葉子さんが居るから……」と呟くが。
途端、2人はそれまでのことが嘘のように「さっ、行くか」と歩き出した。
2人のテンションに付いて行けない朝陽は戸惑うばかり。
一方、そんな朝陽たちの様子を眺める影があった。
凛、結香……そして50年後のみかんだ。
現在のみかんに未来の夫について明かすべきではないかと提案する結香。
後に岡は母の再婚に伴い姓が変わり、みかんと結ばれたらしい。
しかし、それは未来のみかんにより却下された。
彼女によれば50年が経過した今でも先程の関係が続いているのだそうだ。
岡がみかんを追う、みかんは隙あらばと朝陽を追う。
だが、其処には彼らなりの信頼がある。
それこそが2人の愛の形なのだろう。
何やら納得する凛たち。
ところが、全く別の場所に納得いかない様子の人物が居た。鳴だ。
「流石にこれは変わり過ぎでしょ……」
先程の一部始終を傍から眺めつつ、あまりの変りように一言も声を掛けられなかった少女の姿が其処にはあった―――151話に続く。
充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!
<感想>
「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻、7巻、8巻、9巻、10巻、11巻、12巻、13巻、14巻、15巻も重版出来とのことで目出度い。さらに16巻も発売。
そして、本作かなり面白い!!
2015年7月にはアニメ化も果たしており、シーズン2製作の報が待たれます。
・【第EXTRA話】アニメ版「実は私は」スタッフさんとキャストさんの一部を明らかにされよう!
その150話。
サブタイは「黒峰朝陽と岡田奏と朱美みかん」。
恋を通じて次々と成長を遂げて行く朝陽、岡、さくら、嶋たち。
とはいえ、1番大きな変化を遂げたのが岡かもしれませんね。
それほどの変化でした。
前回、感想では「ちょっと素直になった岡が周囲にどんな影響を与えるのか」と書きましたが、ちょっとどころではない素直っぷりでしたね。
まさか、嶋すらたじろぐレベルに達するとは……。
まぁ、岡のソレはみかん限定だから節操があると言っても……果たして良いのだろうか。
また、冒頭のモノローグによれば岡のテレバシーもこれ以降消えたとのこと。
もともと備わっていたものが他者を怖れる自己防衛の気持ちからさらに強化されたものだったのかもしれませんね。
だからこそ、傷付くことを怖れなくなった為に消えたのかも。
そして、作中でこそ明言されませんでしたが岡が母の再婚に伴い黄龍院姓に転じてみかんと結ばれたことはほぼ確定。
岡は積年の想いを果たしたワケです。
凛は「朝陽と妻(葉子と思われる)の間の娘」と「岡(後に黄龍院)とみかんの間の息子」との間に出来た娘(朝陽たちからすれば孫)となります。
結果として、みかん自身の朝陽への想いは次世代で果たされたことになりますね。
50年後もみかんは朝陽を追っているとの事ですが半ば形式化しているのかもしれません。
そんな一途なみかんこそ岡が愛した彼女なのでしょう。
さて、これにより残るは「渚の去就」と「箱入り娘の謎」か。
同時に「葉子の吸血鬼としての本能」についても再度取り上げられそうかな。
うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!
そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス15巻も発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛、7巻の明里さんに続き、8巻が銀華恋、9巻が渚とみかんのコンビ、10巻が1周回って葉子、11巻は獅穂と凛コンビ、12巻は緑苑坂弓と桐子の夫婦コンビ、13巻は桃地結香、14巻は水奈川咲と葉子に!!
そして15巻は獅穂たち三人娘に!!ああ、嶋よ……。
こうなると16巻は「明里とさくら」か「明里、茜、華恋」かなぁ。
ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。
もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。
◆関連過去記事
・「実は私は」第1話から第140話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ
・「実は私は」第141話「紅本先生とさくらさんB」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第142話「紅本先生とさくらさんC」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第143話「紅本先生を取り返そう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第144話「クラスメイトと仲良くしよう!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第145話「朱美みかんと黒峰朝陽」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第146話「岡田奏と朱美みかん」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第147話「岡田奏と朱美みかんA」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第148話「岡田奏と朱美みかんB」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
・「実は私は」第149話「岡田奏と朱美みかんC」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)
登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。
藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。
朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「外道クイーン(オレンジ)」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。146話にてフルネームが「岡田奏」と判明。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。124話にてフルネームが「嶋田結太」と判明。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
手崎:文字通り茜の手先な料理教室のシェフ。
朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。92話で高校に進学。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。
緑苑坂弓:朝陽たちの副担任、実は源二郎。92話から登場。
桃地結香:忍者少女、92話(実際は105話)から登場。ある秘密が……。
黄龍院閃:鳴、結香のクラスメートの男子。瓶底眼鏡に腰の日本刀がトレードマーク。132話で苗字が判明。
水奈川咲:結香、閃、鳴のクラスメート。109話から登場。ある秘密が……。
箱入り娘:114話終盤に登場した謎の人物!?
稲葉:葉子のクラスメイト。
松本:葉子のクラスメイト。
佐々木:葉子のクラスメイト。彼氏と別れたばかり。
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岡くん良かったですね。正直、私もみかんと同じでスカしている時の岡くんはあまり好きではなかった(ですからみかん×岡には否定的でした)のですが、今の変わった岡くんならみかんと結ばれても納得です。あとはみかんが未来を変えるために拒否するのか、それとも未来で凛ちゃんに会いたくて受け入れるのか、が運命の選択になるのでしょうか。
それと話ではやけにあっさり流されましたけど、朝陽のみかんへの意識ってそんなものだったん? あの朝陽の胸の中で泣いたみかんってあんなにあっさり流されていいものなん?
というのが今回の感想でもありました。岡に会うまではシケた顔してたんだし、朝陽がみかんのことをどう認識しているかを描写してもう一回蒸し返して、朝陽が男らしくみかんを送り出すシーンを作ってほしいんですけど……今回で一応のケリを着けちゃったなら、なさそうですね。無念……
こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
16巻、表紙来ましたね。
此処で「ウェディングドレス姿の明里」とはサプライズでした!!
岡、ある意味で大きく成長しましたね。
この岡だからこそ、あのみかんなのかなとも思ったり。
朝陽にはこれから葉子との関係が待っている筈なので、其処まであまり展開を重くし過ぎないようにとの配慮なのかもしれません。
また、朝陽とみかんの深い繋がりを考えれば此の後にも朝陽とのクローズアップ回はあるかも。
まだまだ予測出来そうにないですね。
此の点も本作の魅力なのかもしれません!!