2016年03月29日

月曜ゴールデン「内田康夫サスペンス 浅見光彦シリーズ35 風のなかの櫻香 尼寺で育った櫻香を苦しめる逃れられられない定めとは?女の園を揺るがす連続殺人事件の謎を光彦が解き明かす。歴史ロマン漂う古都・奈良と三重県・志摩を舞台にお届けする」(3月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「内田康夫サスペンス 浅見光彦シリーズ35 風のなかの櫻香 尼寺で育った櫻香を苦しめる逃れられられない定めとは?女の園を揺るがす連続殺人事件の謎を光彦が解き明かす。歴史ロマン漂う古都・奈良と三重県・志摩を舞台にお届けする」(3月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

浅見光彦(速水もこみち)は、女の園である尼寺での尼僧の暮らしぶりを取材するため、古都・奈良にある尊宮寺を訪れる。
光彦はその尊宮寺に向かう途中、櫻香(志田未来)という女性と偶然出会う。櫻香は5歳の時に児童養護施設から尊宮寺に引き取られた。御前様と呼ばれる朝比奈慶尊(高林由紀子)の庇護を受け、春日経円(佐藤仁美)を母親代わりにごく普通の女性として育てられ、今は19歳となっていた。尼僧になるかは櫻香の意思に委ねられてはいたが、ここに来たのも何かの運命と得度式を受けることを心の中で決めていた。男子禁制の尊宮寺だが、慶尊御前の特別な計らいで光彦は取材を許された。突然現れたイケメン男子の訪問に質素な生活を続けていた尼僧たちのざわめきは隠せない。

櫻香に寺を案内される光彦だが、すでに興味の先は捨て子だったと語る櫻香の境遇へと移っていた。その興味をさらにかきたてられたのは、慶尊から見せられた「櫻香を出家させるな」と書かれた差出人不明の手紙。櫻香の力になって欲しいと頼まれた光彦だが、慶尊にその理由を尋ねても多くを語ってもらえない。
そんな折、帰りがけに寺の様子を伺う男を見かける光彦。しかし、険しい表情の男を覆い隠すように、突然現れた女性がその場から男を連れ去って行った・・・。

翌日、光彦の母・雪江(佐久間良子)が尊宮寺にやって来たことで、慶尊と雪江が旧知の仲だったとを知る。光彦は、改めて櫻香の出生にまつわる過去を聞く。櫻香の母は、恋人が三重県・志摩の大王崎から飛び降り自殺して亡くなった後、彼の子を身ごもっていることが判明するが、ひとりでは育てられないと児童養護施設の前に櫻香を置いて逃げてしまったのだという。母の名は高原紫というらしい。自身の出生の事情を知った櫻香は、光彦を伴い母親を訪ねて志摩へと向かう。

志摩で高原紫という名前だけを頼りに聞き込みをして回る光彦と櫻香は、尊宮寺で見かけた謎の女性を見かける。地元の人の話によるとその女性は、志摩では一番の資産家で由緒ある名家・月舘エンタープライズのお手伝い・七原聖子(石野真子)だという。聖子の後を追い月舘家にやってきた2人は、玄関前で月舘家執事・荒井元博(前田吟)が業界紙の記者だという葛谷健司と何やら押し問答をしているところに出くわす。その時の光彦はまだ、葛谷が絡む殺人事件に巻き込まれることなど知る由もなかった・・・。

その後、光彦は櫻香を奈良に帰らせ、改めて月舘家を訪れ、聖子から話を聞く。櫻香の母・紫は月舘家のお手伝いとして働いていたが、跡取り息子・春行(二階堂智)と愛し合っていた。春行は紫との結婚を当主の正行(品川徹)に願い出たが許されず、思い詰めて自殺。それを知った紫はショックを受け、春行の死後に産んだ櫻香を施設に預けたすぐ、後を追うように自殺したという。
この話が事実ならば、櫻香は月舘家当主・正行のたったひとりの血縁者ということになる。しかし、その後の調べで春行の遺体が発見されていないことを知った光彦は、春行は生きており、寺の様子を伺っている男が手紙の主が春行なのではと勘付く。櫻香と春行を会わせるべく志摩に急いだ光彦だが、その矢先に事件が起きてしまう。漁港で発見された水死体が春行だったのだ・・・。現場に駆けつけた光彦が春行の素性に詳しかったことから、またしても警察に怪しまれ署に連行されてしまう。三重県捜査一課の警部・越智大介(岡田圭右)の厳しい追求にあう光彦だが、シンポジウムに参加するために三重県入りしていた兄・陽一郎(風間杜夫)が志摩署に突如現れ救われる。

やがて事件は急展開。出生の秘密を知った櫻香が行方不明となり、一億円の身代金を要求する脅迫電話が月舘家に入る。光彦は、最悪の事態を防ぐため兄・陽一郎にある人物の調査を依頼する。櫻香の安否を巡り緊張が高まるなか、光彦の推理は事件の真相に迫っていく──。
(公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)。

浅見光彦は雑誌『旅と歴史』のルポライターの1人。
しかして、彼にはもう1つの姿があった。
現役の刑事局長である浅見陽一郎を兄に持ち、数々の事件を解決して来た名探偵なのである。

そんな浅見だが、今回は奈良にある尊宮寺を訪れていた。
尼寺での尼僧の暮らしを取材する為である。

浅見を出迎えたのは朝比奈慶尊、春日経円、櫻香らである。
中でも可憐な櫻香に惹かれる浅見。
櫻香は両親の顔を知らず5歳の時に施設「こもれびの里」から尊宮寺に引き取られていた。
今年20歳になる櫻香は得度を行い尼僧となるか、それとも別の途を選ぶかで悩んでいた。
浅見はそんな櫻香に強い興味を抱く。

矢先、浅見は櫻香を監視する男女を目撃する。
浅見に見つかった男女はその場から逃げ出すが……。

櫻香の出生について調べ始めた浅見は、彼女の母が高原紫であると知る。
紫は恋人が自殺してしまったことにショックを受け、櫻香を生むと後を追ったらしい。

浅見は紫がメイドとして仕えていたという名家・月舘家を訪れる。
月舘家では執事の荒井元博が記者・葛谷健司相手に何やら揉めていた。
その一方で、例の監視していた女性を見かけることに。

女性の正体は月舘家のメイド・七原聖子であった。
聖子によれば、紫は月舘家の1人息子・春行と恋に落ちたのだが当主である正行に反対されていたらしい。
結果、春行は自殺してしまい、櫻香を生んだ紫も後を追ったのだそうだ。
つまり、櫻香は月舘家の唯一の後継者だったのだ。

翌日、浅見は春行の死について調べ、彼が生きているのではないかと考えるように。
もしかして、聖子と共に櫻香を監視していた男性こそ春行だったのではないか?

この浅見の推測は的中していた。
男の正体はやはり春行だったのである。
浅見は櫻香と春行を引き合わせようと考える。

ところが、春行が水死体で発見されてしまう。
これに行き会った浅見は容疑者として連行されることに。

しかし、其処はソレ。
浅見光彦にはお兄ちゃんが居る。
浅見の容疑はすぐに晴れた。

そんな中、自身の出生を知った櫻香が行方不明になってしまう。
直後に月舘家へ1億円の身代金要求の電話が入る。
要求して来たのは……荒井である。

だが、これを知らない月舘家の面々は荒井と揉めていた葛谷の犯行を疑う。
ところが、当の葛谷が死体で発見されることに。

一方、浅見は荒井の過去を調べ駄道元博なる人物に行き当たる。

数時間後、荒井の前に浅見が立っていた。
その傍には保護された櫻香も居た。

真相を語り出す荒井。

葛谷は櫻香の出生の秘密を盾に荒井を脅したのだ。
荒井は葛谷と取引すべく、櫻香の身柄を利用して月舘家から1億円を引き出した。
しかし、葛谷はさらに大金を要求して来た。
其処で荒井が葛谷を殺害したのだ。

そして、この荒井こそ駄道元博その人であった。

過去、駄道は名家の妻と不倫し駆け落ちした。
だが、駄道は1年で相手を捨ててしまった。
残された不倫相手は駄道との間に娘が居たがショックを受けて自殺してしまう。
其処には娘が1人残された。

その後、駄道は荒井と名を変え月舘家に仕えるようになった。
その20年後、荒井は娘を月舘家に引き取った。
娘の名は紫、そう櫻香は荒井の孫だったのだ。

紫は春行と恋に落ちたが結婚を認められず、春行が自殺を偽装し姿を消してしまった。
春行の生存を知らない紫はショックから櫻香を生むと自殺してしまう。

そして現在、葛谷から櫻香の存在を知らされた春行は聖子と共に彼女を監視していた。
だが、春行は櫻香を一目見たことに満足し紫の後を追ったのだ。

こうして荒井は逮捕された。

櫻香は月舘家ではなく尊宮寺に戻った。

その翌日、櫻香は浅見に熱烈なアプローチを行う。
しかし、浅見ははっきりと好意を寄せられているにも関わらず気付かない。
結局、櫻香は浅見を諦め尼僧の途を選ぶ―――エンド。

<感想>

内田康夫先生原作TBS版「浅見光彦シリーズ」第35弾です。
過去作についてはネタバレ批評(レビュー)してますね。
興味のある方は過去記事リンクをどうぞ!!

ドラマ原作は内田康夫先生『風の中の櫻香』(徳間書店刊)。

では、ドラマの感想を。

本作は2006年から続く「月曜ゴールデン」最後の作品となりました。
ちなみに、2016年4月11日からは「月曜名作劇場」に変わることが明らかにされています。

2時間サスペンス界に激震!?「月曜ゴールデン」が2016年4月11日から「月曜名作劇場」に名称変更とのこと!!

そんな本作ですが、まとめると「櫻香は荒井の孫。春行と葛谷が死亡したが、葛谷殺害は荒井の犯行で春行の死は自殺だった」との内容でした。
また、劇中での浅見と櫻香との掛け合いは和みましたね。

ただ、今回も個人的にはかなり戸惑い気味です。

浅見光彦シリーズと言えば「フジテレビ版」と「TBS版」がありますが、それぞれ次のように捉えています。

まず、フジテレビ版が事件主体のシリーズ。
そして、TBS版が浅見とヒロインの交流主体のシリーズ。

ところが、今回は何時にも増して交流が重視されてはいたものの、それが何かに繋がるワケでもなく「ヒロイン・櫻香の出生の秘密」がクローズアップされて終わることに。
通常だと「事件が起こって、その裏に出生の秘密が隠されている」までがセットなんだけど、本作は「出生の秘密、おまけで事件発生」となっていた印象です。
なんだか違和感が残る……。

しかも驚くべきことに、春行の死が自殺だったことで「22時30分まで殺人事件が起こっていないサスペンス」だったことになります。
なかなかに珍しいような気がしますね。
ただ、それだけに「そもそも事件でも何でもないじゃん!!」との声もありそうです。

また、劇中人物の行動がイロイロと納得いかないのも気になります。

まず、春行が結婚に反対されたからと言って自殺を偽装し姿を消したのが不可解。
どうして紫と駆け落ちしなかったのだろう?
あれでは、自殺を偽装して紫を捨てたのと同じだし。
結果として紫も死んじゃうし。

そして紫。
その死は彼女自身が親から受けた仕打ちを繰り返したことになりますね。
子を捨てて自ら命を絶つ……これは子の親である自覚の無い行為ではないでしょうか。
言わば虐待に等しい。
虐待は連鎖すると言いますが、だからこそ親から子へ受け継がれてしまったのかもしれません。

何より荒井。
紫が自分の娘だと分かっているなら、祖父として櫻香を引き取るなりは出来なかったのか。
名乗ってこそいないものの、娘・紫を職場に招いておいて櫻香を放置した理由が分からない。
でもって、何より荒井の存在こそが月舘家に仇を為しているのがなぁ……。
正行は櫻香を迎え入れようとしていたようだし、出生の秘密で葛谷に脅されたからと言って1億を支払う理由は全く無いんだよなぁ。
荒井自身が(当の葛谷を殺害するまでは)犯罪者でもないし、櫻香の出自は実際に春行の娘で至ってクリーン。
葛谷の脅迫に全く応じる必要が無い。
ところが、これに荒井は櫻香誘拐を仕組んでまで応じようとしている。何故だ!?
そもそも、月舘家にとっては荒井が紫を春行に引き合わせたことで春行を失う破目に陥ってるし。
荒井は月舘家に恨みがあるのではなかろうか。

登場人物の行動も理解出来ないし、筋自体も何を狙っているのか見えないし、どうにもモヤモヤが。
浅見と櫻香の掛け合いは興味深かっただけにその他が非常に残念です。
シリーズでもあるので次回作に期待したいです。

一方、浅見光彦シリーズについてですが、遂に「最後の事件」が!!
とはいえ、これにはある秘密が……こちらの動向も注目です。

内田康夫先生、浅見光彦最後の事件を手がける―――その名は『遺譜 浅見光彦最後の事件』(角川書店刊)!!

内田康夫先生から浅見光彦シリーズ完結宣言が!!「最後の事件」は2012年に!!

<キャスト>

浅見光彦:速水もこみち
浅見雪江:佐久間良子
浅見陽一郎:風間杜夫
櫻香:志田未来
七原聖子:石野真子
春日経円:佐藤仁美
朝比奈慶尊:高林由紀子
越智大介:岡田圭右(ますだおかだ)
荒井元博:前田 吟 ほか
(公式HPより、順不同、敬称略)


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【内田康夫先生原作ドラマ】
金曜プレステージ 内田康夫ミステリー・湯布院殺人事件「遺産相続を巡る旧家の呪い霧の里で起こった骨肉争いに次々人が消える犯罪心理のプロ和泉が暴く悲しい家族の怨念待望の新シリーズ!」(11月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)

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【その他関連過去記事】
2010年6月12日、世田谷部文学館にて内田康夫先生講演会開催!!

・2010年5月30日まで開催されていました「ミステリーウォーク2010『記憶の中の公園』」についての記事です。
浅見光彦の住む町で推理に挑戦!?

2011年3月5日「小説舞台を巡る“名探偵★浅見光彦ワールド!横浜ミステリーWalk”」開催!!

あなたに内田康夫先生の本に登場する権利を上げよう!!by大日本印刷&角川書店

名探偵・浅見光彦さん、卒業証書授与される

「第10回北区内田康夫ミステリー文学賞」作品募集中!!

「風のなかの櫻香 (徳間文庫)」です!!
風のなかの櫻香 (徳間文庫)



「浅見光彦ミステリー DVD-BOX I」です!!
浅見光彦ミステリー DVD-BOX I



「浅見光彦ミステリー DVD-BOX II」です!!
浅見光彦ミステリー DVD-BOX II



「内田康夫サスペンス 浅見光彦シリーズ DVD-BOXI ~2時間サスペンス版~」です!!
内田康夫サスペンス 浅見光彦シリーズ DVD-BOXI ~2時間サスペンス版~



「内田康夫サスペンス 浅見光彦シリーズ DVD-BOXII ~2時間サスペンス版~」です!!
内田康夫サスペンス 浅見光彦シリーズ DVD-BOXII ~2時間サスペンス版~



「内田康夫サスペンス 浅見光彦シリーズ DVD-BOXIII ~2時間サスペンス版~」です!!
内田康夫サスペンス 浅見光彦シリーズ DVD-BOXIII ~2時間サスペンス版~



【関連する記事】
この記事へのコメント
今回は確かに、謎解きよりも、むしろ二人の交流を中心とした展開が中心となっていた感じでしたね。
前田さん一人の罪、と呼ぶには、何とも運命の悪戯的な事件の連鎖であるようにも思われましたが、矢張り仰言るように、主役二人の交流と事件との絡みが薄い感じで、違和感と言うか……サスペンス色の淡さのようなものを感じることがありました。

所で、毎回、妙に楽しみなのが「引っ張られて後、刑事局長室のお兄さんに連絡が行く場面」なのですが、今回は変化球で、お兄さんご本人が登場。携帯での受け答えも空とぼけた感じで、何だか「兄さんも状況を楽しんでいる」感が一杯で、楽しかったです。
Posted by 星沢美保子 at 2016年04月18日 22:56
Re:星沢美保子さん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

浅見と櫻香の遣り取り自体は良かったのですが、それが物語に貢献していたかと言うと些か疑問だったのが惜しいように感じました。

今回、陽一郎さんが意外な登場の仕方をしてましたよね。
これは驚きでした。
Posted by 俺 at 2016年04月20日 01:18
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