2016年04月11日

「実は私は」第155話「藍澤渚と藍澤渚@」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第155話「藍澤渚と藍澤渚@」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

登場人物一覧は本記事下部に移動しました。

<あらすじ>

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜〜

「アナザル」こと「絶対に秘密を守れない男」黒峰朝陽は憧れのヒロイン・白神葉子の秘密を知ってしまった。
その秘密とは「白神葉子がハーフの吸血鬼である」こと。
朝陽は葉子の為に、この秘密を守らねばならない―――。
取り巻く人々を相手に、朝陽は秘密を守り抜くことが出来るのか?

矢先、実は宇宙人であった委員長・渚、狼男で肉食系女子な獅穂、悪魔っ娘の茜、未来人の凛、幼馴染のみかん、天使の華恋も加わって……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

過去、朝陽は渚に告白し……いや、告白に及ぶ前に玉砕した。
だが、それでも朝陽は渚の真面目でドジで優しいところが好きだった。
その想いは葉子と交際を始めた今も変わらない。

そして現在、学園祭シーズンがやって来た。
朝陽のクラスでも出し物が企画され演劇が行われることとなった。
だが、肝心の内容が決まらない。

こう言った際に頼りになるのは委員長の渚である。
事前に複数のシナリオを募集していた渚は多数決で演目を決めることに。

まずは「スペース・カグヤ」。
宇宙人のかぐや姫が地球で翁と媼と知り合い親友になるストーリーだ。
猫型宇宙船などが登場する娯楽大作らしい。

「これって……」
絶句する朝陽、其処には赤裸々に渚の母星の機密事項が描かれていた。
どうやら作者は渚のようだ。

「お仕置きがお尻ペンペン?」
ざわつくクラスから、そっと顔を背ける渚。
とはいえ、それなりに好評のようだ。

続いての候補は「その名はクールビューティー」。
謎のクールビューティーが活躍する作品なのだが……。

「これって……」
絶句する朝陽、全く褒めるところが無かったのだ。
クラスメートも同じ気持ちらしく言葉が無い。

1人、葉子だけが「わぁ〜〜〜面白い〜〜〜」とはしゃいでいる。
間違いない、作者は葉子のようだ。

どう評するべきか困り果て凍り付くクラス。
其処へ明里が救いの手を差し伸べる。

「ああ、字が上手いな」
目を泳がせながら何とか褒める明里。

「ああ、そうだ。字が上手い」
「字が上手い、ねっ」
「そう、字が上手い」
担任のファインプレーに全員が頷く。

そして残る候補が「桃尻太郎」。
美尻の持ち主である「桃尻太郎」が河を流れて……。

「こら、どういうことだ!!」
モデルの正体に気付いた渚が獅穂に喰ってかかる。
どうやら、渚をモデルとした獅穂の作品らしい。

読み進めるなり言葉を失う女子たち。
一方、男子たちは「まるで官能小説じゃん」とはしゃぎ出す。

多数決の原則に沿えば「桃尻太郎」が演目に決まってしまう。
危機感を募らせた渚は切り札を使うことに。

「採用しても良いけど、主人公は獅穂、エロい目をした猿は嶋になるが良いか?」

この言葉に獅穂は考えを改めた。
獅穂の手からあっという間に原稿が空へと消えて行く。
これに涙を呑む嶋たち。

結局、消去法で「スペース・カグヤ」が演目となった。
しかも、カグヤには渚、翁には朝陽とのキャスティングだ。

クラスの皆が帰る中、1人だけ準備に残った朝陽。
いや、そんな朝陽を気遣って手伝おうと渚が申し出た。

2人だけのクラス。
互いにどうコミュニケーションを取るべきか計りかねた2人は黙々と作業をこなし時を過ごした。

さて、帰宅時間になり共に下校することとなった朝陽と渚。
渚は朝陽の様子から彼なりに気に病んでいることを察し「もう少しだけ時間を貰えれば吹っ切って見せる」と告げる。
そんな渚の言葉に「やっぱり委員長は優しいね」と応じる朝陽。

去年、学園祭の際に騒動となった階段下を通りかかる2人。
あの時は、渚が朝陽の葉子への告白を阻止しようとスコップを手に踊り場に立っていたものだった。

懐かしく見上げる朝陽と渚。
すると、あの時と同じく踊り場には1人の女子生徒がスコップを手に立っていた。

「お前はあの時の!!」
動揺する渚。
それもその筈、踊り場に立っていたのは誰あろう箱女だ。
しかも、その背後には窓越しに猫型宇宙船が浮かんでいる。

「同じ星の人間か?だが、センサーには何もかかっていないぞ!?」
動揺する渚に対し、箱女は被っていた箱を外し余裕の微笑みを浮かべる。

「センサーにかかるのは別人の場合だろ、私は未来から来た宇宙人・藍澤渚なのだから」

其処に居たのは渚を名乗る未来人。
2人の藍澤渚の視線が中空に交錯する―――156話に続く。

充実の「実は私は」が読めるのは「週刊少年チャンピオン」だけ。
本誌で確認せよ!!

<感想>

「週刊少年チャンピオン」にて「さくらDISCORD」を連載されていた増田英二先生の新作。
「さくらDISCORD」は未読の管理人ですが、1話を読んで注目している作品です。
コミックス1巻に続き2巻、3巻、4巻、5巻、6巻、7巻、8巻、9巻、10巻、11巻、12巻、13巻、14巻、15巻も重版出来とのことで目出度い。さらに16巻も発売。
そして、本作かなり面白い!!

2015年7月にはアニメ化も果たしており、シーズン2製作の報が待たれます。

【第EXTRA話】アニメ版「実は私は」スタッフさんとキャストさんの一部を明らかにされよう!

また、本作が遂に舞台化とのこと。
こちらも注目です!!

増田英二先生「実は私は」が舞台化とのこと!!

その155話。
サブタイは「藍澤渚と藍澤渚@」。

114話から実に41話ぶり、遂に箱女の正体が明らかに。
なんと、未来人・藍澤渚!!
おそらく現在の渚の未来の姿と思われます。

箱を被り頭部を隠していたことから、既存キャラあるいは頭部に特徴のあるキャラとは考えていましたが……そうか渚の頭部にもネジがあった。
それに箱で茜の感知網を潜り抜ける科学力、なるほど如何にも渚の星らしい。
正体を知れば頷ける点が多々ありますね。

ただ、もしかすると彼女は渚の生体ユニットを用いている別の誰かの可能性もある……かも。
此の点はまだまだ油断できないか。
詳細が明らかになるまで155話時点では念の為に「渚(仮)」としておいた方が良さそうです。

そして、気になるのは「渚(仮)」の手にスコップが握られていること。
すなわち、記憶除去装置。
朝陽と渚の関係が未だ曖昧なところに「渚(仮)」が登場したところを見ると、朝陽の記憶を除去して葉子との関係をリセットし朝陽と渚を恋人同士にするつもりなのか!?

朝陽が葉子と共に居ないらしいことも含めて渚が過去リセットを思い立つほどの何かが起こった可能性も考えられます。
もちろん、「渚(仮)」が吐いた嘘である可能性も残されていますが、もしかするとシリアス展開が待つのかも。

うむ、今回も充実した回ですな。
多くは語るまい、とりあえず読め!!

そう言えば、上でもお伝えした通りコミックス15巻も発売。
表紙は1巻の葉子、2巻の渚、3巻の獅穂、4巻の茜、5巻のフクちゃんとみかん、6巻の凛、7巻の明里さんに続き、8巻が銀華恋、9巻が渚とみかんのコンビ、10巻が1周回って葉子、11巻は獅穂と凛コンビ、12巻は緑苑坂弓と桐子の夫婦コンビ、13巻は桃地結香、14巻は水奈川咲と葉子に!!
そして15巻は獅穂たち三人娘に!!ああ、嶋よ……。
こうなると16巻は「明里とさくら」か「明里、茜、華恋」かなぁ。
と思いきや16巻表紙は「ウェディングドレス姿の明里」に、一瞬誰だか戸惑うほどの変身ぶりを見せる表紙となっていますね。
どうやら、17巻は「みかんと岡」か「みかん単独」になりそうか。

ちなみに、上記のあらすじは本作の魅力を伝えられるよう改変を加えてまとめていますが、その面白さを伝えきれていません。
やっぱり、あの絵とコマ割りなどのテンポあっての本作。
是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を読んで欲しい。

もう1度繰り返しましょう。
本作に興味を持たれた方には、是非、「週刊少年チャンピオン」本誌を捜して読んで欲しい。
最近の「週刊少年チャンピオン」は本作など本当に粒揃いでクオリティが高い作品が多い。
注目の雑誌の1つと言えるでしょう。

◆関連過去記事
「実は私は」第1話から第150話まで(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)まとめ

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「実は私は」第153話「紅本茜」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

「実は私は」第154話「勘違いしよう!!」(増田英二作、秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載)ネタバレ批評(レビュー)

登場人物一覧:
黒峰朝陽:主人公、通称「アナザル」。
白神葉子:朝陽の意中の人物。ある秘密が……。
紫々戸獅狼:葉子の幼馴染。彼もまたある秘密を……。
紫々戸獅穂:葉子の幼馴染。彼女もまたある秘密を……。

藍澤渚:クラス委員長。彼女にも秘密が……。
藍澤涼:渚の兄、意外な形で登場することに……。
紅本茜:紅本の親族らしい。彼女にも秘密が……。
紅本明里:教師。彼女にも秘密が……。
黄龍院凛:33話より登場した謎の少女。彼女にも秘密が!?
黄龍丸:凛が駆るドラゴン。52話にて意外な正体が明らかに。

朱美みかん:朝陽の幼馴染。新聞部所属。通称「外道クイーン(オレンジ)」。
岡田:朝陽の友人の1人。通称・岡。眼鏡が特徴。割と友人想いの様子。146話にてフルネームが「岡田奏」と判明。
嶋田:朝陽の友人の1人。通称・嶋。軽い。124話にてフルネームが「嶋田結太」と判明。
桜田:朝陽の友人の1人。通称・サクラ。渋い。
フクちゃん:「福の神見習い」を名乗る眼鏡。
フクの介:フクちゃんの先輩。やはり眼鏡。
フク太郎:フクちゃんとフクの介の先輩。やはり眼鏡。
フク蔵:フクちゃんとフクの介とフク太郎の先輩。やはり眼鏡。
手崎:文字通り茜の手先な料理教室のシェフ。

朝陽の父:朝陽の家族。22話に初登場。
朝陽の母:朝陽の家族。22話に初登場。
黒峰鳴:朝陽の妹。22話、28話、48話に登場。48話にて名前と顔が判明。92話で高校に進学。
白神源二郎:吸血鬼。額に十字傷を抱く巨人。39話にて名前が判明。
白神桐子:葉子の母で人間。和服の美女。38話にて名前が判明。
銀華恋:茜に続く第2のツノツキ……の筈だったが。58話から登場。

緑苑坂弓:朝陽たちの副担任、実は源二郎。92話から登場。
桃地結香:忍者少女、92話(実際は105話)から登場。ある秘密が……。
黄龍院閃:鳴、結香のクラスメートの男子。瓶底眼鏡に腰の日本刀がトレードマーク。132話で苗字が判明。
水奈川咲:結香、閃、鳴のクラスメート。109話から登場。ある秘密が……。
箱入り娘:114話終盤に登場した謎の人物!?
白雪:茜の前任の諸晴高校校長、153話に名前が登場。

稲葉:葉子のクラスメイト。
松本:葉子のクラスメイト。
佐々木:葉子のクラスメイト。彼氏と別れたばかり。

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posted by 俺 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ちはッス。
いやびっくり。私の予想、半分、当たっちゃいましたね。んまあ委員長本人とは思ってもみませんでしたけど。
とりあえず中身も本人なのか別の誰かは仰る通り、今のところ不明ですけど、でも一つだけツッコミどころがあって、仮に10年後の委員長であるならば、28歳前後。
……28歳前後の学生服ってシチュはどうにも引いちゃうような……(^^;)
まあ、それを言ったら校長先生の学生服、ってのもどうかと思いますけどね。


はてさて、仮に本人として、10年後の委員長は未来の何かを変えるためにやってきた、が妥当なのでしょうけれども、4月から秋まで待った理由も何か考えなくちゃいけない訳で、無理矢理、葉子さんと結び付けるなら、夏以降、吸血を繰り返した葉子さんが源二郎同様怪物になってしまうのが未来なのか。それとも10年後も委員長は朝陽のことを吹っ切れてなかったところに、「朝陽と葉子が結婚していない」発言を鑑みると、大逆転を画策してスコッ、じゃなくて記憶除去装置を利用して俺様の予想通りにって……これはアホの子である委員長らしくないかな? それとも10年という年月は委員長をアイアンレディ(真)にランクアップさせたのか。


ただ、これは私なりの予想になりますが、単純に『10年後は“まだ”朝陽と葉子が結婚していない』未来が判明したかなと。理由は分かりませんけれども、源二郎が「大事な娘はやれん」とか言ってなかなかOK出してないのか、朝陽の両親が源二郎を見て反対し続けているのか。


では☆
Posted by らいらっく at 2016年04月11日 07:05
Re:らいらっくさん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

155話を読んだときには驚きました。
「これ、コメントで頂いてた展開だ」と。
まさにご指摘通りでしたね。

155話時点では渚の正体を「仮」としていましたが、156話によれば渚本人の様子。
どうやら、渚自身の決断の時が近いようです。
次回にも要注目ですね!!
Posted by 俺 at 2016年04月20日 01:48
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