2015年09月10日

「群盗」(2014年、韓国)

「群盗」(2014年、韓国)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

1862年、王朝末期の朝鮮。人々は悪徳官僚や貴族の支配下に置かれ、自由を奪われた上に貧しい生活を強いられていた。極貧に苦しむも圧政に従って生きる屠畜(とちく)人のトルムチ(ハ・ジョンウ)は、人並み外れた剣の腕を持つ武官ユン(カン・ドンウォン)と出会い、ある仕事を依頼される。だが、それが原因となって思わぬ惨劇に直面する。絶望のふちに立たされる中、盗賊団に助けられた彼は名前を変え、仕事道具だった包丁を武器にして、圧政を打ち砕く義賊として活躍するようになり……。
(公式HPより)


<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
トルムチ(トチ):主人公。後に盗賊団「チュソル」のメンバーに。
チョ・ユン:もう1人の主人公。悪逆非道な行いを続けるが……。

【チョ家】
チョ・ウォンスク:ユンの実父。
チョ・ソイン:ユンの異母弟。
ジョンシム:ソインの妻。
7人の武官:ユンの官吏時代の部下。

【盗賊団・チュソル】
お頭・デホ:チュソルの頭領。
生臭坊主・テンチュ:チュソルの参謀役。
お役者小僧・テギ:潜入役。朝廷の官僚への変装を得意とする。
弓撃手・マヒャン:チュソル一の弓の名手。紅一点。
怪力・チョンボ:チュソル一の怪力。鉄球を使う。
暗殺者・チャン:チュソル一の身軽さを誇る。


1862年、時の朝廷が腐敗し悪政が続いたことで、汚職官僚や悪徳商人が横行し国は大いに乱れた。
そんな被害に遭うのは民である。
全土に民の怨嗟の声が溢れる中、1つの盗賊団が頭角を現した。

その名は「チュソル」。
「チュソル」は汚職官僚や悪徳商人を誅殺し、彼らが不正に手にした富を民に再配分していた。
世に云う「義賊」である。

チュソルの主なメンバーは次の通りだ。

敵の懐に潜入し仲間を手引きする「お役者小僧・テギ」。
弓の名手で紅一点「弓撃手・マヒャン」。
類稀な怪力で相手を薙ぎ倒す「怪力・チョンボ」。
身軽さを活かし華麗に相手を倒す「暗殺者・チャン」。
参謀役である「生臭坊主・テンチュ」。
個性豊かなメンバーを取りまとめる「お頭・デホ」。

これに多数の部下が付き従っているのだ。
神出鬼没な上に凄腕でもあり、下手な官軍では歯が立たない勢いであった。

一方、大富豪で知られるチョ家に長らく家を離れていた長男のユンが戻って来た。
これに家長であるウォンスクは恐れ戦く。

チョ・ユン、彼はチョ家の長男であるが庶子である。
占い師はユンを見て「この子は帝王の家に生まれれば大成するが、それ以外ならば世に仇為すだろう」と予言した。

そんなユンはウォンスクが芸妓との間に産ませた子供で、当初は両親から疎まれていた。
しかし、ウォンスクが正妻との間に子供が出来なかったことから後継者として引き取られることとなった。
これが5歳の時の事である。

ところが、直後に事態が急変する。
危機感を抱いたウォンスクの正妻が怪しげな薬を試し、遂に子供を妊娠したのである。
しかも、この子は男の子であった。
名をソイン、待望の正妻との間の子の誕生にウォンスクはユンを忘れた。
また、正妻はユンを疎み虐待を行った。

こうして幼いユンは世を拗ねた。
耐え兼ねたユンは眠るソインの首に手をかけようとする。
しかし、どうしてもそれが出来なかった。

だが、この現場を正妻に目撃されウォンスクに告げ口されてしまった。
これによりユンの実母は処刑、ユンの守役も仕事を果たさなかったとして足をへし折られた。
もちろん、ユン自身にも激しい折檻が行われ、遂には忌み子として家を追い出されたのである。

この衝撃的な事件により、ユンは変わった。
もともと武門に興味を抱いていたユンはさらに武芸に没頭。
その天賦の才を開花させると、稀代の剣客に成長した。
また、様々な知識を蓄えることで経営の才をも育んだ。
まさに文武両道を地で行ったのである。

ユンは朝廷に出仕するとめきめきと頭角を現した。
しかし、此処でもその出自が壁となった。
庶子出身であるとの一事で彼は中枢への任官を拒否されたのである。
認められなかったユンは彼の腹心の武官7人にある命を下した。

矢先、ソインが不慮の死を遂げた。
暴漢に襲われたのである。
結局、犯人は捕まっていない。
これにより後継者が居なくなったチョ家へユンが帰還したのである。

その翌日、ユンはチョ家に出入りしている屠畜人のトルムチを呼び出し、ある人物の殺害を依頼する。
その日の食事にも困っていたトルムチは家族を養う為に自慢の包丁の腕を振るう時が来たと喜ぶ。

トルムチが向かった先は、とある寺。
其処に居たのはソインの妻・ジョンシム。
実はジョンシムはソインの子を妊娠しており、ユンを怖れたウォンスクが寺に逃がしたのだ。

事情を知らないトルムチはジョンシムを殺害しようとするが、その場に居合わせた「生臭坊主」ことテンチュに妨害される。

依頼に失敗したトルムチ、その口を封じるべくユンは家人に命じてトルムチ家を急襲させる。
こうして、トルムチ一家は皆殺しの憂き目に逢った。
しかし、一際頑丈であったトルムチだけは一命を取り留めた。

復讐に燃えるトルムチはソインの葬儀が行われているチョ家へと殴り込むや、たちまち家族を手にかけた下手人を殺害する。
だが、其処に現れたユンの前に赤子の手を捻るが如くあしらわれ捕まってしまう。

その夜、ユンと結託している官吏により処刑されることとなったトルムチ。
だが、其処へチュソルの面々が駆け付けトルムチを救出する。

「チュソル」では年に1回、新人の入団試験が行われていた。
その条件は「純粋な瞳を持つこと」、「腕が立つこと」、「死を恐れないこと」の3つ。
テンチュはトルムチにそれらを見たのだ。

こうして、トルムチはユンへの復讐を誓い「チュソル」に入団。
テンチュに匿われていたジョンシムと共に隠れ里へと赴く。

そして2年が経過した。
ジョンシムは元気な男児を生むとこの世を去った。
残された男児はチョ家の後継者として匿われることとなった。

一方、トルムチはこの間に技を磨き「チュソル」でも有数の腕利きに成長。
今や「髷狩りのトチ」として名を知られていた。
異名の由来は「トチが倒した相手から武官の名誉である髷を奪って行く」ことにあった。

その頃、ユンはと言えば官吏と結託し悪行の限りを尽くしていた。
腹心の武官7人を呼び寄せるや、土地を担保に民に米を貸し返却出来なければ容赦なく土地を奪ったのだ。
土地を奪われた民はチョ家の奴隷とする仕組みである。
こうして、チョ家はユンにより格段の飛躍を遂げた。
もはや、国に並ぶ者の無い富豪となったのだ。

その傍ら、ユンはウォンスクに後継者として認めて欲しいと嘆願。
だが、未だに聞き入れられず焦りを募らせていた。
ウォンスクは亡きソインの遺児に期待しているに違いない。
こうして、ユンはソインの遺児探しに血眼となった。

同じ頃、「チュソル」では次の標的について討議が交わされていた。
彼らが標的として挙げたのはユンだ。
だが、幹部の間でも意見は2つに割れていた。

怪力・チョンボが天誅を主張する中で、テギが「相手が悪い」と難色を示した。
此処で普段ならば「正義が行われるべき」と天誅を後押しするテンチュだが、今回ばかりはテギに近いらしく慎重な意見を唱えたことで議論は膠着していたのである。

そんな中、私怨を抱えたトチがユン抹殺を強行に押した。
これに押し切られる形でテンチュも同調し、「チュソル」は対ユンに向けて作戦を開始することに。

まず、テギが武官に変装しチョ家が「チュソル」に狙われていると通報。
「チョ家を護る為」との名目で「チュソル」をチョ家に引き入れたのである。

その夜、ユンの前に包丁を抱えたトチが現れる。
トチはユンの弱点であるソインの遺児を預かっていると告げ、彼を誘き出す。
狙いは1つ、ユンを山間の谷に誘い込み圧倒的多数で嬲り殺しにする為だ。

これにかかったユンだが、立ち込める霧にトチの姿を見失った。
暫く行くと行き着いたのは官軍の装束に身を包んだ一団である。
聞けばテギの命で応援に駆け付けたらしい。

不審に思うユンを、隠れたトチが弓矢で狙う。
いや、トチだけではないマヒャンら複数の射手が控えている。
弓を引き絞るトチは合図を待たずにユンへと射かける。

だが、早過ぎた。

ユンはこれに即座に反応するや叩き落とした。
しかも、遅れて飛来した矢を右に左に躱しつつ剣で弾くや、逆にマヒャンへ矢を投げつけるとのおまけつきである。

肩を負傷したマヒャンは谷底へ落下。
トチがこれを助けてユンと対峙する。
それに合わせて伏兵していたメンバーがユンを取り囲む。

もちろん、応援と称していた武官も抜刀する。
その正体はお頭・デホたちだ。

だが、彼らはユンを甘く見積もっていた。
ユンが駆けるや、あっという間に4、5人が地面に倒れ込む。
全員が絶命していた。

圧倒的多数で嬲り殺しなどとんでもない。
全くの逆であった。

ユン1人により、その場の面々は全滅。
マヒャンは深手を負ったトチを抱え脱出。
2人を逃がしてデホはユンの手にかかる。

一方、テンチュ、テギ、チョンボ、チャンは「鬼の居ぬ間の何とやら」でチョ家を蹂躙。
その間にユンの腹心7人を殺害し、蔵に収められていた米を民に分配する。
後は脱出するのみだ。

ところが、其処へ息も絶え絶えのマヒャンとトチが戻って来た。
仲間の全滅を伝え聞いたテンチュはデホが死亡したことを知らず、彼を救うべく現場へ。
しかし、其処でユンに捕まってしまう。

デホ、テンチュを失いながらも隠れ里へ戻ったトチたち。
トチの傷が深かったことからテギが付き添い別の寺で静養することに。

同じ頃、部下たちを殺されたユンは激怒。
民たちに「チュソル」から分け与えられた米の返却を求め、これを拒否した民を見せしめに殺害する。
さらに、テンチュを拷問し隠れ里の場所を聞き出すことに成功する。
テンチュは此処で絶命することに。

その日、隠れ里では子供たちが陽気に遊んでいた。
と、飛来した一本の矢が少年を貫く。
同時に、雨霰と矢が降り注いで来た。

ユンが手勢を連れて報復に出たのだ。
たちまちのうちに隠れ里は阿鼻叫喚の巷となった。
通りを歩く人々は老幼男女を問わず惨殺されて行く。

チャン、チョンボはそれぞれ抵抗するが、ユンに切り倒され死亡。
ソインの遺児を連れたマヒャンも捕まり、隠れ里は壊滅した。
急報を聞き駆け付けたトチとテギは死屍累々に愕然とする。

数日後、ユンと結ぶ官吏により捕まった「チュソル」の面々の公開処刑が行われていた。
沿道を埋め尽くすのは民の悲嘆の声である。
と、その中にテギの姿が……。

一方、正門から1人の男が荷車と共に現れる。
男は官吏と兵に荷車を向ける。
其処にはガドリングガンが積まれていた。

レバーを動かすや、飛び出した弾により兵たちは死傷して行く。
誤って市民にも当たっているようだがトチは手を止めない。

同時にテギが群衆を煽り謀叛を先導した。
これまで抑え付けられて来た民たちはその怒りを官吏へ向けて殺到する。

こうして、街はトチとテギの手に落ちた。
マヒャンは救出されたが、ソインの遺児はユンに連れ攫われたようだ。

その頃、当のユンはウォンスクを手にかけ呆然としていた。
ユンはウォンスクに息子として愛するよう迫ったが、ウォンスクはあくまでソインの遺児に拘り遂にはユンを殺そうとまでしたのである。
其処でユンはウォンスクを殺害した。

今はソインの遺児を抱いているユン。
遺児は無邪気な笑顔をユンへと浮かべ、ユンもまたぎこちなく微笑んでいた。

屋外に気配を感じたユンは遺児を抱き庭へと赴く。
其処には多数の民を背後にしたトチが立っていた。
その目は殺意に満ちている。

ユンは皮肉な笑いを口元へ浮かべるとトチを迎え撃つ。
もちろん、右手には遺児を抱えて。

それでも、ユンの強さは圧倒的であった。
追い詰められたトチは近くの竹林へと逃げ込む。
いや、これはトチの罠であった。

トチの獲物は包丁でありリーチが短い。
反面、ユンの獲物は剣でありリーチが長い。
竹に邪魔され、思うように振るえないのだ。

しかし、このハンデがあってなおユンは強かった。
リーチを補うべく刃を垂直に構え、切るのではなく削ぐように変えたのだ。
これにより、ユンはトチを追い込む。

遂に一撃を加えるユン。
だが、ユンは忘れていた―――トチが異常に頑丈であることを。
また、今のユンは遺児を抱えている上に構えを変えた為に力が入っていなかった。

肉を切らせて骨を断つ。
トチは剣の一撃を受けると同時にユンへ包丁を振り下ろす。

とはいえ、それでもユンは躱すことが出来る筈であった。
しかし、軌道上に遺児が居たのだ。
ユンは遺児を盾にするのではなく、彼を庇い包丁を受けた。

滝のような出血に驚くユン。
其処へ様子を見ていた民たちが止めを刺すべく殺到する。
こうして、ユンは絶命してしまった。

朝廷に反逆したことで土地に居られなくなった民たち。
そんな民たちを連れ荒野を駆けるトチ。
その傍らにはテギとマヒャンが居た。
こうして「チュソル」は復活した。

新星「チュソル」の頭領の名はトチ。
その懐には例の遺児が抱かれていたとのことである―――エンド。

<感想>

まさに韓国版「西部劇」、それに「水滸伝」を加えた印象かな。
それにしても、終盤のガトリングガンには驚愕しました。
あれがあれば中盤の時点でユンにも勝てただろうに。

そんな本作ですが2人の男の対決がテーマ。

まずはトチ。
ユンにより家族を殺され愛を奪われた男。
トチは「チュソル」で共同生活を営み、仲間を作る。
そして、仲間と民への博愛を知った。

続いてユン。
人一倍、愛情を求めるも誰にも愛を与えられなかった孤独な男。
それでも家族に愛を求め、実父であるウォンスクに縋るが彼は何処までもユンを拒否する。
ユンはウォンスクに認められるべくチョ家を隆盛へと導こうとする。
しかし、それでもウォンスクはユンを認めない。
結果、ユンはウォンスクすら手にかけることに。

ところが、そんなユンもあれほど拘った異母弟・ソインの遺児には手を下せない。
何故なら、その遺児こそが唯一ユンに残された血の繋がった家族だったから。
そして、彼だけは素のユンを見詰めてくれたから。

ユンは求めていた家族愛を、皮肉にもソインの遺児に見出したのでしょう。
だからこそ、彼を手に入れても命を奪うことが出来なかったし庇うこととなった。
もしも、ソインの遺児さえ居なければウォンスクとの決裂も無かったかもしれないのに。

ウォンスクとその愛情を一身に受けるソインを憎んだユン。
だが、そのソインの息子に心を救われることになるとは……彼自身も皮肉だったことでしょう。

言わば、トチは家族愛を失い博愛に目覚めた。
一方でユンは初めから失われていた家族愛を求め、最期の最期にソレを得た。

と言ったところでしょうか。

惜しむらくはユンは占い師の言葉にもあった通り「帝王の器」。
それを曲げてしまったのは家族であるウォンスクたちでした。
名士であるユンが博愛を行えば闇社会に生きるトチよりも大きなことが出来たのかもしれません。

そして、ユンもまたトチを曲げた。
そんなトチにより最期を迎えるユン、これまた皮肉な結末です。

とはいえ、ラストにてトチの一撃に沈むユンの表情は何処か安らかでしたが、それすら彼の意に沿うところだったのでしょうか。

そして、生き残ったトチ。
先述した通り、群盗としての彼を生み出したのはユンです。
だとすれば、ユンこそが新生「チュソル」の真の生みの親なのかもしれません。

トチは此の後も「チュソル」の活動を続けるのでしょう。
とはいえ、作中で描かれている通り群盗の博愛は一時しのぎの物。
その場で米を分け与えても、朝廷のシステムが変わらない限り根本的な解決には至りません。
真の博愛を目指すなら時の朝廷の改革が必要なのですが、トチはどうするのでしょうか。

何となくですが映画「雲を抜けた月のように」を思い出しました。

「雲を抜けた月のように」(2010年、韓国)ネタバレ批評(レビュー)

さて、興味を持たれた方は是非、本作にチャレンジされたし!!
ちなみにネタバレあらすじはまとめ易いように改変を加えているので、詳しくは本作をご覧頂きたい。

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ラベル:群盗
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2015年09月09日

「劇場版 SPEC〜結〜」(2013年、日本)

「劇場版 SPEC〜結〜」(2013年、日本)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

時を止められる無敵の超能力者ニノマエ(神木隆之介)との激しい戦いに勝利し、当麻(戸田恵梨香)と瀬文(加瀬亮)は虫の息で病院に搬送される。一瞬二人の距離は近づいたかのようにも思えたが、同じ頃、ある人物は着々と世界の終息に向けて準備を進めていた。やがて特殊能力者たちが世間を騒がせ始め、当麻の中のSPECがついに覚醒し……。
(公式HPより)


【劇場版 SPEC〜結(クローズ)〜 漸(ゼン)ノ篇】あらすじ

「SPEC〜天〜」にてニノマエクローンを破った当麻と瀬文。

『劇場版 SPEC〜天〜』(西荻弓絵、豊田美加著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

しかし、ニノマエクローンは1体だけでは無かった。
同様の能力を持った個体が4人も居たのだ。
だが、彼らは謎の人物・セカイの圧倒的な力により一瞬で抹殺された。

そんな中、瀬文と過去に交際していた里子とその娘・潤が姿を消した。
実は潤はセカイと並ぶ「先人類の末裔」だったのだ。
また、御前会議のトップ・卑弥呼もまた同様であった。
セカイと潤は世界のリセットを目論んでいた……。

一方、野々村は「スペックホルダー抹殺計画」である「シンプルプラン」を阻止すべく孤独な戦いに身を投じていた。
「シンプルプラン」とは「スペックホルダー」を抹殺するウイルス兵器の名称だったのだ。

その頃、当麻は父の親友を名乗る科学者・湯田(トウダ)と出会う。
湯田によれば、当麻の父は「プロフェッサーJ」なる人物と対立した為に暗殺されたらしい。

矢先、当麻の祖母・葉子が突如乱心し当麻と湯田を爆殺しようと企む。
どうやら、葉子の意志ではなく何者かのスペックのようだ。
これにより、当麻は助かったものの葉子は爆死し湯田も重傷を負う。

そんな中、野々村は「シンプルプラン」の要となるウイルス兵器を手に入れ封印を施そうとしていた。
しかし、里子の相棒である宮野に妨害されてしまう。
宮野はウイルスを入手することで優位に立とうとする某国のスパイだったのだ。
野々村は宮野からウイルスを守ることには成功するものの、死亡してしまう。

ところが、数時間後にそんな野々村が当麻と瀬文たちの前に現れる。
しかも、「SPEC〜翔〜」でマダム陽と陰の手にかかり悲壮な死を遂げた筈の吉川も一緒である。

実は吉川は野々村らにより密かに一命を取り留め保護されていた。
しかし、野々村は葉子を操った敵の手にあったのだ。
さらに城旭斎浄海なるスペックホルダーの襲撃を仕掛ける。

結局、野々村は瀬文の手にかかり今度こそ本当に死亡することに。
城旭斎浄海も何者かにより射殺された。

ところが、この際に「シンプルプラン」のウイルスに当麻が感染してしまう。
一見、何の影響も無いかのように見える当麻であったが―――「爻ノ篇」へ続く。

【劇場版 SPEC〜結(クローズ)〜 爻(コウ)ノ篇】あらすじ

「シンプルプラン」のウィルスに感染した当麻。
その正体は「インフルエンザウイルス」であった。
ところが、この「インフルエンザウイルス」には「プロフェッサーJ」による仕掛けが施されていた。
一般人には単なるインフルエンザなのだが、スペックホルダーにのみ極めて致死性の高いウイルスに変容されていたのだ。

矢先、湯田(トウダ)が「裏切り者・ユダ」であり「プロフェッサーJ」その人であることが判明。
しかも、彼こそ葉子や野々村の身体を操った張本人であった。

直後に本性を現した「プロフェッサーJ」により、スペックホルダーの保護施設「デッドエンド」が襲撃を受けてしまう。
大人のスペックホルダーは皆殺し、子供もウイルスにより次々と絶命して行く。

これに激怒した当麻は自身のスペックに翻弄されると姿を変え、何処かに飛び去ってしまった。

同じ頃、遂にセカイと潤も最終計画を発動する。
それは当麻を激怒させスペックに溺れさせた上で死亡したスペックホルダーたちを呼び出し、彼女の身体を憑代に此の世に終わりをもたらすことであった。
その為にセカイたちの部下である「プロフェッサーJ」が暗躍していたのである。

そんなセカイの狙い通り、当麻により多くの死亡したスペックホルダーたちが顕現。
その身を八咫烏として空を覆い尽くす。
まさに、世界の終末さながらの風景に瀬文は当麻を止めるべく彼女のもとへ。

一方、セカイと対峙する当麻。
彼女はセカイの狙いを理解した上で、これと対決するつもりであった。
八咫烏と化していた弟・陽太やマダム陽、陰、冷泉らを呼び寄せ、「スペックホルダーズ」としてこれと対抗する。

だが、セカイの力はその名の通り世界そのものであった。
助っ人たちは次々と倒れ、実はセカイに対し反旗を翻していた卑弥呼や潤までもが消されてしまう。

残されたのは当麻と駆け付けた瀬文のみ。
しかし、実はスペックホルダーであった餃子ロボがセカイの力を反射しこれを倒す。

だが、身体が消滅し精神のみとなろうとも自我を保てるセカイは当麻の身体を利用しようと迫る。
これに反発する当麻はセカイに利用される前に瀬文の手で決着を望む。

瀬文は躊躇いつつも銃の引き金を引き、当麻は死亡。
同時に、当麻の身体を中心に顕現しようとしていたセカイたちもこの世界からは消え去った。

こうして、危機は去ったのだ。
世界はその観測点となった当麻と瀬文を除きリセットされた。
これにより、瀬文は事情を知らない同僚たちから当麻殺害犯として逮捕されてしまう。
瀬文は刑事殺しとして裁かれることとなった。

牢獄の中、信頼していた仲間を失い此の世で孤独を噛み締めることとなった瀬文。
自由を奪われた彼とは対照的に、自身を失い世界を漂う存在となった当麻。

当麻は様々な世界を漂いつつ、やがて導かれるように瀬文のもとへと辿り着く。
そんな当麻をがっちりと掴まえる瀬文。
此処に2人は再会を果たしたのである。

そんな2人の様子を観察する存在があった。
共に先人類なのだろうか?
一方が一方に語りかける「ねぇ、アサクラ」と。

同じ頃、ある世界では当麻と瀬文が肩を並べて歩いて行く―――エンド。

<感想>

「SPEC」の魅力はその怒涛の展開と風呂敷の広げ方にある。
それ故か、風呂敷を畳むこととなった本作は単体では些か毛色の異なる作品となった印象。
また、本作は単体ではなくシリーズ全体の完結編として視聴するのが正しい楽しみ方だと思う。

なので、以外と視聴者の間口は狭い。
本作を視聴される方は必ず「TV版SPEC」→「SPEC〜翔〜」→「SPEC〜天〜」→「SPEC〜零〜」→「SPEC〜結〜」の順で視聴すべき。
これは前提条件です。

これを踏まえた上で本作を視聴すると……本作は「スペックホルダーと呼ばれる特殊能力者たちの物語」ではなく、あくまで「当麻と瀬文の物語」でした。

あらすじをご覧頂ければお分かりになるかと思いますが、ラストにて当麻が身を犠牲にして世界を救う。
そして、唯一の理解者である当麻に去られたことで孤独を抱えることとなった瀬文。
瀬文を残したことに心残りを覚える当麻だが、存在を失い揺蕩うことしか出来ない。
そんな当麻を瀬文がはっきりと確信し、その手に掴むシーンはグッと来ました。
それもこれもこれまでの積み重ねがあったればこそ!!

そして、最後の最後にまたも大風呂敷を広げるのが「SPEC」らしい。
名前だけですがまさかの「アサクラ」登場です。
これにより「ケイゾク」との繋がりもより明確になりました。
また、「アサクラ」が「先人類クラス」の存在であったことも仄めかされたこととなります。
「おい、これどういうことだよ!?」との視聴者の悲鳴が聞こえて来そうです。

でも、あくまで「SPEC」は「SPEC」。
「当麻と瀬文の物語」は終わりを告げました。

とはいえ、「アサクラ」の存在が「SPEC」で匂わされたように、もしかするとまた別のシリーズが企画されて其処で同じように上位の存在となった当麻と瀬文が登場するのかもしれません。
そして、そのときこそ、「ケイゾク」「SPEC」から続くシリーズの真なる完結が訪れるのかも。
だとすれば、それこそ視聴者にとってもありがたい話なのですが……真相は如何に!?

一方、「SPEC」がハリウッドにて連続ドラマでリメイクされる計画があるとの報道が以前に為されています。
2012年4月1日に放送されたスペシャルドラマ「翔」のラテ欄に「ハリウッドも注目のあのドラマ」とあったのはこの為です。
続報が聞こえて来ませんが、気になりますね。

「SPEC」がハリウッドリメイクされるらしい……とのこと!!

◆関連過去記事
【ドラマ版まとめなど】
・ノベルス版ネタバレ書評(レビュー)など過去記事へのリンクです。
「SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜」(TBS系、2010年)まとめ

・「SPEC」の物語がスタート!!
「SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜」第1話「魔弾の射手!!」(10月8日放送)ネタバレ批評(レビュー)

・1話から3話(脇、桂、林)までのシナリオはこちら。
「SPEC I」(西荻弓絵、豊田美加著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

・4話から6話まで(古戸事件&海野の陰謀)のシナリオはこちら。
「SPEC U」(西荻弓絵、豊田美加著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

・7話から最終話まで(VS一、VS地居)のシナリオはこちら。
「SPEC V」(西荻弓絵、豊田美加著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

・こちらはTVドラマ版。いよいよ最終話、一を破った当麻の運命は!?
「SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜」最終話(最終回)「百年の孤独」(12月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「SPEC〜警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係事件簿〜翔 ハリウッドも注目のあのドラマが完全新作で帰ってきた!全ての謎が今、明かされる」(4月1日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「ケイゾク」続編がついに登場!!「ケイゾク2『SPEC』〜警視庁公安部 公安第五課未詳事件特別対策係事件簿」!!

【コミカライズ版】
「SPEC〜天〜零(プレリュード)」(ヤングエース連載)1話ネタバレ批評(レビュー)

「SPEC〜零〜」(西荻弓絵原案、里中静流脚本、了春刀作画)ネタバレ批評(レビュー)

【翔・天ノベライズ版】
『SPEC〜翔〜』(西荻弓絵、豊田美加著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

『劇場版 SPEC〜天〜』(西荻弓絵、豊田美加著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

【ゲーム版「SPEC」こと「SPEC〜干〜」】
『特別読切 SPEC〜干〜』(西荻弓絵原案、水口十作画、角川書店刊『月刊ヤングエース 2013年11月号』掲載)ネタバレ批評(レビュー)

・「SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜」の前身とされる「ケイゾク」関連過去記事はこちら。

「ケイゾク」(TBS系列、1999年)ネタバレ批評(レビュー)

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ラベル:Spec SPEC〜結〜
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「超高速!参勤交代」(2014年、日本)

「超高速!参勤交代」(2014年、日本)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

8代将軍・徳川吉宗の治世下、東北の小藩・湯長谷藩は幕府から突然、通常でも8日かかり、さらに莫大(ばくだい)な費用を要する参勤交代をわずか5日で行うよう命じられる。それは藩にある金山を狙う老中・松平信祝(陣内孝則)の謀略で、弱小貧乏藩には無茶苦茶な話だった。藩主・内藤政醇(佐々木蔵之介)は困惑しつつも、知恵を絞って参勤交代を完遂させようと作戦を練る。
(公式HPより)


<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
【湯長谷藩】
内藤政醇:湯長谷藩の藩主。腕も立つし人情もある。閉所恐怖症が玉に瑕。
相馬兼嗣:湯長谷藩家老。
荒木源八郎:湯長谷藩士。
秋山平吾:湯長谷藩士、「何事も冷静に対処する」が信条。
鈴木吉之丞:湯長谷藩士。
増田弘忠:湯長谷藩士。
今村清右衛門:湯長谷藩士。

【幕府】
松平輝貞:時の老中首座。
松平信祝:時の老中。湯長谷藩に眠る金山を狙う。
夜叉丸:隠密頭、松平信祝の部下。

【その他】
雲隠段蔵:御庭番にも知られる戸隠流の凄腕忍者。


内藤政醇は湯長谷藩の藩主である。
湯長谷藩は田舎の小藩なりとも武門に優れ、藩主たる内藤もこれは同様であった。
また、内藤は気さくな人柄で篤く情を解し民の為の政を良くしたことから領民からの人気は高く、名君と称されていた。

そんな内藤が参勤交代を終え、所領に戻って来た。
付き従うは家老の相馬ら藩士一同である。

やっと故郷に戻った安心感から口も軽くなる一同。
ところが、そんな口を重くする出来事が起こる。

なんと、戻ったばかりだと言うのに早くも「次なる参勤をせよ」との命が下ったのだ。
しかも、最短でも8日の道のりを5日で駆け上がれとの難題付きである。
これに戸惑う内藤たち。
それもその筈、当時の常識では到底不可能だったからだ。

だが、内藤たちに「否や」はない。
拒否すれば取り潰しは必定であった。
そもそも、時の老中・松平信祝が湯長谷藩に眠る金山を己の物にしようと藩取り潰しを画策し無理難題を命じたものだったのである。
もしも、参勤を断れば敵の思うつぼだ。

無理でも果たすしかない。
こうして、内藤たちは知恵を絞り方策を考えた。

まず、人員を絞った。
その数、内藤や相馬、荒木、鈴木、秋山らわずかに7人である。
これにより、1日当たりの進行速度を上げると共に必要とされる費用を削減した。
問題は途中で参勤行列を確認される高萩宿と取手宿だが、日雇い人足により行列を誤魔化すことにした。
また、街道ではなく獣道を行くことで距離を短縮することにしたのである。

相馬の計算上、これならばギリギリ可能と出た。
内藤たちはイチかバチか勝負に出ることに。

その夜、内藤の前に雲隠段蔵を名乗る戸隠流忍者が現れた。
段蔵は何処から聞き付けたのか、湯長谷藩の窮状を知っており多額の報酬と引き換えに道案内を申し出る。
これに内藤は疑うこともなく依頼する。
実は、段蔵は報酬さえ貰えば途中で逃げ出すつもりであったのだが……。

こうして始まった珍道中。
ところが、この動きを知った信祝は御庭番の夜叉丸に内藤一行の暗殺を命じる。

そうとは知らない内藤たちは高萩宿を当初の計画通り雇い入れた人足たちで切り抜けた。

此処で内藤は敵襲を予測し2手に分かれることを提案。
単身で牛久宿へ向かい、其処で飯盛り女中のお咲と出会う。
彼女の優しさに心惹かれた内藤は折檻を受けていた彼女を救い、旅の仲間に加える。

同じ頃、相馬たちは夜叉丸の襲撃を受けていた。
段蔵が報酬を手に入れ逃げ出していたこともあり、一行は必死に逃亡する羽目に。

その頃、当の段蔵は報酬が金額は言い値通りであったにも関わらず、大判小判ではなく汗に汚れた小銭で賄われていたことから湯長谷藩の状況を思い出し良心の呵責を覚えることに。

お咲と共に取手宿を目指す内藤。
ところが、其処に夜叉丸たちが襲撃を仕掛けて来た。
類稀なる居合の腕で刺客を返り討ちにする内藤であったが、お咲を人質に取られ万事休す。
しかし、戻って来た段蔵により事無きを得る。

こうして、段蔵と合流した内藤たち。
取手宿にて生きていた相馬たちと落ち合うことに。

ところが、此処で問題が発生。
予定がずれた為に人足が集まらなかったのだ。
困り果てる内藤たちであったが、偶然に行き違った内藤本家である内藤政樹の行列を借りて切り抜けた。

いよいよ江戸に入った内藤ら一行、目の前には江戸城へ続く橋がある。
此処さえ乗り越えれば江戸城はもう目と鼻の先であった。

ところが、そんな内藤たちの前に広がっていたのは決死の夜叉丸が籠る最終防衛線だったのだ。
夜叉丸は江戸へ通じる唯一の橋を塞ぎ、2重、3重の馬防柵で堅めたのであった。
そして、多数の御庭番がこれを囲い込む。

もはや時間が無い。
焦った荒木と今村が槍を手に突撃。
しかし、敵の厚い層に阻まれ突破できない。

そんな中、普段の冷静さをかなぐり捨てて、血路を切り開くべく秋山が果断に斬り込む。
当たるを幸いに薙ぎ払う秋山の活躍もあり、遂に道が開いた。
だが、代わりに秋山は討死を遂げてしまう。

この心意気に段蔵が燃えた。
殿を引き受けると、内藤たちを先に逃がしたのである。
さらに、追い縋る敵をバッサ、バッサと切り捨てる。
今度は逆に夜叉丸たちが足止めを喰らうこととなったのだ。

一方、江戸城では老中首座・松平輝貞が内藤たちの到着を今や遅しと待ち構えていた。
その傍らでは、信祝が勝利を確信していたのだが……。

ギリギリではあるが、内藤たちが到着する。
内藤たちは信祝が金山を狙い湯長谷藩取り潰しを図ったと輝貞に申し出る。
さらに、当の金山が「不純物が多い為に有用では無いこと」を主張。
こうして、実は信祝の狙いを悟っていた輝貞により信祝はその場で罷免されることに。

同じ頃、段蔵により夜叉丸たちはほぼ壊滅していた。
残された夜叉丸は段蔵を道連れにすべく特攻をかける。
だが、これさえも段蔵に躱され死亡する。
生き残った段蔵はニヒルに微笑みを浮かべると姿を消した。

内藤はお咲を正室に迎え、湯長谷藩への帰路に就いた。

後日、段蔵が報酬をこっそりと返却していたことが分かる。
段蔵は利益ではなく、内藤や湯長谷藩の面々の心に惚れて助けたのであった。
これにニッコリと微笑みを浮かべる内藤であった。
湯長谷藩は今日も日本晴れである―――エンド。

<感想>

個人的には、まさに「男はつらいよ」や「釣りバカ日誌」に続く「国民的映画」に相応しいポテンシャルを秘めた作品だと思います。
それほど「痛快!!」でした。

そんな本作ですが、鑑賞前は「数々の難題を知恵と勇気で乗り越えるか……」と思いきや、割と力技で切り抜けたのが逆に面白かった。
これが胸をすくほど爽快なのです!!

そして、何と言っても段蔵の存在が良い。
内藤たちだけでは果たせぬ難題を彼が加わることで乗り越えて行く。
とはいえ、これは段蔵に依存しているワケではない。
それもこれも、内藤が「人事を尽くして天命を待った」からこその助太刀なのだ。
もしも、内藤が途中で諦めていれば得られなかった助力だろう。
それが良い!!

それ以外にも「見て、ドキドキして、笑って、泣いて、ホッとして、スッキリ」する。
王道のエンタメ作品としての要素を全て兼ね備えています。

日々に鬱々としている人、何か辛いことを抱えている人。
そんな人は是非、本作を視て少し気を楽にして欲しい。
それこそ、あなたの努力は何時か報われるかもしれないのだから。
そんな信じる気持ちを呼び起こしてくれる映画です。

ちなみに、本作には原作が存在。
それが土橋章宏先生による同名タイトル『超高速!参勤交代』(講談社刊)。
そんな原作のシリーズ続編が刊行予定とのこと。
その名も『超高速!参勤交代 老中の逆襲』(講談社刊)。
なんでも、今度は「湯長谷藩の面々に江戸城天守閣の再建命令が下る」とか。
『超高速!参勤交代 老中の逆襲』は2015年9月24日発売予定。

また、映画版「超高速!参勤交代」も続編製作が決定とのこと。
こちらは2016年予定だそうです。
期待すべし!!

ちなみにネタバレあらすじはまとめ易いように改変を加えているので、興味を持たれた方は是非、本作をご覧頂きたい。

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