2015年08月25日

「ドラゴン・フォー3 秘密の特殊捜査官/最後の戦い」(2014年、中国)

「ドラゴン・フォー3 秘密の特殊捜査官/最後の戦い」(2014年、中国)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

車椅子の超能力者無情(リウ・イーフェイ)、鍛冶屋の鉄手(コリン・チョウ)、脚力自慢の追命(ロナルド・チェン)、剣の使い手の冷血(ダン・チャオ)らは、皇帝直々の特務機関である神候府の秘密捜査官だった。彼らは四大名捕として活躍していたが、ある理由により無情が抜けてしまう。そんな折、皇帝(アレック・スー)はひそかに城下を訪れる。
(公式HPより)


<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:

【神候府(皇帝直属の特務機関)】
諸葛正我:神候府の頭目、メンバーを集めた。
冷血:神候府が誇る「四大名捕」の1人。狼男。無情を愛し彼女の為に「六扇門」を捨てていたが……。
無情:神候府が誇る「四大名捕」の1人。車椅子の女性。
鉄手:神候府が誇る「四大名捕」の1人。筋肉隆々の大男。
追命:神候府が誇る「四大名捕」の1人。足技の達人で元賞金稼ぎ。

【六扇門(首都警察)】
柳:六扇門の総帥「捕神」と呼ばれる。諸葛正我を敵視していたが第2作で安雲山に殺害される。
姫遥花:柳が死亡し六扇門の総帥に。実は安世耿の情婦にして部下。

【朝廷】
皇帝:宋王朝の当代皇帝。親王の甥。
親王:皇帝の叔父。皇帝に忠実で政治的野心はない。
蔡丞相:朝廷の重臣。安雲山の支配下にある。
ディー将軍:辺境を担当する重鎮。

【安氏一派】
安雲山:安世耿の父親にして全ての黒幕、蓬莱の魔術を使う。
安世耿:豪商にして第1作の事件の黒幕、魔術を使う。第1作で死亡するも第2作で樹木と同化し復活する。
如煙:安雲山の部下。変身と毒を自在に操る能力を持つ。


時は宋王朝末期。

第1作にて安世耿の陰謀を打ち破った「神侯府」と「四大名捕」。
だが、第2作にて「四大名捕」の1人・無情の一族を当代皇帝が誅殺していたことが判明。
しかも、この実行に諸葛正我と鉄手が関わっていたことから無情は「神侯府」を離脱してしまう。
さらに、無情が「神侯府」を離れたことで冷血も「六扇門」へ戻ってしまった。

一方、「六扇門」にも異変が起こっていた。
第2作にて総帥であり「捕神」とまで称された柳が殺害されてしまったのだ。
この下手人とされた如煙は「神侯府」の活躍で捕縛されることに。

これに伴い新たに総帥となったのは新参の姫遥花であった。
生え抜きの幹部たちは反発し、組織はボロボロに。
しかも、拘束されていた筈の如煙が脱走してしまう。
もちろん、実は安氏に仕える姫遥花の手引きであることは言うまでもない。
このように厳しい状況下であったが、冷血が戻ったことで辛うじて組織立て直しに向け進みつつあった。

そんな中、当代皇帝が城下町へ祭見物に赴くことに。
この警護を「六扇門」が担当することになり、姫遥花や冷血は名誉挽回に乗り出そうと意気込む。

ところが、舟遊び中の皇帝が襲撃を受けて行方不明になってしまう。
この襲撃犯こそ、脱走した如煙であった。
さらに安雲山と繋がっている蔡丞相がここぞとばかりに追っ手を繰り出す。

全ては安雲山の計画だったのだ。
安雲山は現皇帝を廃し、息子・安世耿を新皇帝に据えるつもりなのだ。

追われる身となった皇帝。
彼が頼れるのは諸葛正我率いる「神侯府」のみであった。

その頃、「神侯府」では2人となった「四大名捕」を先頭に諸葛正我が皇帝捜索の陣頭指揮を執っていた。
メンバー総掛かりである。

ところが、当の皇帝は空となった「神侯府」に居た。
そして、これを迎え入れたのは皇帝の居所を逸早く察知した無情だったのだ。

無情にとって皇帝は一族の仇。
無情は皇帝を拘束し連れ去ってしまった。
この事情を知らず捜索が徒労に終わった諸葛正我たちは「神侯府」に帰還する。

一方、無情と同じ考え方をしていた人物が居た―――蔡丞相である。
蔡丞相は「神侯府」とそれに関わりの深い場所へ刺客集団を送り込む。

まずは「神侯府」である。
諸葛正我と追命、「六扇門」から連携の為に訪れていた冷血も加わり刺客集団と対決することに。
奇襲をかけた刺客集団だが、精鋭の前にあっさりと撃退される。

同時刻、無情と皇帝のもとにも刺客集団が現れた。
贖罪の為に影ながら無情を見守っていた鉄手も加わり、こちらも応戦。
途中、諸葛正我や冷血らも駆け付け撃退に成功する。

こうして合流した「神侯府」の面々。
未だ蟠りの残る無情だが諸葛正我に「民の為」と説かれ皇帝に協力を約束することに。

皇帝は現状から逆転する為に辺境に駐屯しているディー将軍に自ら助けを求めることに決めた。
其処で冷血と追命たちと共に都を脱出することとなった。

一方、都に残った諸葛正我、無情、鉄手を姫遥花が訪れる。
姫遥花はディー将軍が蔡丞相に寝返っていると伝え、冷血たちを止めるように訴える。
罠を疑う無情たちだが結局皇帝たちの後を追う。

「神侯府」に残ったのは鉄手と一部のメンバーのみであった。
ところが、直後に「六扇門」が奇襲をかけ「神侯府」が焼き討ちされてしまう。

その頃、先行する皇帝と冷血、追命たち一行を丞相の刺客たちが襲撃していた。
追い付いた諸葛正我、無情も加わり切り抜けるのだが……。

其処に安雲山が大軍を引き連れ追撃して来る。
諸葛正我が殿を引き受け皇帝たちを逃走させるが、正我自身は安雲山に敗れ捕虜となってしまう。

諸葛正我を失いながらも逃亡の旅を続ける皇帝一行。
だが、ディー将軍の駐屯地まであと少しのところでまたも大軍に包囲されてしまうのであった。

皇帝殺害の報を受けた安雲山はいよいよ「大望なれり」と大喜び。
安世耿に禅譲を受けるよう命じるのだが……当の安世耿は「この世にいない者が地位を極めても仕方がない」とこれを拒否し自ら命を絶ってしまう。
息子の思わぬ行動に激怒する安雲山は息子に代わって自身が皇帝となると決意する。

その翌日、宮廷では蔡丞相に召集された文武百官が並んでいた。
其処に皇帝と彼を保護したとして安雲山がやって来た。
戸惑いつつも迎え入れた百官たち、ところが彼らを驚愕させる出来事が起こる。

なんと、皇帝が安雲山に譲位すると宣言したのだ。
しかも、蔡丞相もこれを支持した。
もちろん、全て安雲山の手配であった。

ニヤリと笑う安雲山は「譲位を受ける前に行うべきことがある」と主張。
その場で奸臣として蔡丞相を処刑してしまった。
初めから使い捨てにするつもりだったのだ。
こうして、遂に皇帝の座に就こうとする安雲山であったが……。

「もう1人奸臣が居るぞ!!」
叫ぶや否や姫遥花とその部下たちが皇帝に向けて粉を投げかけた。
粉を浴びた皇帝はたちまち、その本性を現した。
すなわち、如煙である。
譲位を宣言した皇帝は如煙の変身だったのだ。

さらに、玉座に本物の皇帝と親王らが多数の兵と共に現れた。
左右からは冷血、無情、鉄手、追命らが安雲山らを囲む。
そう、姫遥花は安氏を裏切り皇帝に与したのだ。
その傍らには助け出された諸葛正我の姿も見える。

ディー将軍の駐屯地付近で大軍に包囲された皇帝であったが、その軍勢こそ当のディー将軍たちであった。
こうして皇帝は保護され、内通した姫遥花らの協力を得て都で安雲山たちを待ち受けていたのである。

皇帝により安雲山らが逆賊と任じられたことで形勢が逆転。
安氏の部下からも裏切り者が続出し、たちまち混戦に陥った。

安氏側に与するのは安雲山本人と如煙、さらに手練れが数人である。
これを皇帝、親王、ディー将軍、諸葛正我、冷血、無情、鉄手、追命、姫遥花らが追い詰める。

だが、安氏側の面々もまた精鋭揃いであった。

姫遥花は如煙と対決するも、相手の動きに翻弄され苦戦する。
冷血、無情、鉄手、追命は手練れたちと対峙しほぼ互角の戦いを繰り広げていた。

暫く膠着状態が続く中、ようやく戦況に変化が。
鉄手が負傷しながらも相手を倒した。
追命も連続技から相手を下す。
冷血は敵2人を相手に防戦一方だ。

そんな中、無情は終始相手を圧倒。
如煙に押される姫遥花の援護に回る。

2対1となったことで如煙は遂に討たれた。
しかし、最期の力で姫遥花を道連れにしてしまう。

冷血を無情に託し息絶える姫遥花。
その死を目にした冷血は逆上し狼の本性を発揮、敵2人を噛み殺す。

姫遥花が犠牲になったが、残るは安雲山1人である。
これに皇帝、親王、ディー将軍と多数の兵たちが挑みかかる。
だが、安雲山の掛け声1つで彼らは吹き飛ばされてしまった。

皇帝を救うべく安雲山の目前に立ち塞がる冷血、無情、鉄手、追命。
だが、彼らが繰り出す攻撃は次々と安雲山に吸収され彼の力にされてしまった。
なんと、安雲山は相手の功力を吸い取る力を持っていたのだ。
柳や諸葛正我が敗れたのも此の力だったのだ。

たった1人に追い込まれた冷血たちは4人の力を乗せた最終奥義を繰り出す。
しかし、それさえも安雲山の技と相殺されてしまう。

もはや、打つ手なし……誰もがそう思ったそのとき。

「私が相手になろう!!」
安雲山を呼び止める者が居た、諸葛正我だ。

「ふん、お前の力は全て奪った筈だがな」
既に1度敗った相手だけに余裕を見せる安雲山はすかさず障壁を張り、諸葛正我を葬ろうとする。

ところが、驚くべき事態が起こった。
諸葛正我は障壁をモノともせず安雲山に近付いて行くではないか。

「我は無だ!!」
安雲山に功力を吸われた諸葛正我は無と一体化していたのだ。
ゆえにどのような攻撃も無意味であった。
諸葛正我は唖然とする安雲山に悠々と歩み寄ると簪を突き立てた。

途端、張りつめていた風船から空気が抜けるように安雲山から功力が溢れ出した。
悲鳴を上げる安雲山に冷血たちが一撃を浴びせる。
さらに、皇帝がこれに止めを刺した。
此処に逆臣・安雲山は討伐されたのだ。

安雲山の死により王朝の脅威は消滅した。
皇帝は「神侯府」の功を評価し、四大名捕を褒め称えた。

冷血は相次ぐ総帥の死により揺らいだ「六扇門」の新たな総帥に任じられることとなった。
無情は皇帝から正式な謝罪を受けた、無情の一族の誅殺が蔡丞相の陰謀であったことが明らかにされたのだ。
鉄手は無情と和解した。
追命は皇帝から名酒を賜り満足そうである。
諸葛正我は皇帝の師として再び政治に携わることとなった。

こうして「神侯府」は栄えたとのことである―――エンド。

<感想>

人気武侠小説の映画化で、原題は「四大名捕3 The Four3」。

そんな「ドラゴン・フォー3 秘密の特殊捜査官/最後の戦い」は「ドラゴン・フォー」三部作の最終作。
シリーズには一作目「ドラゴン・フォー2 秘密の特殊捜査官/隠密」と二作目「ドラゴン・フォー2 秘密の特殊捜査官/陰謀」がある。

これによりシリーズが完結したワケですが、全体を通じて姫遥花と無情の物語だったとの印象がありますね。
彼女たち2人こそがまさにシリーズのキーマンだったと言えるでしょう。

ちなみに、無情と冷血は互いの愛を深めて行く様子。
そして、姫遥花は安世耿の支配下から抜け出そうとして彼を謀殺したものの、その考え方に影響を受け安氏を裏切ったものか。
ある意味、安世耿に殉じたと言えなくもない。

それにしても今回は安雲山、諸葛正我、無情の3人が凄かった!!

前作に引き続き大活躍の無情。
相変わらず縦回転に横回転を加えつつ縦横無尽に手裏剣を乱舞させる様は必見。
ちなみに、仇と言いつつ割とあっさり皇帝に協力します。

そして、安雲山。
どんな攻撃も吸収する様はラスボスの貫録十分、圧巻です。
ちなみに、最終決戦では部下を助けるでもなく1人になるまで傍観者に徹していました。
あれだけ強かったのだから、部下を助けてやれよ。
そうそう、蔡丞相を殺す必要があったのかどうかも気になったなぁ。

でもって、諸葛正我。
最後の最後に美味しいところを持って行きました。
ちなみに、この人も安雲山同様に出番が来るまで冷血たちが吐血しても傍観者に徹していました。
あの技があるのなら、もっと早く助けようよ!!

そして、冷血はまだしも鉄手と追命は影が薄いのも相変わらずでした。

そんな中、かなりのインパクトがあったのは蔡丞相。
何と言っても中川家・礼二さんにソックリ。
話し方も礼二さんがモノマネしたものに似てる。
これだけでも一見の価値はあるでしょう。

興味を持たれた方は是非、本作にチャレンジされたし!!
ちなみにネタバレあらすじはまとめ易いように改変を加えているので、詳しくは本作をご覧頂きたい。

◆関連過去記事
「ドラゴン・フォー 秘密の特殊捜査官/隠密」(2012年、中国)ネタバレ批評(レビュー)

「ドラゴン・フォー2 秘密の特殊捜査官/陰謀」(2013年、中国)ネタバレ批評(レビュー)

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2015年06月25日

「監視者たち」(2013年、韓国)

「監視者たち」(2013年、韓国)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

韓国警察特殊犯罪課で凶悪犯の行動監視を専門とする班長ファン・サンジュン(ソル・ギョング)と、記憶力、洞察力、集中力に人一倍たけている新人刑事ハ・ユンジュ(ハン・ヒョジュ)。二人はジェームズ(チョン・ウソン)率いる武装犯罪グループを追っていた。しかし、ジェームズは巧みな戦略で彼らの監視網をかいくぐっていき……。
(公式HPより)


<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
ハ・ユンジュ:監視班に配属された新人刑事。コードネーム「子豚」。
ファン・サンジュン:監視班班長。コードネーム「ハヤブサ」。
リス:監視班のメンバー。

ジェームズ:監視班が追う犯罪グループのリーダー。
靴屋のオヤジ:ジェームズを操る闇の顔役。
水のみカバ:ジェームズの部下の1人が監視班に命名されたコードネーム。


その日、ハ・ユンジュの姿は地下鉄の車両にあった。
彼女の視線の先には1人の面長の男、彼こそが今回の監視対象である。
男はユンジュに尾行されていることを知ってか知らずか悠々と振る舞っている。

男が下車した。
これを追うユンジュは喫茶店へ。
ところが、此処でユンジュは男に声をかけられてしまう。
戸惑うユンジュに男は「失敗だ」と評価を下す。

そう、これはユンジュ自身の試験であった。
実はユンジュには監視班への異動が控えており、その適性試験が行われていたのだ。
監視対象とされていた男はファン・サンジュン、監視班班長であった。

サンジュンに否定され、ガックリと肩を落とすユンジュ。
ところが、此処でサンジュンは「地下鉄での出来事」を尋ねて来た。

ユンジュは目を閉じ右手に神経を集中させながら記憶を再構築する。
おぼろげながら甦ったソレが右手がリズムを刻むたびに鮮明になって行く。

これこそユンジュの得意分野であった。
ユンジュは記憶力、洞察力、分析力に優れていたのだ。
ユンジュはサンジュンの問いに答えて行くことに。

そんなユンジュの解答に満足を得たサンジュンは彼女をメンバーとして認める。
こうして、ユンジュは晴れて監視班のメンバーとなった。

監視班メンバーはそれと知られないようにしなければならず、全員に動物の名を借りたコードネームが与えられる。
例えば、サンジュンは「ハヤブサ」と言ったようにである。
此処にユンジュは「小鹿」を望むのだが「子豚」と名付けられてしまう。
仲間の1人で若い男性「リス」に揶揄されたユンジュは「実績を挙げて見返してやる」と誓う。

その頃、街中では同一の犯罪グループによる重大事件が頻発していた。
このグループはメンバーも正体不明で、すべてを計算に基づき行っていた。

そして、グループが次に見定めた獲物は銀行であった。
部下にさえ正体を隠しているリーダー・ジェームズは標的付近の高層ビル屋上から部下に指示を出す。

まずは爆弾で陽動。
そちらに注意を集めると、銀行を襲撃した。
タイムリミットは周辺の道路事情を込みできっかり5分。
大半の部下たちは計画通りに動いたのだが、1人が欲を出し余分に金を盗み出した。
此の為に、予定がずれリミットを過ぎてしまう。

慌てて逃げ出すジェームズの部下たちだが、その後方には警察車両が迫っていた。

しかし、ジェームズは次の手を実行に移す。
念の為、控えさせておいた太目残りの男に大型車を運転させ逃亡を支援させたのだ。

これにより、ジェームズの部下たちは全員が逃げ切った。
もちろん、太目残りの男も騒動に乗じて脱出したことは言うまでもない。

その夜、ジェームズは自身の計画を危機に曝した欲深い部下を抹殺した。
ジェームズは冷酷かつ凶暴な男なのだ。

一方、この銀行強盗襲撃犯の捜査に監視班が乗り出した。
しかし、手掛かりらしい手掛かりを得ることが出来ず困り果てていた。
そんな中、コンビニの防犯カメラデータから現場から逃走したと思われる「太目残りの男」に行き当たる。
「太目残りの男」は待機中にコンビニで買い物をしていたのである。

サンジュンは彼を「水のみカバ」と命名。
監視班全員が「水のみカバ」発見に全力を尽くすことに。

とはいえ、彼らのやることはただ1つ。
街に繰り出し「水のみカバ」を思しき人物を見当たり捜査で発見することであった。
連日連夜、ユンジュも加えたメンバーたちが街を彷徨う。

同じ頃、ジェームズはと言えば靴屋のオヤジのもとを訪れていた。
靴屋のオヤジに今回の報告を行うジェームズ。
すると、オヤジは次の仕事を彼に与える。
そう、この靴屋のオヤジこそ闇社会の顔役でジェームズの黒幕なのだ。

この指示に従いジェームズは次なる計画を立案。
今度は会計法人に保管されていた不正の証拠書類を盗み出すことに成功する。

ところが、ビルから指示を出していたジェームズは盗撮犯に目撃されてしまった。
彼は禍根を断つべく、盗撮犯を殺害しその場を逃げ出す。

一方、サンジュンたちは未だに「水のみカバ」を発見出来ずに居た。
既に捜査開始から16日目である。

そんな中、ユンジュは捜索場所の変更を提案。
これが奏功し、遂に「水のみカバ」を発見する。
また、ユンジュ自身が「水のみカバ」の追跡を行い、その住まいをも突き止めた。
こうして「水のみカバ」に監視班が喰らいついたのだ。

その頃、ジェームズは靴屋のオヤジに「仕事を辞めさせて欲しい」と訴えていた。
目撃者を殺害してしまったことで流石に危険を感じ始めたのだ。

そんなジェームズに靴屋のオヤジは刺客を送り込む。
これを返り討ちにしたジェームズは「今度の仕事を最後にする」と宣言しつつ引き受けることに。

監視班による「水のみカバ」への監視は続いていた。
そんな中、サンジュンが会計法人近くで謎の他殺が行われたことを聞き、グループの指揮者が現場付近の高層ビルから部下に指示を出していたことに気付く。
つまり、指揮者は毎回高所から現場の様子を観察し指示を出していたのだ。
これは大きな手掛かりになると考えるサンジュンだが……。

「水のみカバ」も動き出した。
そのゴミから暗号メモが発見されたのだ。
解析された結果、次の標的が判明し「監視班」も対決の時が近いと意気込む。

そして、その日がやって来た。

「水のみカバ」から足がついたと知らないジェームズは今日も標的近くの高層ビルから部下に指示を出していた。
と、どうも様子が異なることに気付いた。
慌てて無線を確認すると、部下に監視がついているではないか。
ジェームズは作戦中止を伝達、自身も逸早くその場を逃げ出す。

だが、この動きにサンジュンも気付いた。
ユンジュを連れて高層ビルへ突入する。

しかし、ジェームズの対処はサンジュンの予想を超えていた。
そのとき、ジェームズは既にビルから出ようとしていたのである。

だが、ジェームズにも想定外のことがあった。
サンジュンも尋常ならざる洞察力の持ち主だったことだ。
サンジュンはグループの指揮者が既に脱出を果たしたと見定めるや、此の追跡に移る。

サンジュンとユンジュはジェームズの正体は知らないが、彼が部下に電話した際の電話番号を突き止めていた。
電話を架けつつ周囲で通話する人間を見極めることに。

これにジェームズも気付いた。
それとなくその場を離れようとするが、そんな彼の態度にサンジュンが違和感を覚えた。
こうして、ジェームズを突き止めたサンジュンとユンジュは尾行を行うことに。

その頃、ジェームズの部下たちは必死の逃走劇を繰り広げていたが遂に捕捉され銃撃戦に突入。
1人が死亡したものの、残りの部下が全員逮捕された。

この中継を目にし、動揺を隠せないジェームズ。
同時に、尾行者の存在に気付いた。

姿を見られたサンジュンはユンジュに託す。
しかし、ユンジュは信号でジェームズに振り切られてしまう。
無理に渡れば尾行がバレてしまう……ヤキモキするユンジュの目の前でジェームズに声をかける人物が。

リスであった。
フォローすべく追い付いたリスがジェームズの身柄確保に動いたのだ。
仮に確保を失敗しても、ユンジュが追い付く時間は稼げるとの判断であった。

しかし、リスのこの予想は甘かった。
道路越しにリスが倒れ込む光景を目にするユンジュ。
なんと、ジェームズは問答無用でリスを刺殺したのだ。
リスに駆け寄るユンジュだが、その隙にジェームズは逃げ去ってしまった。

その夜、ジェームズは靴屋のオヤジのもとへ。
仕事に失敗したジェームズをオヤジは部下たちを使って抹殺しようとするのだが……。
多数居た筈の部下たちは悉くジェームズに殺害され、靴屋のオヤジも彼に殺されてしまう。
ジェームズは今度こそ国外逃亡の準備に取り掛かった。

同じ頃、ユンジュはリスの仇を討つべく手掛かりを必死に探っていた。
ジェームズの衣服や所持品を思い出し、1つ1つ検証して行くユンジュ。
其処でユンジュはあの試験のときに、ジェームズが地下鉄に同乗していたことを思い出した。
しかも、その手には店舗を特定するような雑誌が握られていたのである。

これに基づき周辺を調べたユンジュはジェームズを発見、尾行を開始する。
ユンジュからジェームズ発見の報を伝え聞いたサンジュンも現場に急ぐ。

しかし、喫茶店でユンジュはジェームズに声をかけられてしまう。
それこそ、あの日のサンジュンと同じように。

だが、ユンジュは「監視班」で経験を積んでいた。
なんとか、これを回避する。
また、其処にサンジュンも到着し、ユンジュはこれと交代するのだが……。

店を出たジェームズとこれを追ったサンジュン。
ほっと胸を撫で下ろしたユンジュはテーブルからナイフが消えて居ることに気付いた。
慌ててサンジュンたちを追うことに。

しかし、時既に遅し。
ジェームズはユンジュではなくサンジュンこそが尾行者だと考え、彼を誘き寄せてナイフで襲撃していた。
なんとか、これを撃退したサンジュンだがジェームズに逃げられてしまう。

その場に駆け付けたユンジュはサンジュンに代わり再びジェームズの追跡を開始する。
ところが、外は見渡す限り傘ばかり。
これでは誰がジェームズが分からない……絶叫するユンジュであったが。

途端に雨が止んだ。
先行く人の中にジェームズを発見したユンジュは仲間に居場所を教えつつ追跡する。
それは地下鉄へと向かっていた。

負傷したサンジュンも追跡に復帰し、ジェームズを包囲して行く。
トンネルに逃げ込んだジェームズは線路伝いに脱出を試みる。

しかし、これに先回りしたサンジュンはジェームズの前方に回り込む。
そして、ジェームズの背後からはユンジュと合流した仲間たちが追い込んで行く。
ジェームズは挟み撃ちになったのだ。

ジェームズに銃を構えるサンジュン、その後方からは何時の間にか列車が近付く。
一方、挟み撃ちにされたジェームズは前方のサンジュンを排除すべきと判断していた。

此処でジェームズはニヤリと笑う。
自ら手を下さなくともサンジュンの背後には列車が迫っている、放置しても自滅は必然であった。

ジェームズはスピードを落とさずサンジュンへ迫る。
当のサンジュンは数メートル背後に列車を抱えていた。

と、此処で列車がサンジュンの背中で軌道を変えた。
いや、初めからサンジュンのすぐ後ろで線路が分岐していたのだ。
ギリギリで列車はサンジュンを避けて行く。

驚くジェームズは慌てて銃を構えつつ発砲。
それに先んじてサンジュンが迎え撃った。

繰り返される発砲音。
地面に倒れ込んだのはジェームズであった。

サンジュンはゆっくりとその場に座り込む。
彼は賭けに勝ったのであった。

こうして、ジェームズとその一党は壊滅したのだ。

その数日後、リスの墓前に監視班のメンバーが集っていた。
仲間の死を悼むメンバーたちだが、彼らの仕事に終わりはない。

さらに数日後、サングラスの男性を尾行するユンジュの姿があった。
今や彼女は「子豚」ではなく「小鹿」と呼ばれている―――エンド。

<感想>

「天使の眼 野獣の街」の韓国版リメイク作品。
リメイク元は過去にネタバレ批評(レビュー)していますね。

「天使の眼 野獣の街」(2007年、香港)ネタバレ批評(レビュー)

終盤がリメイク元とかなり変わってました。
これにより「天使の眼 野獣の街」だと子豚の成長譚だったのが、本作ではサンジュンとユンジュのバディものに変わった印象。
どちらかと言えば、むしろサンジュン主役と言っても差し支えない作品だと思います。

それに伴い「天の眼」の意味も異なることに。
リメイク元「天使の眼 野獣の街」では「天の眼=天の意志(配剤)」と捉えられ、だからこそあの「因果応報」な結末が皮肉を感じさせていました。
このリメイク版では「天の眼=高所から見渡すジェームズの視点」と置き換えられていたように感じます。

例えば、トンネル出口付近にてサンジュンと対決するジェームズ、なまじ目端が利くからこそジェームズは自身が手を下す必要がないと判断しサンジュンへの対処が遅れた。
それこそ、これまでの犯行計画を「天の眼」で見通して来たジェームズだからこその錯誤。
これが彼にとっての致命傷となった……何とも皮肉な結末です。
また、ジェームズ自体もかなりクローズアップされていたように思います。

ただ、やっぱりリメイク元「天使の眼 野獣の街」と比較すると些かドキドキに欠けるかな。
リメイク元で「影の男(リメイク版のジェームズ)」が「犬頭(リメイク版のサンジュン)」を手にかけたときの衝撃や「子豚」が「影の男」を見失ったときの絶望と其処からの再起はリメイク元の方が上だった。

何より、リメイク元だと終盤での「子豚」の「影の男」への尾行も一味を捕まえられていないから泳がせておく必要があるが、こちらではジェームズを特定出来た時点で仲間を一網打尽にしているから尾行する必要がないと思うし、あの場で逮捕に踏み切れたのではないかなぁ……とモヤモヤ。
他にもユンジュがサンジュンがジェームズに負傷させられた場面で「班長、班長」と叫んでいたのに、ジェームズが彼女の尾行に気付かないとか。ユンジュが濡れた衣服の状態でジェームズを尾行するが、それでもジェームズが気付かないとか。
此の点も気になった。

とはいえ、「監視者たち」はその分だけ展開のリズムに力が入れられており、テンポよく進む点は良し。
重厚な物語を望むなら「天使の眼 野獣の街」、テンポ重視ならば「監視者たち」がオススメです!!

ちなみにラストに登場したサングラスの男性はリメイク元である「天使の眼 野獣の街」にて「犬頭」役を演じられたサイモン・ヤムさんだったりします。
此の辺りのファンサービスも良かった。

そして、監視班のメンバーがリスの告別式に参加出来ず墓石に足を運ぶこととなったのも、その隠密性の高い仕事ゆえなんだろうなぁ。
監視班メンバーが顔を覚えられたら仕事にならないから。
此の点もプロ意識が感じられるシーンでした。

そう言えば、本作は日本でも是非リメイクして欲しいなぁ。
その際は、サンジュン役に大杉蓮さんでお願い致します。

興味を持たれた方は是非、本作にチャレンジされたし!!
ちなみにネタバレあらすじはまとめ易いように改変を加えているので、詳しくは本作をご覧頂きたい。

◆関連過去記事
「天使の眼 野獣の街」(2007年、香港)ネタバレ批評(レビュー)

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2015年06月24日

「母なる復讐」(2012年、韓国)

「母なる復讐」(2012年、韓国)ネタバレ批評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

夫と離婚し、娘のウナ(ナム・ボラ)と一緒に新たな生活をスタートを切ろうと考えていたユリム(ユソン)。二人で力を合わせて生きようとする中、ウナは転入した高校で出会ったチョハン(ドンホ)という男子生徒に心惹(ひ)かれる。チョハンに学校の屋上に呼び出されてテンションが上がるウナだったが、そこで待ち受けていた彼と不良グル−プに犯される。事件を知ったユリムは彼らを訴えるが、チョハンは証拠不十分で釈放、ほかの仲間たちは保護観察処分になってしまう。
(公式HPより)


<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
ユリム:ウナの母親。夫と離婚したばかり。
ウナ:被害者の女子高生。チョハンに惹かれるのだが。
チョハン:ウナの同級生。ウナが惹かれた相手なのだが。
オ刑事:ウナの事件の担当刑事、実は娘がウナの同級生。


ユリムは夫と離婚し、高校生の娘・ウナと2人で新生活を始めた。
転校したウナは其処でチョハンというイケメン高校生と出会う。
チョハンは立居振舞いも颯爽とした貴公子然とした男子。
ウナは心を奪われてしまうのだが……。

そんなある日、当のチョハンに呼び出されたウナは学校の屋上へ。
ところが、其処にはチョハンと2人の仲間が待ち構えていた。
ウナは3人から夜通し凄惨な暴行を受けてしまう……。

娘が被害者となったことを知ったユリムは裁判を起こす。
事件を担当したオ刑事は彼自身の娘がウナの同級生だったことから熱心に捜査するが、チョハンは証拠不十分で無罪、仲間2人も保護観察処分で終わってしまう。

それから数日、ウナの携帯に暴行の様子を録画した映像が送りつけられてくる。
送り主はチョハンたちだ。

映像を取り戻すべくチョハンたちのもとへ向かったウナ。
しかし、またも暴行を繰り返されることに。

ショックを受けたウナは引きこもりがちに。
そんな彼女を追い討つように、またもあの忌まわしき動画が届く。
絶望したウナは誕生日に自殺してしまう。

残されたユリムは呆然とするしかない。
ふと、ウナの携帯を覗き込んだユリム。
すると、其処には全裸でチェロの演奏を強要されるウナの姿があった。
涙ながらに演奏を続けるウナ、その背後では男子たちの笑い声が轟いている。

これにユリムは逆上した。
まずはチョハンのもとへ乗り込むのだが……。

チョハンは「ウナが好きだったからやってしまった」とユリムに謝罪。
むしろ、他の2人が主謀者だと主張する。

ユリムはチョハンを許し、残る2人の責任を追及することに。

まず、1人目のもとを訪れたユリム。
だが、相手はそんなユリムを嘲笑うばかり。
それどころか、ユリムにも「娘のようにしてやろうか?」と脅しをかけて来る。
これに抵抗したところ、ユリムは誤って相手を殺してしまう。

こうして、思わぬ形で復讐を果たしたユリム。
勢いからもう1人も車で轢き逃げし殺害することに。

ユリムが少年2人を殺害したとの報がオ刑事のもとに届いた。
独自の捜査を続けていたオ刑事はある事実をユリムに伝えると共に出頭を促す。

チョハンこそが主謀者だったのだ。
実はオ刑事の娘がチョハンに頼まれ手引き役となっていたのである。

もちろん、娘の事は巧妙に伏せて事実を伝えるオ刑事。
これを聞いたユリムは騙されたと憤慨し、チョハン殺害に動く。

校庭でチョハンを刺すユリム。
現場に駆け付けたオ刑事は躊躇なくユリムを射殺する。
チョハンは一命を取り留め、オ刑事の娘も特に罪には問われなかった。
こうして、悲しい事件は幕を引いたのであった―――エンド。

<感想>

視聴後に相当陰鬱な心境になること請け合いの映画です。
途中、ウナの身に降りかかる2度の悲劇はあまりの惨たらしさに正視出来ませんでした。
何だよ……あの3人組、何処まで非道なんだ。
こうして視聴者は何時の間にか犯人たちへの憤りに駆られ、自然にユリムに復讐を望むことになるのですが……。
本作の場合、其処からの復讐劇にもカタルシスは皆無です。
まず、ユリムの行動は能動的なモノではなく受動的に終始してます。
2件目はともかく、1件目は事故なので復讐が行われたのは結果に過ぎません。
さらに、ラストでは……。

そもそも、オ刑事の行動もあらすじにある通り。
あわよくば娘の関与を知るチョハンをユリムを利用し口封じさせようとしていたようにしか見えないし。
その上で、ユリムを抹殺したとしか思えないし。
ただ、ユリム殺害には成功もチョハンの口封じには失敗した、と。

そして何より、離婚したものの健在な筈のウナの父親が最後まで不在である点も不条理感を増します。

そんな本作は、復讐に及ぶ親の性別こそ異なりますが東野圭吾先生『さまよう刃』(角川書店刊)あるいはその映画版と比較される向きが多いようです。
なるほど結末において頷けるように思えます。
そう言えば、『さまよう刃』も韓国で映画化されていますね。

『さまよう刃』(東野圭吾著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

日曜洋画劇場「特別企画 ミステリースペシャル さまよう刃 地上波初!娘を奪われた父の復讐 電話が告げる真犯人!衝撃の結末」(8月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)

東野圭吾先生『さまよう刃』が韓国にて映画化!!

ちなみに、同様の母による復讐譚と言えば韓国では「ザ・ファイブ」もありました。
こう振り返ると、作品世界で娘が被害に遭った際に日本では父親による復讐劇、韓国では母親による復讐劇が多いように思えます。
息子が被害者の場合は両国ともに母親の復讐譚になることが多いだけに、なかなかに興味深いところですね。
いずれにしろ「母は強し」となるのでしょうか。

「ザ・ファイブ −選ばれた復讐者−」(2013年、韓国)ネタバレ批評(レビュー)

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ラベル:母なる復讐
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