登場人物一覧:
鉢呂ふみ子:鉢呂屋の店主、店内で遺体が発見された。
円地敏子:玉地屋の主人
小坂井美登里:美登里屋の店主
鉢呂徹:鉢呂ふみ子の息子
実相寺秀雄:作詞家
榎木光子:歌手志望の女性、コーポ・ヒサヤの住人
久谷健二:コーポ・ヒサヤの大家
依田洋子:ホステス、コーポ・ヒサヤの住人
源幸弘:美大生、コーポ・ヒサヤの住人
津田一郎:源幸弘のルームメイト
須藤幸平:イタリアンレストラン「サン・マルコ」店主
棗田義人:スーパー・トマホークの社長
田無:福鬼署の刑事
砂越:福鬼署の刑事
加藤:福鬼署の刑事
林:福鬼署の刑事
田中修:福鬼署の巡査
(公式HPより)
推理投票は2011年8月3日から!!
下記のあらすじについては「携帯で配信する」との「番組の意義」を考えて、あくまで管理人版のあらすじに留めています。
正確な内容をお知りになりたい方は携帯サイトかミステリーメールよりご確認されることをオススメします。
<第9回配信分あらすじ>
意外な事態に発展した。
光子に付きまとっていたストーカーの正体が判明したのだ。
そのストーカーこそ、ゴーグル男だった。
これにより事件は新たな局面を迎えることとなった。
まずは、ストーカーことゴーグル男が捕まった顛末を記そう。
きっかけは砂越がゴミ袋に気付いたことだった。
光子はゴミを出す際にゴミ袋の口にガムテープで封をしていた。
その為に却って、彼女のゴミであることが誰の目にも明らかになっていたのである。
ストーカーは光子の行動を把握していたが、それはゴミの中身に目を通していたからではないか?
そう考えた砂越はある人物に目をつけ張り込んだ。
事件から10日後、砂越が注目した相手が連行された。
その人物の名は津田一郎。
源のルームメイトだった。
彼の指紋が鉢呂ふみ子殺害の凶器から検出された指紋と一致。
さらに津田の部屋からゴーグルも発見。
こうして、津田がゴーグル男として逮捕された。
ところが、ここで砂越の思いもよらぬ展開が待っていた。
津田は一切を黙秘したのである。
それでいながら、ふみ子殺害だけは全面否定を貫いた。
しかも、ふみ子殺害が自分ではない証拠に口座を調べてくれと云う。
次いで、デスクにあったボールペンを右手で掴むと口座番号を書き始めた。
そんな津田の様子に違和感を覚える砂越。
一方、田無は津田の須藤への暴行を追求。
これについては素直に非を認める津田だったが、肝心のことになると黙秘を繰り返す。
津田の態度に憤慨する田無。
身の潔白を証明しようとせず黙秘のみに留まったことに意味を見出そうとする砂越。
しかし、この後にまだ悲劇が控えていたのである―――第9回了。
……だいたいこんな感じでした。
どうも、砂越が探偵役になりそうな感じでしょうか?
つまり、本作中で砂越が違和感を覚えた描写のシーンこそがヒントになりそうです。
9章でいえば、津田が右手でペンを握ったシーン。
8章でいえば、光子の部屋の扉が真っ赤に染まっていたシーン。
津田の件は津田が右利きである描写として、光子の扉の色の件はどう解釈すればいいのか……。
そして、10章でさらなる急展開が待ち構えている様子。
う〜〜〜ん、展開が早いなぁ……。
そういえば、津田がゴーグル男なのは確定なのでしょうか?
黙秘しているということは、津田とは別に目撃されたゴーグル男が居るのではないでしょうか?
って言うか、そう考えないと犯人が絞り込めない。
というわけで、これからはもう1人ゴーグル男がいるとの勝手な前提で進めて行きます。
公式のあらすじでも「ゴーグル男」が殺人犯となっていますし、信じたいところです。
田中巡査が目撃した奇怪な「ゴーグル男」こそがもう1人の「ゴーグル男」としましょう。
で、とりあえず、津田はふみ子殺害犯ではない様子。
つまり、別に真犯人がいることになります。
その真犯人こそが、もう1人のゴーグル男だとして……。
では、犯人を絞り込むポイントはどこか?
ここで、第1章ネタバレ批評(レビュー)でも行った消去法で容疑者を絞ってみようと思います。
なお、前提として「犯人は単独犯」、「犯人以外は嘘をつかない」ものと仮定します。
で、容疑者となるのは次の16人。
容疑者リスト(全16人)
鉢呂ふみ子、円地敏子、小坂井美登里、鉢呂徹、実相寺秀雄、榎木光子、久谷健二、依田洋子、源幸弘、津田一郎、須藤幸平、棗田義人、田無、砂越、加藤、林、田中修。
まずはふみ子は被害者なので除外。
次に、目撃された赤いゴーグル男は全力疾走していたので年齢的に敏子、美登里は除外。
当の全力疾走版を目撃した田中巡査も遭遇したことを地の文で表現されているので除外。
残りは12人。
次に登場人物の利き手。
各人物に描写があるのでおそらくポイントのひとつでしょう。
分かっている範囲ではこんな感じです。
実相寺:右利き(3章)
依田:右利き(4章)
津田:右利き(9章)
須藤:左利き(5章)
棗田:左利き(6章)
源:左利き(5章)
光子:左利き(8章)
そして、被害者・ふみ子は後方から左側頭部を殴りつけられており、犯人は左利きと思われる。
よって、右利きの実相寺、依田、津田は除外(残り9人)。
ここまでは確実だと思う。
で、ここからが問題だ。
9章を読むまでは「実相寺が無罪だから駅前の騒動は真実。ゴーグル男と同時に存在した須藤、光子および通報を受けた砂越、田無、林、加藤が除外。残るは源と棗田、久谷の3人」と考えていたのですが、駅前時のゴーグル男は津田らしいのでこれは成立しません(泣)。
仕方が無いのでアリバイで絞ってみましょう。
事件発生は10日。
10日時点でアリバイを主張しているのは……
源:九州に公演
棗田:スーパーで残業
これで残るは7人。
このうち、捜査員は除外してもよいでしょう。
砂越、田無、林、加藤が除外。
残るは光子、須藤、久谷になります。
ですが、源が犯人でなくなった時点で虚偽の証言をした人物がこの中に居ます。
それが、光子。
8章で光子の部屋にあった文房具入れはピースの缶。
8章でも述べましたが、このピース缶は10日にふみ子の店から持ち去られたものと考えられます。
光子はこれを源から贈られたと語っていますが、当の源は九州に居た筈で不可能。
よって、光子は偽証している。
そもそも、津田が黙秘を貫く理由は何か?
誰かを庇っているからでしょう。
では、津田が庇うほど大切に思うのは誰か?
それはストーカーの対象である光子か?
いや、管理人は津田は光子ではなく源の為にストーカー行為を行っていたと考えています。
ここで、光子が須藤に対し詐欺を働いていたことを思い出して下さい。
おそらく、光子が須藤に贋作の壺を売り付けたものでしょう。
で、贋作といえば、前回に指摘した偽札。
これは例の5千円札が偽札ではないかとのことでした。
根拠は黄色いマーカー。
調べたところ、複写機には防止機能がついており、お札をコピーすると黄色いラインが引かれる機種もあるそうです。
おそらく、例の5千円札は偽札でしょう。
光子は偽札をばれないように煙草屋で使おうとしていたのではないでしょうか?
光子は悪事に手を染めていたのでは?
そして、美登里の証言を思い出して下さい。
長い髪の幽霊の後ろにゴーグル男。
長い髪の幽霊こそ光子、そして後ろのゴーグル男は津田。
津田はその日も、光子をストーキングしていたのではないか?
こう考えると、依田の9日にストーカーを見た発言も意味を持ってきます。
9日といえば、光子が久谷に扉の新聞受けを修理するよう要求した日です。
つまり、津田は9日に光子の部屋の新聞受けから中の様子を覗いた際に、光子の偽札計画を知った。
そこで、光子をずっと監視していた。
そもそも、本当に津田は光子のストーカーなのでしょうか?
ひょっとすると、津田は光子の悪事を察し、友人である源の為に光子を遠ざけようとしていたのではないでしょうか?
そう考えるといろいろ辻褄が合います。
源と別れるように迫ったのも光子のことが好きだからではなく、源の為。
光子の行動を知っていると脅したのも、光子の悪事を制限する為だったのでは?
だから、光子を告発すれば源を傷つけることになる為に黙秘を貫いている。
光子を愛しており庇う為ならば罪を着てもおかしくは無い筈です。
須藤を突き飛ばしたのも、怪我をさせるつもりはなく名刺が欲しかったと言っているあたり、光子の被害者を捜していたのではないかと思われます。
で、疑問となるのが「何故、光子は黄色いマーカーに気付かず偽札を使用したか?」。
ここで、8章で砂越が違和感を持った光子の部屋の扉に注目。
真っ赤に染まっていました。
で、目撃された奇怪なゴーグル男のゴーグルも赤。
ひょっとして光子は赤とか黄色を認識できないのではないでしょうか?
その為のこの描写だとすれば、やはり光子犯人説が有力のように思えます。
わざわざ「ゴーグル男」として「男」を強調している点もあの名作と同じく意図的なものを感じます。
ただ1つ問題点は光子が何故、ゴーグル男の恰好をして田中の前を通ったか?
おそらく、源との仲を裂こうとしてる津田に罪を着せる為でしょう。
田中は巡回中なので時間は比較的予測がつく筈、計画的に利用することも可能?
ただ、それだと美登里の時点でゴーグルをしていなかった理由が不明なんだよなぁ……。
ひょっとすると、ふみ子の返り血を浴びたので隠す為にゴーグルをしたとか?
ここが分からない……。
とりあえず仮説をひとつ立ててみましたが、如何でしょうか?
結構、穴だらけながら不思議と光子犯人説は堅い気がしています。
残りは1回。
果たして管理人の推理は解答に辿り着くか?
配信第10回の内容や如何に?
参考までに「ゴーグル男の怪」の公式HP上のあらすじとその作者・島田先生のデータをまとめてみたので推理の手掛かりにどうぞ!!
<あらすじ>
夜霧が立ち込める郊外の町。
霧の中から、顔にゴーグルをはめた不気味な男が現れる。レンズからは、爛れたような真っ赤な肌が覗いていた。そして、時代に取り残されたような煙草屋で、老女の死体が発見される。
犯人であるゴーグル男は霧の彼方に消えた。その正体は謎に包まれたまま…。
(公式HPより)
<島田先生データ>
言わずと知れた新本格の祖にして巨匠です。
「御手洗潔シリーズ」や「吉敷シリーズ」で有名。
その作品には衒学的なものが多い。
現在では自身の著作を多数発表される中で、後進育成に励まれており、「福山ミステリー文学賞」や講談社さんの「ベテラン新人プロジェクト」など多くの賞に携わっていらっしゃいます。
興味のある方は御大のお名前で当ブログ内を検索して頂ければ如何に広く活躍していらっしゃるか分かるでしょう。
そんな島田先生の代表作は「占星術殺人事件」。
そう、「金田一少年の事件簿」でトリックが用いられたアレです。
それほどの影響力を持つ方でいらっしゃいます。
作品傾向としては、基本、叙述トリックは使われない方だと思われます。
どちらかといえば、舞台設定を活かしたトリックを得意とされているようなので、今回でいえば「夜霧立ち込める郊外の街」にヒントがあるかも。
◆関連外部リンク(外部サイトに繋がります)
・「探偵Xからの挑戦状!」公式HP(NHKさん)
http://www.nhk.or.jp/tanteix/
◆関連過去記事
【「ゴーグル男の怪」これまでのあらすじ】
・探偵Xからの挑戦状!夏休みスペシャル「ゴーグル男の怪」第1回配信分(7月25日配信)ネタバレ批評(レビュー)
・探偵Xからの挑戦状!夏休みスペシャル「ゴーグル男の怪」第2回配信分(7月26日配信)ネタバレ批評(レビュー)
・探偵Xからの挑戦状!夏休みスペシャル「ゴーグル男の怪」第3回配信分(7月27日配信)ネタバレ批評(レビュー)
・探偵Xからの挑戦状!夏休みスペシャル「ゴーグル男の怪」第4回配信分(7月28日配信)ネタバレ批評(レビュー)
・探偵Xからの挑戦状!夏休みスペシャル「ゴーグル男の怪」第5回配信分(7月29日配信)ネタバレ批評(レビュー)
・探偵Xからの挑戦状!夏休みスペシャル「ゴーグル男の怪」第6回配信分(7月30日配信)ネタバレ批評(レビュー)
・探偵Xからの挑戦状!夏休みスペシャル「ゴーグル男の怪」第7回配信分(7月31日配信)ネタバレ批評(レビュー)
・探偵Xからの挑戦状!夏休みスペシャル「ゴーグル男の怪」第8回配信分(8月1日配信)ネタバレ批評(レビュー)
【「探偵Xからの挑戦状 夏休みスペシャル〜ゴーグル男の怪〜」関連過去記事】
・「探偵Xからの挑戦状 夏休みスペシャル〜ゴーグル男の怪〜」あらすじ判明!!
・2011年8月5日、「探偵Xからの挑戦状!」がスペシャルで帰って来る!!その名も「探偵Xからの挑戦状 夏休みスペシャル〜ゴーグル男の怪〜」!!
・「探偵Xからの挑戦状!シーズン4」制作か!?島田荘司先生ツイッターから情報が明らかに!!
【「探偵Xからの挑戦状!」シーズン3ネタバレ批評(レビュー)】
・探偵Xからの挑戦状!「殺人は難しい」(貫井徳郎著)本放送(4月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・探偵Xからの挑戦状!「ビスケット」(北村薫著)本放送(4月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・探偵Xからの挑戦状!「怪盗Xからの挑戦状」(米澤穂信著)本放送(5月5日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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「森江春策の災難」(芦辺拓著)