2016年04月24日

土曜ワイド劇場「森村誠一の棟居刑事 偽完全犯罪 美女作家のニセ者は二度死ぬ?血痕が付着しない1冊の本の謎!!疑惑の男女4人に鉄壁のアリバイが」(4月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「森村誠一の棟居刑事 偽完全犯罪 美女作家のニセ者は二度死ぬ?血痕が付着しない1冊の本の謎!!疑惑の男女4人に鉄壁のアリバイが」(4月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

フリージャーナリストの河上辰男(金子昇)の死体が、都内の自宅アパートで見つかった。臨場した警視庁捜査一課の刑事・棟居弘一良(東山紀之)は、血痕が霧状に飛び散った本棚の中に、一冊だけ血痕が付着していない本を見つけ、不審に思う。その本は、有名作家、檜山麗子(浅見れいな)の人気小説『湖上の恋』で、開いてみると著者のサイン入りだった。
同僚刑事・神林武人(きたろう)らは、事件発生直後から姿を消している河上の同棲相手・水野伸江(柴本幸)を怪しむが、棟居は血痕の謎が気になっていた。河上が殺されたとき、『湖上の恋』は本棚になかったのではないか。だとしたら、犯人はなぜこの本を本棚に戻さなければならなかったのだろうか。
そんな中、麗子が編集者の小幡明彦(葛山信吾)と共に、捜査本部がある目黒西署の捜査二課に相談にやって来た。実は、最近、麗子になりすました女があちこちで借金を重ねたり、旅館で宿泊代を踏み倒しているらしく、返済や支払いの要求が出版社に多数舞い込み、迷惑しているという。
「麗子に恨みを抱く人物は?」と聞かれ、小幡は旅行代理店勤務の高梨みどり(大塚千弘)の名を挙げる。『湖上の恋』の執筆にあたり、麗子はみどりに取材させてもらったが、彼女は本の内容が気に入らなかったらしく、「檜山麗子を許さない!」と編集部にクレームをつけてきたという。小幡が勤める出版社は、奇しくも神林のひとり娘・一子(貫地谷しほり)が勤めている会社でもあった。
その矢先、伸江が自ら出頭してきた。彼女はペットの猫を亡くしたショックから体調を崩し、アパートを離れ神奈川県内の実家に帰っていたと主張。自分は事件とは無関係であり、昨夜のニュースを見て急いで出頭してきたのだと話す。とはいえ、実家はすでに誰も住んでおらず、伸江のアリバイは証明できなかった。
しかし、伸江は気になることを口にする。河上は自分と同棲していながらも、別に女性がおり、その相手の名は高梨みどりだというのだ。麗子の詐欺事件で疑わしい人物として浮上したみどりが、死んだ河上とつきあっていたとは…。奇妙なつながりに、棟居らは驚愕するが…!?
その後、事件関係者のひとりが遺体となって発見された上、またしても麗子の偽者が出現する。はたして連続殺人の犯人は誰なのか…!? そして人気小説家になりすました女の正体は…!?
(公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……。

フリージャーナリスト・河上辰男が都内の自宅アパートにて発見された。
死因は撲殺、その惨状を示すように血痕が周囲へと霧状に飛び散っていた。

この捜査に乗り出したのは警視庁捜査一課の棟居弘一良刑事。
棟居は本棚に血痕が飛んでいるにも関わらず、一冊だけ付着していないことに注目する。
その本こそ、『激愛』でデビューした有名作家・檜山麗子の人気作『湖上の恋』であった。
しかも、麗子のサイン本だったのだ。
これに、棟居は河上殺害後に『湖上の恋』が本棚に戻されたのではないかと考える。

一方、棟居の同僚である神林武人は河上の同棲相手・水野伸江を疑っていた。
伸江が数日前から姿を消していたのだ。

同じ頃、麗子が編集者の小幡明彦に連れられ目黒西署の捜査二課を訪れた。
なんでも、麗子の偽物が出没しており被害に遭っているのだそうで、麗子宛てにあちこちから請求が舞い込んでいたのだ。

小幡は「高梨みどりが犯人に違いない」と主張する。
みどりは旅行代理店「隼ツーリスト」の社員で『湖上の恋』の取材協力者。
ところが『湖上の恋』の内容が「悪女に騙された男性が心中する」と知るや「麗子を許さない!!」とクレームを付けていたのだそうだ。

直後、伸江が出頭して来た。
伸江はペットの猫を亡くしたショックから神奈川県内にある相模湖付近の実家に戻っていたと供述する。
とはいえ、伸江には家族が居らずアリバイ証明は出来なかった。
さらに、伸江は河上がみどりとも交際していたと言い出した。

こうして、みどりを通じて「河上殺害」と「麗子の偽物」とが関わって来ることに。
当のみどりは河上との交際は認めるが、犯行は共に否認する。

棟居は「麗子の偽物」の行動を追うこととなった。
偽物が宿泊したとされる高級旅館によれば、偽物は鍔広の帽子を目深に被りサングラスを着用していた為に顔は分からないらしい。
だが、偽物は「麗子の名刺」を残していた。

指紋を調べたところ、旅館の支配人と麗子の指紋のみが検出された。
どうやら、偽物は指紋を残さぬよう手袋を着用していたようだ。
これに棟居は「偽物は麗子から名刺を貰った時も手袋をしていたのではないか」と仮説を告げる。
だが、麗子は「心当たりはない」と応ずるが……。

矢先、麗子と伸江が高校時代の友人であったことが明らかに。
しかも、麗子は元編集者から作家に転身を果たしており、小幡の後輩だったことも分かる。

その夜、伸江が麗子宅を訪れた。
伸江は麗子が飼っている猫のミイを目にして薄い笑いを浮かべる。

翌朝、棟居のもとに「河上の口座に500万円が振り込まれていた」との報が届く。
どうやら河上は誰かを脅迫していたようである。

調べたところ、河上が「東西四季観光」の収賄事件を追っていたことが分かる。
みどりが勤務する「隼ツーリスト」は「東西四季観光」の系列会社であった。
さらに、疑惑の人物である「東西四季観光」の総務部長・藤堂とみどりが3年前まで交際していたことも判明。
どうやら、河上はこれを調べるべくみどりに近付いたようだ。

矢先、偽麗子の宿泊先から伸江の指紋が検出された。
偽麗子の正体は伸江だったのだ。

数日後、伸江が溺死体で発見されることに。

時を同じくして2日前にまたも偽麗子が出没していたことが明らかに。
何でも2月18日22時30分ごろに千葉県のホテルに泊まっていたのだ。
これにより、2月18日以降の犯行とされた。

伸江殺害犯を追う棟居は藤堂と麗子を捜査。
しかし、2人とも2月18日以降のアリバイは不動であった。

そんな中、生前の河上が小幡と揉めていたことが分かる。
小幡によれば、肩が触れたことで口論になったのだそうだが……。
また、5年前から小幡と麗子は交際中だそうである。

翌日、棟居は麗子と伸江が1月20日に行われた同窓会の席上で揉めていたとの情報を掴む。
当時の同級生によれば、2人は高校時代からの親友で捨て猫にミイと名付けて可愛がっていたらしい。

さらに、棟居は麗子が『湖上の恋』の表紙に不満を抱いていたことを知る。
其処には麗子の故郷・相模湖の写真が用いられていた。

現地に飛んだ棟居は15年前に伸江の父・健司が行方不明になっていることを突き止める。
当時、健司は伸江に暴力を奮っていたらしい。

戻った棟居はペット美容室へ足を運ぶ。
すると、麗子も伸江も猫を飼っており共にミイと名付けていたことが分かった。
麗子は黒と茶のまだら、伸江は全身茶色の猫を飼っていたのだそうだ。

直後、河上宅から黒と茶の猫の毛が検出された。
しかも、この毛が麗子宅のミイちゃんの物と同一であると確認されたのだ。

棟居は麗子のもとへ。

麗子は河上に脅迫され500万円を支払っていたことを認めた。
小幡もこれに気付いており、揉めていたのは麗子に近付かないようにさせる為だったらしい。

琴の発端は15年前、伸江は健司から暴力を奮われていた。
これを見かねた麗子が健司に一撃を加え、伸江も加わり健司を殺害してしまった。
麗子たちは協力して相模湖の橋の下に健司を埋めた。

麗子にとって故郷は辛く苦い想い出の地だったのである。
だからこそ、それを想起させる『湖上の恋』の表紙を嫌ったのだ。

15年ぶりに同窓会に参加したのも『湖上の恋』の表紙について伸江に謝罪する為であった。
ところが、これを伸江を迎えに来ていた河上に知られ脅迫されてしまった。

其処で麗子は河上を殺害を決意する。
河上は勝ち誇ったように本棚にあった『湖上の恋』に麗子のサインを求めて来た。
応ずるふりをした麗子は隙を見て、河上を殺害した。
だから、『湖上の恋』が後から本棚に収められることになったのだ。

これで悩みが無くなったと思った麗子だが、今度は偽物に悩まされることに。
このとき、麗子は名刺に偽物の指紋が付いていなかったことを知り、伸江を疑うようになった。
麗子が伸江に名刺を渡した時、伸江が手袋を嵌めていたからだ。
伸江を問い詰めたところ、彼女は罪を認めた。

麗子は伸江にも非があることだからと、河上殺害の罪を告白し帳消しにしようと申し出た。
ところが、伸江はこれに激怒し麗子に襲い掛かったのだ。
揉み合う内に伸江が死亡してしまったのである。

これが事件の真相であった。

「友情なんて無かったんですよね」
涙ぐむ麗子。

「互いに猫にミイちゃんの名を付けた、それこそが友情の証です」
言い切る棟居であった。

藤堂は捜査の過程で収賄の罪が明らかとなり、逮捕されることとなった―――エンド。

<感想>

ドラマ原作は森村誠一先生『偽完全犯罪』(光文社刊)。

では、ドラマ版の感想を!!

偽麗子は初めからトリックに関わって来ると思っていただけに、後半で利用されることになったのはサプライズでした。
てっきり、本物の麗子が偽麗子を演じ河上殺害のアリバイ工作を行っていたものと思ってました。
個人的にはこんな感じのストーリーを予想していました。

麗子はアリバイ工作の為に敢えて自身で偽物を演じ、高級旅館に宿泊。
その付近に河上を呼び出し撲殺。
この際、犯行現場に河上の本棚にあった書籍を再現して血痕を付着させる。
その後、アリバイ成立を確認すると河上宅へ遺体と蔵書を運び込んだ。
ところが、実際の本棚の枠と運び込んだ蔵書の数が合わず、手持ちのサイン入り『湖上の恋』で穴埋めせざるを得なかった。
だからこそ、『湖上の恋』には血痕が付着していなかったのだ!!的な。

まさか、その場でサインする為に棚に無かったとは……想定外でした。
あれだけ魅力的な謎だっただけにもう少し大筋と絡んでも良かったと思うけどなぁ。

また結果として、麗子にとって伸江こそが最大の敵だったか……。
伸江の父殺害も巻き込まれたようなものだし、河上に脅迫されたのも伸江が原因だし。
そもそも、そんな河上と交際していたのも伸江だし。
河上殺害前の時点で伸江は偽麗子を演じているし。

棟居は麗子と伸江の間に友情が存在するとして「ミイちゃん」の例を挙げているけど。
伸江はだいぶ前から成功した麗子との同一化を望んでいたようだし、単にその一環のような気がするけどなぁ。

ちなみに、麗子が伸江殺害直前に連絡を取ろうと携帯に何度も電話していたのなら履歴を見れば容疑者はすぐ分かった気が。

それと、すぐに分かると言えば先述した「『湖上の恋』に血痕が付着していなかった謎」が途中で棚上げされていたのが気になるかなぁ……。
最初から「殺害後に本棚に戻されたことが分かっている」のに、どうして其処を放置してしまうのか。
しかも、サイン本だし。
河上が所持していて麗子にサインを依頼したのだから、指紋の付着順で決め手とは言わずとも傍証くらいにはなりそうだが。
その謎関係なしに物語が進んでいたので「血痕の件は放置で良いの?」と途中でかなりフラストレーションが溜まった。
棟居は『湖上の恋』であれだけ違和感を抱いていたのに、どうして終盤まで放置するかなぁ……。

麗子と言えば、河上に脅迫されていたけど伸江も共同正犯だし、伸江に責任を取らせれば良かったんじゃないかなぁ。
何しろ、河上が暴露すれば自動的に伸江も窮地に立つことになるワケだし。
寧ろ、1人で抱え込まず伸江に河上の対処をさせた方が良かったのではないか。

そして、河上。
伸江の出迎えに赴くとは意外とマメだ。
それとも、同窓会で伸江が浮気しないか見張っていたのだろうか。

でもって、藤堂は因果応報とは言え思わぬところで巻き添えに。
さらに、みどりは殆ど関係なし。
まさかの、このメンバーで最もクリーンで純粋に愛に生きた女性になるとはなぁ……。

そう言えば、今回も開始14分前後で公式にあったあらすじがあっさり消化されてしまった……導入部分のペースが早い印象。
全体を振り返ると、もう少し中盤と振り分けても良かったのではなかろうか。

そして、一子が「タクシードライバーの推理日誌」のあゆみ化しつつありますね。
気を付けなければ「一子の法則」が出来そうだ。

<キャスト>

棟居弘一良:東山紀之
神林一子:貫地谷しほり
檜山麗子:浅見れいな
水野伸江:柴本 幸
小幡明彦:葛山信吾
河上辰男:金子 昇
高梨みどり:大塚千弘
福永刑事:天宮 良
神林武人:きたろう
那須亮輔:森本レオ ほか
(順不同、敬称略、公式HPより転載)


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赤と黒のゲキジョー「森村誠一サスペンス 海の斜光 愛する子の不可解な死と夫の失踪不倫・殺人…暴かれる裏の顔?平凡な家族を襲う殺人連鎖!追い詰められ墜ちゆく女…極限の果てに届く亡き息子の伝言?」(11月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【アタミステリー紀行関連】
『ただ一人の異性』(森村誠一著、アタミステリー紀行2011より)ネタバレ書評(レビュー)

「アタミステリー紀行2010」結果が発表される

「熱海の靴屋」(森村誠一著、アタミステリー紀行2010より)3つのミスにチャレンジ!!

近付く「アタミステリー紀行2010」の足音……

アタミステリーへの誘い……
(アタミステリー紀行2009について触れた過去記事です)

【その他】
知ってましたか?森村誠一先生『人間の証明』が韓流ドラマに!!その名も『ロイヤルファミリー』!!

森村誠一先生「義仲・巴ネットワークフォーラム・イン・富山」にて講演

クリスマス(12月24日)の森村誠一さん!!
(「森村誠一 謎の奥の細道をたどる」についての過去記事です)

キンドル版「偽完全犯罪 (光文社文庫)」です!!
偽完全犯罪 (光文社文庫)



2016年04月21日

水曜ミステリー9「マザー・強行犯係の女〜傍聞き〜 伝えたい話を別人の会話から漏れ聞くことで信じやすくなる効果――傍聞き。連続殺人に潜む過去の闇、怨恨、娘の本心…強行犯係・羽角啓子が傍聞きで真実に迫る!」(4月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「マザー・強行犯係の女〜傍聞き〜 伝えたい話を別人の会話から漏れ聞くことで信じやすくなる効果――傍聞き。連続殺人に潜む過去の闇、怨恨、娘の本心…強行犯係・羽角啓子が傍聞きで真実に迫る!」(4月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

ある日、若い女性を狙った殺人が立て続けに発生する。一人目の被害者は建設会社勤務の阿川明美(由梨乃)。二人目はフリーターの神田朱美(木嶋のりこ)。いずれも死に顔に口紅で×印が描かれ、杵坂署・強行犯係の羽角啓子(南果歩)らは通り魔連続殺人事件として捜査を進める。

同じ頃、啓子の自宅の二軒隣りに住み、普段から懇意にしている羽角フサノ(佐々木すみ江)が、居空き事件の被害に遭う。フサノの話では、現金と共に一昨日ぶつかった人が落とした腕時計が無くなったという。さらに犯行時刻に右目の下に傷がある怪しい男がいたという目撃情報も。それを聞いた啓子は、2年前に逮捕し、右目の下に傷を負わせた横崎宗市(高橋和也)のことを思い出す。10日前に出所しており、恨みから菜月(濱田ここね)が狙われないか不安に思っていた。

そんな中、歌舞伎界のプリンスの恋人で読者モデルの女子大生・澤井夏蓮(瀬戸さおり)が遺体となって発見される。顔に×印が書かれていたことから、通り魔殺人と同一犯と目されるが、啓子は夏蓮だけ×の書き順が違うことに気づく。捜査会議で別人による犯行の可能性を指摘するが、その時、捜査一課の課長・田神崇(丸山智己)から、朱美殺害現場に残った毛髪が、3年前に殺人で逮捕された木場亮介(杉山ひこひこ)と一致したことが告げられる。身柄を確保すべく、捜査員は木場の自宅を訪ねるが、すでにもぬけの殻で…。

一方、刑事課長の八生守雄(佐戸井けん太)から「余計なことはするな」と釘をさされた啓子だったが、独断で夏蓮の身辺調査を始めていた。そんな中、警務課長の伊丹小次郎(田中要次)に呼び出される。留置所にいる人物が啓子に会いたがっていると言う。その男はフサノ宅の居空きをしたとして捕まった横崎で、さらに身の危険を感じる啓子だった…。

その頃、木場の家で発見された衣類が、第一の被害者・明美のものであると判明。犯人らしき証拠をつかんだ警視庁鑑識課管理官・秋月浩司(柄本明)は、その人物探しに人を割いてほしいと田神に懇願するが、木場の確保が先だと聞く耳を持たない。

夏蓮の犯人は別人だと考える啓子と秋月。連続殺人の犯人は同一人物なのか否か?木場の行方もつかめない中、再び×印が書かれた、第四の殺人が発生してしまう…。
(水曜ミステリー9公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……。

杵坂署強行犯係の羽角啓子には小学生の1人娘・菜月が居る。
夫も刑事であったが逮捕した犯人に逆恨みされお礼参りとして殺されてしまった過去がある。
だから、母1人娘1人の生活だ。

だが、最近になって啓子は菜月のある癖に悩まされていた。
菜月は啓子への不満があると直接伝えず、わざわざ自宅あてに葉書を送るのだ。
このまどろっこしい方法には啓子は頭を抱えざるを得ない。
しかも、この葉書が近所に住む同姓の老女・羽角フサノに届いてしまうのである。
葉書の内容は「家事をサボるな!!」などといったものが殆どで、フサノが目にしているかと想像すると啓子としては顔から火が出る思いである。

そんなある夜、連続通り魔殺人事件が立て続けに発生した。
1人目の被害者は建設会社勤務の阿川明美、2人目の被害者はフリーターの神田朱里だ。
殺害方法こそ1件目が刺殺、2件目が絞殺と異なるが、共に遺体の顔に口紅でバツ印が落書きされていた。
啓子はこの捜査に乗り出すことに。

ところが、2件目の通り魔事件が起こった翌日のことである。
フサノ宅が居空きの被害に遭ってしまった。
居空きとは住人が居る中で堂々と盗みが行われること。
フサノによれば現金と共に昨晩に拾った腕時計が被害に遭ったと言う。
啓子は犯行現場付近で右目の下に傷のある怪しい男が居たとの目撃証言を聞き、不安を覚える。
啓子自身が逮捕した横崎宗市のことを思い出したからだ。

横崎は2年前に妻との痴情のもつれから刃物を振り回し啓子に逮捕されていたが、10日前に社会復帰を遂げていた。
もしかすると、そのことを根に持っているのではないか!?
だからこそ、啓子宅と間違えてフサノ宅に侵入したのではないか!?
夫のことがあるだけに啓子の心は乱れるばかり……。

矢先、澤井夏蓮が何者かに殺害されてしまう。
夏蓮は読者モデルの女子大生、歌舞伎界のプリンスと呼ばれる桐生内蔵助の恋人として騒がれていた。
その遺体に、またもや口紅でバツ印が落書きされていたことから捜査本部の責任者・田神崇は通り魔事件第3の犯行として捜査を開始する。

だが、啓子はこの見解に異議を唱える。
夏蓮の遺体だけはバツ印の描き順が異なっていたのだ。

しかし、田神は聞く耳を持とうとしない。
むしろ、2件目の現場から木場亮介の毛髪が検出されたことから彼の犯行を疑う。
こうして身柄を確保すべく木場宅が確認されるが、当の木場は1週間ほど前から姿を消していた。
さらに木場宅から1件目の被害者の衣類が見つかり、田神は木場確保を優先するよう指示を出す。

一方、啓子は犬猿の仲である警務課長・伊丹小次郎から「留置所の15番が会いたがっている」と呼び出された。
ところが、その15番こそフサノ宅の居空きの容疑で逮捕された横崎だったのである。
横崎はニヤニヤ笑いを浮かべると「明日、面会室に来て下さい」と啓子へ依頼する。
尚更、身の危険を感じる啓子だが……。

同じ頃、啓子の旧知である警視庁鑑識課管理官・秋月浩司は夏蓮の携帯電話に3件ほど不審な着信履歴があることを発見。
すべて留守番電話として録音されており無言であったが、小田急線北新宿駅の公衆電話からの通話であることに気付き、防犯カメラ映像から共通の人物を見出していた。

横崎のことを不安に思いつつ帰宅した啓子。
すると、フサノが葉書を届けて来る。
もちろん、菜月の葉書である。
其処には「泥棒を追い回すだけじゃなく、家の仕事もして!!」と記されていた。
菜月の考えていることが分からない啓子は「泥棒じゃないの、連続殺人犯なの!!」と叱りつけてしまう。

その夜、中村鈴江なる女性が刺殺されてしまった。
またも、顔にバツ印が残されていたが書き順は1件目、2件目と同じであった。
これにより、啓子は夏蓮の殺害のみ別件なのではないかとの認識をより強くする。

そんな啓子の部下・黒木駿が気になる情報を手に入れて来た。
夏蓮がネット上に嫌がらせの書き込みをしていたとの噂があったのだ。
噂の主は小柴由香里なる女性、彼女によると夏蓮の無責任な書き込みで内定取り消しの憂き目に遭ったと言う。
しかも、夏蓮は中学時代に人を殺したと自慢していたそうだが……。

5年前、中学時代の夏蓮の同級生が自殺を遂げていた。
その同級生の名は須藤エリナ。
だが、遺書も無く自殺の理由は未だに明らかになっていないらしい。

当時の担任で今は杵坂第二中学校副校長となっている温井博によれば、エリナ自身の家庭環境が原因だそうだ。

エリナの母・渡辺郁子を訪ねたところ、エリナの死を契機に夫婦仲が悪くなり離婚してしまったと語る。
また夏蓮殺害時刻と思われる22時のアリバイを尋ねたところ、些か戸惑いつつもすらすらと語り出した。

後に温井と郁子のアリバイは共に確認されることとなる。

その午後、啓子は伊丹立ち会いのもと約束通り横崎との面会に訪れた。
ところが横崎は何も語ろうとせず、業を煮やした伊丹が部下の斉藤と交代した。
途端、横崎は「取調中の空気で分かったんですけど羽角フサノさん宅の居空き犯は直に捕まります。つまり、私はもうすぐ釈放になるんですよ」と笑顔を浮かべながら語り出した。
これをもうすぐ自由になるとの宣告だと受け取った啓子はさらに身の危険を感じることに。

翌朝、啓子は伊丹に絡まれてしまう。
なんでも、横崎との面会直後から斉藤が早退してしまって出て来ないらしい。

「あんたが悪いんじゃないの!?」
普段の伊丹の態度を思い出し、悪態を吐く啓子。

それでも気が収まらなかった啓子は黒木相手にも愚痴を零す。
これを聞いていた黒木は斉藤が射撃の名人であることを伝え、広報誌にも掲載された有名人だと教える。
広報誌の写真で笑う斉藤の腕にはフサノ宅から消えたとされる腕時計が光っていた。

此処で啓子は気付いた。
居空き犯の狙いは金ではなく腕時計が目的だったのだ。
フサノが腕時計を拾ったのは第二の通り魔事件の夜である。
腕時計は通り魔事件の犯人の物だったのだ。
すなわち居空き犯こそ連続通り魔事件の犯人だ。
そして真犯人は……。

啓子は木場の居所が分かったと語り、その現場へ。
数時間後、木場は既に死亡していたことが判明する。
なんと、木場宅の庭に埋められていたのだ。

木場は真犯人に殺害されていた。
2件目の現場に残された毛髪や1件目の被害者の衣服は真犯人が木場を犯人と偽装すべく仕掛けた品であった。
その真犯人こそ斉藤である。

この啓子の推理を裏付けるように斉藤宅から被害者の物と思われる口紅が押収される。
さらに4件目の被害者・鈴江は斉藤の元交際相手であった。
どうやら、鈴江が斉藤の犯行に気付き口封じされたようだ。

矢先、斉藤が田神を狙っていることが分かる。
駆け付けた啓子により斉藤は逮捕された。

斉藤の動機は他者に認められないことによるストレスであった。
特に田神には横柄な奴だと反感を抱いていたようである。

斉藤の逮捕により、横崎が釈放された。
横崎は事情を語り出す。

居空き当日、偶然にも横崎はフサノ宅で斉藤を目撃した。
ところが、横崎はフサノ宅の居空き犯として身柄を拘束されてしまった。
しかも、其処で当の犯人である斉藤を発見することに。
斉藤を告発したいが信用されるとは到底思えない。
其処で啓子との面会を演出しつつ、斉藤を追い詰めたのだ。
それこそ「傍聞き」である。
横崎は2年前に妻への凶行を未然に防いでくれた啓子に感謝しており、啓子に助けを求めていたのである。

しかし、まだ事件は解決していない。
夏蓮殺害犯が残っている。
だが、これについても啓子は突き止めていた。
秋月が入手した防犯カメラ映像が犯人を示していたのだ。

その頃、ナイフを手にした郁子が温井に迫っていた。
エリナ殺害の事情を問い質そうとしていたのである。
啓子はその場に駆け付けると郁子こそが夏蓮殺害犯であると指摘する。
郁子にはアリバイがある筈なのに、何故!?

実は郁子には22時以降のアリバイしか存在していなかった。
実際の犯行時刻は21時からだったのだ。
夏蓮は浮気の常習犯であり、それを隠す為に友人を利用して22時までのアリバイを作成していた。
この為に犯行時刻自体が1時間遅くなってしまい22時と誤認されてしまったのだ。

郁子は夏蓮殺害を認め、動機を語り出した。

テレビで夏蓮と桐生内蔵助との交際を報じられる姿を目にした郁子は彼女がエリナの同級生であることを思い出し周辺を調べ始めた。
すると、エリナが夏蓮とそのグループから陰湿なイジメを受けていたことを突き止めたのだ。

郁子は夏蓮に謝罪を要求するが、夏蓮はこれを拒否。
逆上した郁子は夏蓮を殺害した。
しかし、郁子にはまだやらねばならないことがあった。
エリナの死にはまだ隠された謎があったのだ。

それこそ、エリナの遺書の行方だ。
エリナの遺書は存在していた。
ところが、保身に走った温井がこれを握り潰していたのである。
結果、エリナの死はエリナ自身の責任に転嫁されてしまったのだ。
郁子は母としてエリナの死の責任を感じ、温井にもその清算を迫ろうとしていたのである。

郁子は逮捕された。
果たして、郁子の罪は問われるべきものだったのだろうか!?
啓子は自身の仕事に一抹の虚しさを抱えてしまう。

その日、菜月と共に家路に就いた啓子はフサノからまたも葉書を受け取ることに。
もちろん、菜月の葉書だ。
赤面しかけた啓子だが内容を目にして菜月の意図に気付く。
其処にはまたも「泥棒を追ってないで」と書かれていたのだ。
啓子が追っていたのは「居空き事件」ではなく「連続通り魔事件」である。

世間では連続通り魔事件に目が向いており、フサノが被害に遭った居空き事件は全く報道されない。
フサノは自身が無視されているのではないかと不安に駆られたことだろう。
そんなフサノを慮った菜月が敢えて葉書を目に届くように送ることで彼女を励ましていたのだ。
これも「傍聞き」である。

菜月の思わぬ優しさに胸を突かれる啓子であった―――エンド。

<感想>

新シリーズ「マザー・強行犯係の女」第1弾。
原作は長岡弘樹先生『傍聞き』(双葉社刊『傍聞き』収録)。
本作は2008年の「日本推理作家協会賞 短編部門」受賞作です。
過去にネタバレ書評(レビュー)してますね。

『傍聞き』(長岡弘樹著、双葉社刊『傍聞き』収録)ネタバレ書評(レビュー)

では、ドラマの感想を。

「連続通り魔殺人事件」と「夏蓮殺害事件」はドラマオリジナルですね。
「フサノ宅居空き事件」と「2つの傍聞き」が原作からとなっていました。

とはいえ、上手く原作を膨らませていたと思います。
少なくとも原作の特徴を活かす為に必要なアレンジであったと感じられました。

これならば全く別の原作(本作の設定のみ活かしたもの)やオリジナルでのシリーズ化を視野に入れても大丈夫な気がします。

此処からは思ったことをつらつらと。

夏蓮殺害犯は田神だと思ったんだけどなぁ……。
てっきり、郁子の別れた夫が田神で亡き娘・エリナの仇を討とうとしたものとばかり。
だからこそ、捜査を木場による連続通り魔事件に仕立てようとし。
だからこそ、真相に近付く啓子を疎んじた。
これに斉藤が気付いて田神を狙った的なストーリーだと思ってました。
純粋に別件だったのは意外でしたね。

そして、郁子は殺害後にアリバイを作っていたのか……。
急な犯行だったにも関わらず割と冷静だなぁ。

そう言えば「南果歩さんが刑事役」を演じ「過去に刑事であった夫が殉職」し「娘を1人で育てている」との設定で「スペシャリスト」の姉小路を思い出しました。

「スペシャリスト」最終話(10話)(3月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)

また、「傍聞き」は一昨日(2016年4月18日)に放送された月曜名作劇場「陰の季節」でもありましたね。
尾坂部が用いたアレです。
此の点でも本作の理解をより手伝ってくれたと思います。
放送順の巡り合わせもありますね。

『陰の季節』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『陰の季節』収録)ネタバレ書評(レビュー)

月曜名作劇場「横山秀夫サスペンス 陰の季節 横山秀夫最高傑作「64(ロクヨン)」の原点!第5回松本清張賞受賞作品 不朽の名作「陰の季節」が蘇る!「ロクヨン」と並ぶもう一つの未解決事件!その真相に涙する!」(4月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

<キャスト>

羽角啓子:南果歩
黒木駿:皆川猿時
横崎宗市:高橋和也
八生守雄:佐戸井けん太
田神崇:丸山智己
羽角菜月:濱田ここね
富士田登:夙川アトム
澤井梓:星ようこ
斎藤拓也:松下洸平
澤井夏蓮:瀬戸さおり
温井博:日野陽仁
伊丹小次郎:田中要次
羽角フサノ:佐々木すみ江
渡辺郁子:高橋ひとみ
秋月浩司:柄本明 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)


「傍聞き (双葉文庫)」です!!
傍聞き (双葉文庫)

2016年04月19日

月曜名作劇場「横山秀夫サスペンス 陰の季節 横山秀夫最高傑作「64(ロクヨン)」の原点!第5回松本清張賞受賞作品 不朽の名作「陰の季節」が蘇る!「ロクヨン」と並ぶもう一つの未解決事件!その真相に涙する!」(4月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜名作劇場「横山秀夫サスペンス 陰の季節 横山秀夫最高傑作「64(ロクヨン)」の原点!第5回松本清張賞受賞作品 不朽の名作「陰の季節」が蘇る!「ロクヨン」と並ぶもう一つの未解決事件!その真相に涙する!」(4月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

平成13年3月1日。赤間警視正(滝藤賢一)が新たな警務部長として県警に着任した。警務部長は県警のナンバー2で警察庁のキャリアが就任する。データ魔の赤間は警務課職員たちに早速あれこれとケチをつける。警務部警務課の調査官・二渡(仲村トオル)は赤間が異動するまでの辛抱だと同僚をフォローする。
そんな県警に静かな大事件が勃発した。元刑事部長で建設業界の団体に天下った尾坂部(伊武雅刀)が期限を過ぎても辞めないと言い出したのだ。OBたちのポスト調整も警務部の重要な仕事。歯車がひとつ狂えば行き場を失う者も出てくる。警察組織の掟は守ってもらわねばならない。二渡は尾坂部を説得すべく調査を始める。まず声をかけたのは連続殺人事件の捜査をしている刑事課長の前島(千葉哲也)。しかし前島は尾坂部が現職を続けることを既に知っていた。直接話をすべく尾坂部邸を訪れるが、尾坂部は関係ないと言い残して立ち去ってしまう。その後も何とかして退任させようと調査を続けるうちに、二渡は尾坂部が未解決事件を追っているのではないかと感じ始める。
一方、県警では別の問題も起こっていた。ひったくり犯の似顔絵を描き事件を早期解決に導いた鑑識課の警官・平野巡査(山下リオ)が無断欠勤しているという。さらにはその翌日、平野が失踪したという連絡が入った。女性警察官担当の七尾(和久井映見)は鑑識課長の森島(西沢仁太)に話を聞くが、同行した二渡は森島の言動に違和感を覚える。
(公式HPより)


では、続きから……(一部、重複アリ)。

二渡真治は警務部警務課の調査官。
警務部は人事権を握っており、中でも二渡は若くして警視になったことから「エース」と呼ばれていた。

そんな中、管轄内で3つの大事件が勃発する。

1つ目、元刑事部長で産廃協会に理事として天下りしていた尾坂部道夫が在任期限が過ぎても退任を拒否したこと。

実は天下りには在任期限が定められている、後任者のポストが失われる為だ。
産廃協会理事の場合、後任には生活安全部長の工藤が決まっており尾坂部が居座る限り工藤の椅子が宙に浮いてしまう。
これは警務部の面子にも関わる重大事だ。

二渡は上司の赤間肇警視正に命じられ事件解決に乗り出した。

2つ目、婦警である平野瑞穂巡査が姿を消してしまったこと。

瑞穂は数日前にひったくり犯の似顔絵を描き事件を早期解決に導いたお手柄婦警と讃えられていた。
その直後に、何故か姿を消してしまったのだ。

こちらは二渡と部下の七尾友子が解決に乗り出す。
瑞穂の上司である鑑識課長の森島光男には特に心当たりはないそうだが……。

3つ目、管内で発生した連続女性暴行殺害事件。

既に2件ほど被害者が出ている事件で、カージャックした後に暴行を働き殺害するとの身勝手極まりない犯行であった。
被害者からは犯人の体液も検出されている。

これは所轄の刑事課長・前島が解決に乗り出した。

まず、二渡は尾坂部への対処を優先する。
尾坂部から話を聞ければ進展するかと思われたが全く相手にされず引き下がることに。

困った二渡は尾坂部の元部下であった前島に手掛かりを求める。
前島は尾坂部の凄さを語りつつ「あの人が犯人は現場に戻らないと教えてくれた」と口にする。
犯人は犯行現場に戻るとされているが、実際は後ろめたさがある為に犯行現場に戻らないのだそうだ。

また、前島は自身が追っている連続女性暴行殺害事件についても言及。
これが尾坂部が手掛けた中でただ1つだけ未解決になってしまった「8年前のOL殺し」と手口が似ていると語る。

「8年前のOL殺し」とは当時、連続発生していた女性暴行犯による殺人事件。
犯人は未だ捕まっておらず、勢い余って殺害してしまい恐れ戦き鳴りを潜めたものと思われていた。
また、当時の犯人は手掛かりも殆ど残さず体液も残していなかった。

その頃、友子は瑞穂を追っていた。
瑞穂が車に乗って消えていたことから、例の連続女性暴行事件との関連を疑う友子だが。

二渡はと言えば、前島から聞いた情報から尾坂部が未解決となった8年前の未解決事件を密かに追っているのではないかと考え、密かに尾坂部の運転手を務める青木に接触する。
青木は白髪が印象的な壮年の男性、元ハイヤーの運転手だそうだ。
その車から尾坂部が記したと見られる地図を発見する二渡、其処には市内全土が細かに記載されていた。
どうやら、尾坂部は青木と共に市内を縦横無尽に巡っているようだ。
だが、青木は白髪をかきつつ「1年前に運転手になったばかりで分からない」と繰り返す。

矢先、二渡は部下・上原勇三から8年前の連続女性暴行事件の被害者の1人が尾坂部の娘・恵であると聞かされる。
恵は数日後に結婚式を控えている身であった。

やはり、尾坂部は8年前の事件を追っている―――そう確信した二渡は尾坂部を説得しようと赴いた。
ところが、尾坂部は青木立ち会いのもとで二渡に事情を説明するように促す。

青木を気に掛けながら8年前の事件について触れた二渡。
すると、尾坂部は「安心しろ、すぐに決着する」と言い出した。
なんと「8年前の事件で毛髪が残されており、犯人逮捕が近い」らしいのだ。
驚く二渡を他所に尾坂部は自信満々である。

同じ頃、前島が追う事件で3人目の被害者が出ていた。
瑞穂の安否を心配する友子は「被害者の共通点として顔が知られていること」を挙げ、「似顔絵でお手柄として新聞に報道された瑞穂も危ない」と繰り返す。

ところが、直後にこの犯人が逮捕されることに。
さらに、瑞穂自身もショッピングモールで保護された。
連続女性暴行殺害事件と瑞穂の失踪は無関係だったのである。

逮捕された犯人を目にした前島は「これは8年前とは違う奴だなぁ」と洩らす。
聞き咎める二渡に前島が理由を明かす。
なんと、尾坂部が語っていた毛髪は白髪だったと言うのだ。
逮捕された犯人は黒髪であった。

その一方で、瑞穂から失踪の理由を聞き出した友子は森島に詰め寄っていた。
なんと、森島は瑞穂に似顔絵の改竄を強要していたのだ。
実は、瑞穂の描いた似顔絵は犯人・遠藤とは程遠いものだった。
ところが、これを見たコンビニオーナーがたまたま悪いイメージを抱いていた遠藤を思い浮かべ、これが実際に犯人だったことから早期解決に繋がったのであった。
だが、森島は勇み足で瑞穂の手柄を吹聴しており、報道されるまでに至った。
其処で遠藤をもとに似顔絵を描き直させたのである。

似顔絵があって犯人が逮捕されたのではない。
犯人が先に逮捕され、似顔絵が作られたのだ。
似ていて当然であった。

「瑞穂を辞めさせろ」と責任転嫁する森島に激怒する友子。
これを伝え聞いた二渡は瑞穂を庇うと共にある行動に出る。

一方、二渡は前島から8年前の事件の毛髪が既に存在しないことを明かされる。
血液型鑑定の為に粉々にされていたのだ。
もちろん、これは尾坂部も知っている。

では、尾坂部は何の為に嘘を吐いたのか?
二渡は青木に聞かせる為だったことに気付く。
そう言えば、青木は白髪だった。
まさか、青木が!?

青木に事情を尋ねるべく訪問した二渡たちだが、青木は既に自殺を遂げていた。
やはり、青木が犯人だったのだ。

目的を遂げた尾坂部は全てを語り出す。
1年前、尾坂部は青木を見かけて疑念を抱いた。
其処で確かめるべく自身の運転手に雇うと8年前の犯行現場を転々とさせた。
すると、悉く現場を避けるではないか!!

尾坂部は「犯人は現場に戻らない」ことを知っている。
其処で青木が犯人だと確信し、無言の圧力をかけた。
そして二渡が迫って来たことを利用し、青木に罠を仕掛けたのだ。
青木は尾坂部の罠に嵌り、自殺したのであった。

恵は無事に結婚式を迎えることとなった。

人事が発表され、森島は更迭された。
上原は刑事官に昇進となった。
目的を果たした尾坂部は退任し、工藤は後任の産廃協会理事となった。

未解決事件ファイルを眺める二渡。
其処には8年前の連続女性暴行事件の名も並んでいる。
だが、二渡は知っている。
その事件が密かに解決したことを。

そして、その下には「ロクヨン事件」が並んでいた。
この事件もまた解決に繋がることとなるのだが、それは映画版の物語である―――エンド。

月曜名作劇場「横山秀夫サスペンス 刑事の勲章 横山秀夫最高傑作「64(ロクヨン)」の原点!書籍未収録の「刑事の勲章」に名作「動機」を加えたストーリー!刑事達が手にする真の勲章とは!?二渡が下す人事とは!?」(4月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)

<感想>

ドラマ原作は横山秀夫先生によるD県警シリーズの短編『陰の季節』と『黒い線』(文藝春秋社刊『陰の季節』収録)。
共に過去にネタバレ書評(レビュー)していますね。

『陰の季節』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『陰の季節』収録)ネタバレ書評(レビュー)

『黒い線』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『陰の季節』収録)ネタバレ書評(レビュー)

瑞穂は『黒い線』の登場人物ですが、後に『顔 FACE』(徳間書店刊)の主人公となっています。

ちなみに『陰の季節』、『黒い線』には同じTBS系「月曜ドラマスペシャル」にて上川隆也さんが二渡役を演じられていたバージョンもあります。
ちなみに、こちらの『陰の季節』では「犯行を見抜かれたと思い込んだ青木が尾坂部を襲って逮捕される」との原作とは異なるラストになっています。

そして今回、二渡を演じられたのは仲村トオルさん。
どうやら、映画版「64」公開を控えて、同じキャストでのリメイク作品となったようです。
映画版「64」でも仲村トオルさんが二渡役です。
また、映画版「64」で活躍する三上役の佐藤浩市さんも少しだけ登場されていました。
映画版「64」は前後篇での公開を予定しており、前篇が2016年5月7日、後篇が2016年6月11日とのこと。
ちなみに「64」は2015年4月にNHKさんにて連続ドラマ化されています。

『64』(横山秀夫著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)

土曜ドラマ「64(ロクヨン)」(NHK系、2015年)まとめ

横山秀夫先生『64』(文藝春秋社刊)が続々実写化!!まずは2015年4月に連続ドラマ化、次いで2016年に映画化とのこと!!

では、ドラマ版の感想を。

今回の物語は次の3つの柱からなっていました。
それぞれ「尾坂部の居座り事件(8年前の事件)」、「連続女性暴行事件」、「瑞穂行方不明事件」。

序盤で「尾坂部の居座り事件」、「連続女性暴行事件」、「瑞穂行方不明事件」について挙げ、それぞれ独立した事件と思わせる。
中盤で「瑞穂も女性暴行事件の被害者」ではないかと思わせて「連続女性暴行事件」と「瑞穂行方不明事件」とを関連させる。
ところが、終盤で「尾坂部こそ女性暴行事件」に関わって来る、すなわち「連続女性暴行事件」と関わっていたのは「尾坂部の居座り事件」の方だったとする。
しかし、最終盤にて3つの事件はどれも無関係であったと判明するとのもの。

これを踏まえて、本作ですが……。

基本原作重視だったのですが、余韻重視の2作品を混ぜた為に台無しになっていた印象。
少なくとも『陰の季節』で尾坂部の口から全部説明させてしまうのはどうなのだろうか……。
他にも、どうにも説明調の台詞が多かったし。
それと、終盤は恵の結婚式がメインみたいになっていたけど、だったらもっと尾坂部と恵の交流を描くべきのような……。

そもそも『陰の季節』は尾坂部の執念が犯人を突き止める『64』的な話なだけに、青木が如何にして追い込まれたかを丁寧に描くべきだろうに、途中で『黒い線』のエピソードが混ざった為にこれが深まっていない。
結果として2作品の継ぎ接ぎダイジェストみたいに感じた。
過去に放送された「月曜ドラマスペシャル」版は此の辺りが上手く出来ていただけに何だかもどかしい。
もしかして「月曜ドラマスペシャル」版を強く意識してしまったのかなぁ……。

それと、基本原作重視な割には「二渡自身が工藤に交渉」しちゃったり「尾坂部が車を所持」していたりと細かいながらもポイントになりそうな点が無視されていたのも引っかかるかなぁ。

そう言えば、劇中で尾坂部が妻・かや子相手に庭で恵の件について触れていたのが気になった。
誰に聞かれるともしれない庭で娘に関わる秘密を話すのはどうかなぁ……。
現に二渡に立ち聞きされているし。
それだけならまだしも、その前に二渡が上原相手に「恵さんの秘密を軽々しく扱うな!!」と激怒していたシーンがあっただけに「えっと、残念ながら当の尾坂部家では割とオープンに語られているようです」としか……。

それと、原作に無かったアレンジ部分として登場人物の推測パートがあったけどあれもストレスだったなぁ。
だって、前島の「8年前と現在の事件の犯人が同一犯かも」とか友子の「被害者の共通点から瑞穂も狙われるかも」も共に的中していないのだもの、明らかなミスリードでしかない。
物語の流れで視聴者にミスリードさせるならともかく、登場人物の推測を用いてミスリードさせるのは好ましくないだろう。

前島は「似ている」としていたけど8年前の青木の事件と現在の事件には共通点なんて無いよなぁ……。
そもそも、青木の事件は強殺は最後の1件のみだし、体液も残していないしで手口に共通点が全く無い。
流石に無理がある気がする。
現在の事件がカージャックである必然性も薄いよなぁ。
あれは瑞穂も被害者かも……と繋げる為の物でしかない。

敢えて前島や友子の言を活かすならば、逆にもっと密接に8年前と現在の事件を関連付けるべきじゃないかなぁ。
例えば、物語の構造自体は本作と同じだが、結果として「8年前の事件の犯人である青木が現在の事件も犯人」とかどうだろう。

現在の事件はカージャックされていた。
尾坂部により精神的に追い詰められた青木が、その抑圧から再犯に走った。
だからこそ、青木は自身が車で受けた圧迫を返す為にカージャックを繰り返した……とのストーリー。
どうだろ、3つの事件をバラバラなものにするなら、これくらい大胆なアレンジもアリだと思うけどなぁ。

もちろん、これよりは原作に沿って『陰の季節』だけをじっくり描いてくれた方が嬉しいけど。
原作にはそれだけのポテンシャルがあるように思う。
少なくとも、もっと個別の事件を深く描く必要があったのではないか。

さて、いろいろ言ってしまいましたが、原作通り尾坂部が青木相手に仕掛けた「傍聞き」のシーンは盛り上がりました。
そして、潤んだ瞳で夕日を見守る尾坂部も良かった。
あれ、振り返ると印象的なシーンは全て伊武雅刀さん演ずる尾坂部が関わっていたりするなぁ。
やっぱり、尾坂部メインで『陰の季節』だけでドラマ化で良かった気がする。

次週(4月25日)の「月曜名作劇場」は同じく横山秀夫先生の短編『刑事の勲章』と『動機』がドラマ化。
『刑事の勲章』は「D県警シリーズ」、『動機』は「ノンシリーズ」ですね。
今回の上原の異動後の姿が描かれるようで楽しみです。

『動機』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『動機』収録)ネタバレ書評(レビュー)

<キャスト>

二渡真治:仲村トオル
七尾友子:和久井映見
上原勇三:長谷川朝晴
平野瑞穂:山下リオ
前島泰雄:千葉哲也
森島光男:西沢仁太
青木源一郎:浅見小四郎
尾坂部かや子:根岸季衣
赤間 肇:滝藤賢一
尾坂部道夫:伊武雅刀 ほか
(公式HPより、順不同、敬称略)


◆関連過去記事
【横山秀夫先生著作記事】
『陰の季節』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『陰の季節』収録)ネタバレ書評(レビュー)

『黒い線』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『陰の季節』収録)ネタバレ書評(レビュー)

『動機』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『動機』収録)ネタバレ書評(レビュー)

『64』(横山秀夫著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【ドラマ関連】
月曜名作劇場「横山秀夫サスペンス 刑事の勲章 横山秀夫最高傑作「64(ロクヨン)」の原点!書籍未収録の「刑事の勲章」に名作「動機」を加えたストーリー!刑事達が手にする真の勲章とは!?二渡が下す人事とは!?」(4月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ドラマ「64(ロクヨン)」(NHK系、2015年)まとめ

水曜ミステリー9「横山秀夫特別企画 永遠の時効 謎の数列29、41、51は無意識の自白調書!2つの完全犯罪とオンナの嘘を暴く逆転の取り調べ!」(6月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)

日曜洋画劇場「特別企画 臨場 劇場版 話題作!!テレビ初放送 大ヒットドラマ遂に映画化!!型破り検視官倉石が挑む最大の事件」(6月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【その他】
横山秀夫先生、前橋でのトークショーにて小説観を語る!!

横山秀夫先生7年ぶりの新作『64』、文藝春秋社より2012年10月27日発売決定!!

【速報】横山秀夫先生『臨場』が映画化決定!!キャストはドラマ版と同じ!!

「横山秀夫サスペンス」DVD-BOX、2010年10月27日発売!!

横山秀夫先生『64』(文藝春秋社刊)が続々実写化!!まずは2015年4月に連続ドラマ化、次いで2016年に映画化とのこと!!

「横山秀夫サスペンス「陰の季節」「刑事の勲章」 [DVD]」です!!
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動機 D県警シリーズ



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顔 FACE



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