2016年03月14日

「松本清張二夜連続ドラマスペシャル 第二夜 黒い樹海 唯一の肉親である姉を事故で亡くした新聞記者・祥子。その事故に隠された姉の嘘と秘密とは…。松本清張の傑作が再び甦る!!」(3月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「松本清張二夜連続ドラマスペシャル 第二夜 黒い樹海 唯一の肉親である姉を事故で亡くした新聞記者・祥子。その事故に隠された姉の嘘と秘密とは…。松本清張の傑作が再び甦る!!」(3月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

両親を早くに亡くした笠原祥子(北川景子)は、たったひとりの姉・信子(小池栄子)と都内のマンションで2人暮らし。仕事を探しながら、新聞社に勤務する信子を信頼し、寄り添うように生きてきた。その日も東北旅行に出発する信子と別れ、祥子は何社目かの面接に出かけた。それはいつもと変わらぬ、仲のよい姉妹の光景のはずだった。

ところがその夜、信子が事故で亡くなったという知らせが入る。しかも、どういうわけか、祥子に告げていた旅先とは異なる場所で、命を落としてしまったのだ…!

悲しみにくれる祥子の前に現れたのは、信子の同僚記者・吉井亮一(向井理)。何を考えているのか、信子の死の謎について祥子と共に調査に乗り出す吉井。その一方で、祥子は姉の後釜として新聞社の文化部で働きだし、生前、姉が担当していた文化人たちに会いに行く。彼らは皆、華やかな表の顔からは想像もつかないほどクセのある人物で、中でも小児科医・西脇満太郎(沢村一樹)はセレブ界きっての遊び人らしく、何度も祥子に誘いをかけてくる始末だった。

ところが直後、姉の同僚だった町田知枝(酒井若菜)が自殺! 知枝は信子の死について「責任をとるべき人がいる」「有名人ならなおさらよ」と謎めいた言葉を祥子に残していた。姉の死に、信子が生前つき合っていた著名人の誰かが関わっていることを直感した祥子。だが、真相を知ろうとすればするほど、渦中の人物が次々と殺害されていく事態が発生! 祥子は図らずも “黒い樹海”のような深い闇に吸い込まれていく…!
(公式HPより)


では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……

笠原祥子は両親を早くに亡くし、姉・信子と2人でマンション暮らしを送っている。
祥子は求職中、信子は新聞社に勤務していた。

その日、信子は「目的地は東北」と言い残して旅行に出かけた。
ところが、信子は全く別の場所でバス事故により死亡してしまったのだ。

この報を聞いた祥子は大きな衝撃を受けた。
姉が嘘を吐いたことが信じられなかったのだ。

さらに、危く信子の身許が分からず仕舞いに終わりかけていたことも祥子を驚かせた。
聞けば、事故現場付近の食堂に勤務する斎藤常子が信子のハンドバッグを届けたことで辛うじて特定出来たのだそうだ。
当の常子は事故直後に食堂を辞めていた。

何故、信子は嘘を吐かなければならなかったのか!?
疑惑を抱いた祥子は信子の後任として新聞社に就職し、同僚記者・吉井亮一と調査に乗り出した。

矢先、祥子はこれまた信子の同僚記者である町田知枝から「信子の死に責任を取るべき有名人が居る」と教えられる。
どうやら、知枝が知るある人物が信子の死に関与しているようだ。

信子が担当していた有名人は次の5人だ。

佐敷泊雲は華道の家元。神経質で世話好き。
西脇満太郎は高名な小児科医師。妻帯者だが女たらしでも知られている。
妹尾郁夫は経済評論家。近く財閥令嬢との挙式を控えている。
倉野むら子はデザイナー。押しが強い性格だ。
鶴巻完造は画家。好色で知られ行く先々で騒動を起こして居る。

祥子は知枝の言葉からこの5人の中に真実を知る者が居ると考えるが……。
「ラファエル」と謎の言葉を残し、知枝が不審な死を遂げてしまう。
知枝の死は自殺として処理されてしまった。

手掛かりを失ってしまった祥子。
一方、西脇は祥子に興味を持ったのか頻繁に「会いたい」と連絡を入れて来るように。
妹尾から西脇の素行の悪さを言い含められていた祥子はこれを断り続けた。

其処に吉井が常子の居所を見つけたと連絡を入れて来た。
常子は食堂を辞めて実家に戻っていたのだ。
常子を訪ねた祥子は彼女にハンドバッグを届けるように依頼した男性が居ることを知った。
やはり、祥子の死には秘密が隠されていたのだ。

矢先、吉井がある仮説を立てる。
信子は誰かと不倫旅行に出ていたのではないか。
だからこそ、祥子に行く先を偽ったのではないか。
そして、不倫相手とバスに乗っていたところで事故に遭ったのではないか―――。

その翌日、常子が上京して来ることになった。
怪しいと思われる面々の首実検が出来ると喜ぶ祥子は吉井やマンションの管理人にその旨を告げて回る。
ところが、常子が何者かに殺されてしまった。

祥子は吉井に相談。
すると、吉井はマンションの管理人が誰かに買収され情報を教えたのではないかと疑う。

こうして、買収した相手を確かめるべく「常子の実家から信子の手帳が見つかった」と偽の情報を流すことに。
ところが、今度は当のマンション管理人が殺害されてしまった。

此処で祥子は吉井に疑惑を抱き距離を置き始める。
直後、西脇が信子について話したいことがあると連絡を取って来た。
これまでは断り続けて来た祥子だが、その真剣な声に心を動かされる。

西脇に連れられてやって来たのは「ラファエル」という名の会員制のバーであった。
知枝の謎の言葉が店名であったことを知った祥子。
そんな祥子に西脇は全ての真相を語り出す。

同じ頃、吉井は祥子を心配し「ラファエル」の前で立っていた。
そんな吉井の前で妹尾が何やら店員と揉めていた。
妹尾によれば祥子が危険なのだそうだが……。

その頃、店内では西脇が信子と不倫関係にあったことを祥子に語って聞かせていた。
あの日、信子と同行していたのは西脇だったのだ。
西脇は本気で信子を愛していたと言う。
ハンドバッグを常子に託したのも西脇であった。

これを聞いていた祥子はそっと席を立つと吉井に連絡を入れる。
あることを調べて貰う為だ。
祥子の依頼を受けた吉井は妹尾と離れて店員に質問を重ねる……。

数分後、祥子は吉井と妹尾を店内に招き入れた。
祥子は吉井から先程の依頼の結果を確認するや、妹尾を告発する。

そう、知枝、常子、マンション管理人の3人を殺害したのは妹尾だったのだ。
妹尾は財閥令嬢と婚約しながら知枝と交際していたのである。

バス事故の当日、西脇と信子が乗るソレに妹尾と知枝も乗り合わせたのだ。
其処で事故が起こった。

瀕死の信子を助けようとする西脇であったが、それを妹尾が止めた。
西脇と信子の不倫が明らかになってしまうと脅したのだ。
もちろん、妹尾は西脇たちの関係が露見することで芋づる式に自身と知枝の交際が婚約者にバレることを怖れたのである。

だが、西脇はこれに応じてしまった。
こうして、信子は孤独に事故死を遂げたのである。

その後、知枝はこれを利用し妹尾に結婚を迫った。
応じてくれなければ全てを暴露すると迫ったのだ。
進退窮した妹尾は知枝を殺害したのである。

一方で、妹尾はマンション管理人を買収し祥子の動向を監視していた。
其処で常子の上京を知り、これを口封じに殺害したのであった。

さらに、マンション管理人が妹尾を脅迫し始めた。
其処でこれも口封じに殺害したのであった。

西脇が祥子を「ラファエル」に連れ出したのは妹尾から守る為であった。
西脇によれば妹尾の犯行は既に警察に届けられているらしい。
駆け付けた警察により妹尾は逮捕された。

残された西脇に祥子は「どうしてハンドバッグを常子に託したのか」と問う。
西脇は信子が人知れず葬られることを怖れた。
あの日、西脇はバスの中で信子と結婚の約束をしたのだそうだ。
それだけ愛した相手だったのだ。

数日後、西脇は離婚し小児科医も辞職した。

吉井は祥子に信子との間柄について語り出す。
信子は社会部志望であり、吉井に夢を語っていたのだ。
吉井はそんな信子を格好良いと認めていたのだそうだ。

新たな信子の一面を知った祥子なのであった―――エンド。

<感想>

原作は松本清張先生の長編『黒い樹海』(講談社刊)。
過去にネタバレ書評(レビュー)してますね。

『黒い樹海』(松本清張著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

では、ドラマの感想を。

全体的に比較的オーソドックスなサスペンスとなっていたように思います。
怒涛の終盤は祥子よりも信子が主人公のような描写でしたね。
また、ドラマ版は大幅に現代風のアレンジが行われていました。
とはいえ、本作に関しては成功だったのではないでしょうか。

何と言っても驚いたのは西脇が逮捕されないこと。
全て妹尾の単独犯となっていましたね。
妹尾としては西脇と信子の関係が露見することで自身と知枝の関係も露見し、知枝殺害が知られることを怖れての犯行と言えるでしょうか。

これにより、妹尾と西脇が切り離されたことでドラマ版は西脇と信子の純愛物語になっていました。
原作だと西脇は本気で祥子にも手を出そうとするからなぁ……。

このアレンジにより、祥子の知らない信子が強調されていたように思います。
祥子の知らない姉・信子。
それは信子が1人の大人として独立した人格を持っていたことを示します。
また、その人生が決して祥子の犠牲になったワケではなかった。
ドラマ版はそんな信子の人生を祥子に確認させる物語とも言えるでしょう。

原作だと冒険を潜り抜けた祥子と吉井の恋の行方が強調されがちだっただけに良かったように思います。
もちろん、ソレはソレでアリなんだけどね。
原作は「虎が死して皮を遺すように、信子はその死を以て吉井に祥子を引き合わせた。信子は西脇と果たせなかった愛の成就を祥子と吉井に託した」的な物語かな。
こう考えるとドラマ版と原作はかなり方向性が異なっているように思えます。

ただ、1つだけドラマ版で気になったことが……顧客情報をあっさりと教えてしまう「ラファエル」の店員はもう少しプライバシー保護について考えた方が良いと思うんだ。
完全会員制の割には会員のプライバシーがザルなんだものなぁ……。

そう言えば、他にも松本清張先生原作ドラマの情報が!!

まず、テレビ東京系では『喪失の儀礼』のドラマ版が2016年3月30日に放送予定。
さらに、フジテレビ系でも『かげろう絵図』が2016年4月8日に放送予定。
どちらも注目すべし!!

松本清張先生『喪失の儀礼』(新潮社刊)がテレビ東京系にてドラマ化とのこと!!

松本清張先生『かげろう絵図』がフジテレビ系「金曜プレミアム」にて2016年4月8日に放送予定とのこと!!

<キャスト>

笠原祥子(かさはら・さちこ) ……… 北川景子両親を早くに亡くし、信頼する姉と都内で2人暮らし。就職が決まらず、何社も面接を受けていたが、姉の死後、姉が勤務していた新聞社で契約社員として働きはじめる。姉の死に不審を抱き、その真相を探りはじめたとたん、黒い闇に巻き込まれて…!?

吉井亮一:向井 理
祥子の姉・信子が勤務していた新聞社の文化部記者。姉の死を悲しむ祥子の前に突然現れ、共に真相を探りはじめるが、その真意はどこにあるのかわからない。無愛想で思ったことをはっきりと口にし、時に祥子の反感を買う。敵か味方かわからない男。

笠原信子:小池栄子
祥子の姉。新聞社の文化部記者。控えめで真面目な性格。休暇で十和田湖へ旅行に行くと出かけたが、なぜか長野で命を落としてしまう。

妹尾郁夫:鈴木浩介
経済評論家。西脇らセレブたちの狂騒ぶりに嫌悪感を抱いているらしく、「西脇は女癖が悪いから近づくな」と祥子に忠告してくれる。財閥の令嬢と婚約したばかり。

町田知枝:酒井若菜
信子が勤めていた新聞社の文化部記者。信子の元同僚で、祥子にとっては先輩。信子の死について祥子に謎めいた言葉を残す。

斎藤常子:江口のりこ
信子が亡くなった事故現場近くの食堂に勤務していた女性。信子のハンドバッグを拾い、警察に届けた人物。なぜか事故の直後に店を辞め、姿を消していた…。

小川カズ:室井 滋
祥子が姉・信子と暮らしていたマンションの管理人。姉妹のことを気にかけ、おせっかいなほどに行動をチェックする。

倉野むら子:山本未來
デザイナー。著名人の中でも特にプライドが高く、他人を見下したような態度を取る。担当だった信子に自身がデザインした服を売りつけようとして断られ、憤慨していた。

鶴巻完造:六平直政
信子が生前、担当していた画家。“女はすべて娼婦たれ”という芸術テーマを持ち、新たに担当となった祥子に対しても好色な目を向ける。

安原國政:尾美としのり
刑事。特に疑問も感じぬまま、信子が亡くなった事故の詳細と身元確認の経緯を、遺族である祥子に説明。だが、それが祥子の“姉の死に対する疑念”を増幅させ…。

佐敷泊雲:古田新太
多くの弟子を抱える華道家元。遅筆のため、担当の信子から催促を受けることも多かったらしい。神経質で世話好きと思われがちだが、実は自分にしか興味がない。

西脇亜佐美:麻生祐未
西脇の妻。夫が祥子のような若い女性と浮気をしないか、常に心配している。

西脇満太郎:沢村一樹
小児科医。新聞に連載コラムを執筆しており、信子が担当だった。著作を出版するなど多方面で活躍しているが、妻がありながら若い女性たちと遊ぶ悪いクセも…!? ほか
(公式HPより、順不同、敬称略)


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「月曜ゴールデン特別企画 松本清張サスペンス 影の地帯 大学教授失踪!?森に消える白い家・幻の黒髪の美女は敵か味方か…湖に捨てられた木箱の謎?蛍の里山に渦巻く悲しき欲と業」(7月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「松本清張特別企画 共犯者 夫を殺して!報酬は5000万円…整形手術で成功を手にした女社長が堕ちた罠!!福岡から東京へ…封印した過去から迫る謎の脅迫者!傑作清張サスペンス」(9月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「松本清張二夜連続ドラマスペシャル 第一夜 地方紙を買う女〜作家・杉本隆治の推理 金沢の地方紙で連載している推理小説を、東京の女性から購読したいという依頼があったことを聞き、疑念を抱くことから始まる傑作ミステリー!」(3月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【その他】
・『眼の壁』から出題がありました。
「ミステリーキューブ 名作ミステリーを凝縮▽華麗なトリックを見破り密室から脱出せよ!▽松本清張が仕掛けたわなに挑戦だ」(8月20日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【特報】松本清張先生、未収録短編発見さる!!その名も『女に憑かれた男』!!

【2015年】松本清張先生『女に憑かれた男』に続く未収録短編作品見つかる!!その名は『渓流』とのこと!!

「黒い樹海 (講談社文庫)」です!!
黒い樹海 (講談社文庫)



キンドル版「黒い樹海 (講談社文庫)」です!!
黒い樹海 (講談社文庫)



2016年03月13日

「松本清張二夜連続ドラマスペシャル 第一夜 地方紙を買う女〜作家・杉本隆治の推理 金沢の地方紙で連載している推理小説を、東京の女性から購読したいという依頼があったことを聞き、疑念を抱くことから始まる傑作ミステリー!」(3月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「松本清張二夜連続ドラマスペシャル 第一夜 地方紙を買う女〜作家・杉本隆治の推理 金沢の地方紙で連載している推理小説を、東京の女性から購読したいという依頼があったことを聞き、疑念を抱くことから始まる傑作ミステリー!」(3月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

小説家の杉本(田村正和)は、地方紙・金沢日々新聞の連載が決まり、東京から金沢へ移住。自らの作家生命を賭け、連載小説「遠い記憶」の執筆に専念している。作品の評判は上々、同紙文化部長の服部(佐野史郎)から連載の延長を依頼される。

そんな折り、東京に住む芳子(広末涼子)という女性から「『遠い記憶』を読みたいので購読したい」という手紙が新聞社に舞い込んだことを聞かされる。芳子はどこで自分の小説を読んだのか、そしてなぜ途中から読みたいというのか?杉本はささやかな疑問を抱くが、アシスタントのふじ子(水川あさみ)は手紙は服部の捏造ではないかという。杉本が候補になっている文芸賞の落選が決まり、執筆意欲を失わせないように、と。
居ても立ってもいられなくなったふじ子は一人上京。芳子の存在を確認すると一旦は安心する。しかし、身分を偽り接近した芳子から何がしかの思惑を感じ取り、疑惑を払拭することはできなかった。

数日後、芳子から「遠い記憶」がつまらなくなったから、と購読を断る手紙が送られてきた。小説は最近になって面白くなってきたはず。杉本には自信があったし、小説家仲間の東山(橋爪功)もそれを認め「失礼な」と鼻白む。杉本は芳子の一連の行動に一つの決断を下した。
「この読者は、私の小説が読みたくて、新聞を購読したのではない」と。

ならば、なにが目的で金沢日々新聞を購読したのか。杉本とふじ子は、芳子が購読を希望した日付の新聞から詳細に読み返し、東京と北陸を結ぶある心中事件の記事を見つける。それは東京のデパート警備員・庄田(駿河太郎)と愛人でデパート店員の梅子(須藤理彩)の遺体が関野鼻で発見された、というものだった。
芳子が読みたかった記事は、この心中事件に違いない。確信した杉本は、銀座の高級クラブで働く芳子を訪ねる。杉本が「遠い記憶」の著者とわかり、素直にわびる芳子。夫の潮田(北村有起哉)は代議士の秘書のため、羽咋に単身赴任。自分は東京で、今は亡き姑の介護に追われていたという。その夫も秘書を辞め、15年ぶりに東京で一緒に暮らせるようになる。幸せになれますね、という杉本の言葉に、なぜか芳子は複雑な表情を見せる。
初対面の男女の何気ないやりとりだったが、杉本は帰り際そっと1枚の写真を置いて店を出る。確認した芳子を震撼させたその写真、そこに写っていたものとは?

金沢へ帰った杉本は、ふじ子とともに心中事件、潮田の周辺などを調べ始める。庄田と梅子は本当に心中だったのか?他殺だとすれば、芳子がどう関わったのか?すべては真実が知りたいため…。小説家の業に突き動かされた杉本の前で明らかになる真実とは!?
(公式HPより)


では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……

杉本隆治は小説家である。
彼は地方紙・金沢日々新聞に『遠い記憶』の連載を始めた。
作品の評判は上々で文化部長の服部からも傑作になると太鼓判を押されるほどであった。

矢先、東京に住む潮田芳子から「『遠い記憶』を読みたいので購読したい」との依頼が金沢日々新聞に届いた。

この報を伝え聞いた杉本は嬉しい反面で素直に喜べないことに気付いた。
『遠い記憶』は地方紙の連載である、芳子は何処で『遠い記憶』について知ったのか?
さらに何故、最初からではなく途中から読みたいと言い出したのか?

これを聞いた杉本のアシスタントのふじ子は「手紙が杉本の意欲を保つ為の服部の捏造ではないか」と言い出した。
こうして、ふじ子は真偽を確認する為に上京。
すると、芳子が実在しクラブ勤めのホステスをしていることを知ることに。

ふじ子がスマホで撮影した芳子について動画で目にした杉本は美しい中にも儚さを秘める彼女の姿に強い興味を抱くが。

その数日後、当の芳子から「つまらなくなったので購読を止めたい」と契約解除の連絡が届いた。
最近の展開に自信を抱いていた杉本はこれに不快感と共に強い疑惑を抱いた。
同時に、芳子が新聞契約をした理由が『遠い記憶』になく『金沢日々新聞』自体にあったのではないかと考えるように。

杉本とふじ子は芳子の購読期間を確認。
10月4日から10月14日のわずか10日間であることを知ると、なおさら疑惑を深めた。
さらに、購読を取り止めた10月14日の新聞を調べるとある記事を発見する。
それは東京のデパート警備員・庄田咲次とその愛人でデパート店員の福田梅子の心中事件だ。
2人の遺体は関野鼻で発見されており、死因は青酸カリによる服毒死であった。

その死亡推定日時を目にした杉本は「これこそ芳子が目的とした記事だ」と断定する。
芳子が購読を申し込んだ1日前、つまり10月3日だったからである。
芳子は庄田たちの心中事件を発覚前から知っており、報道される日を待っていたことになる。

杉本はクラブに芳子を訪ね、自身が『遠い記憶』の作者であると明かす。
最初は驚いた様子を見せる芳子だが、何か惹かれるところがあったのか杉本に自身の境遇を語り出した。

芳子の夫は代議士秘書の潮田であり、羽咋に単身赴任中だそうだ。
東京に残された芳子は数年前まで亡き姑の介護に追われていたらしい。
ところが、先日になって潮田が秘書を辞め東京に戻って来るようになった。
実に15年ぶりのことだと言う。

杉本が店を去り、芳子は杉本の席にある封筒を見つける。
中身は1枚の写真である。
其処には潮田が仕える代議士・本間精次郎の街頭演説の様子が写されていた。

杉本が既に自身の身辺調査を行っていたことを知った芳子は警戒心を抱く。

芳子と接触し彼女に影を感じた杉本は心中事件について調べ始めた。
すると、庄田の家に芳子が出入りしていたことが判明する。
しかも、梅子が芳子を脅迫していたことも明らかに。
つまり、芳子には庄田と梅子と接点があり殺害する動機もあるのだ。
杉本は芳子が庄田と梅子を誘い出し毒殺したと結論付けた。

そんな杉本の動きを察した芳子は大胆にも杉本を訪ねて来る。
芳子は此処でも自身の過去を語り出す。
何でも長年に渡り姑の介護を行っていた際、妊娠したのだが潮田に堕胎を迫られてしまったのだそうだ。

一方、杉本が芳子に疑念を抱いていると知った服部は『金沢日々新聞』で大々的に疑惑を取り上げた。
いよいよ追い込まれた芳子は潮田と離婚してしまう。

これを「芳子が夫を巻き込まない為の配慮」と見た杉本は対決の日が近いことに気付く。

それはすぐにやって来た。
芳子から「11月7日にふじ子さんも連れて出かけましょう」と招待状が届いたのだ。

受けて立つことにした杉本とふじ子。
11月7日を迎え、芳子を加えた3人は海岸へ。
其処で芳子は杉本たちに太巻き寿司とお茶を振る舞う。

1人で食べ始める芳子。
だが、杉本は「毒が混入されている」と食べようとしない。
そうこうしている間に、芳子が全てを食べ終えてしまった。
さらに芳子は「疑うなんて酷い」と叫ぶや走って帰ってしまう。

本当に毒は入っていなかったのか?
しかし、杉本は芳子の鞄から香水入れを抜き出していた。
その中身こそ青酸カリであった。
芳子は隙を見て中身を用いるつもりだったのだ。

杉本殺害に失敗した芳子は潮田のもとへ。
だが、潮田は「離婚しておいて今更」と取り合おうとしない。

其処に杉本が現れる。
杉本は芳子に代わり事件の真相を語り出した。

3年前、芳子は妊娠したものの姑の介護と夫の無理解により堕胎し二度と妊娠出来ない身体になってしまった。
潮田はこの事実を知らなかった。

悲しみに暮れる芳子だが、ある日にデパートを訪れたところ万引き疑惑をかけられてしまう。
この相手こそ、庄田と梅子であった。
2人は共謀し芳子を罠に嵌めたのだ。

潮田に影響することを怖れた芳子は庄田たちの要求を呑み続けた。
それは肉体関係にまで及んだ。

そんな中、潮田が秘書の職を辞し芳子のもとに戻ると言い出した。
潮田が戻って来るのは嬉しい―――だが、既に遅かった。
芳子の傍らには庄田が居たのだ。

芳子は潮田を迎え入れる為に庄田殺害を目論んだ。
其処で庄田と梅子を温泉旅行に誘い毒殺したのであった。

その後、『遠い記憶』を口実に『金沢日々新聞』を取り寄せて事件がどう処理されるか見守った。
そして10月14日、心中事件として処理されたことを知り購読を取り止めたのだが……これが仇になったのだ。

全てを聞いていた潮田だが、芳子に背を向け去ってしまう。
残された芳子は死を選ぼうとするが、杉本に説得され出頭することに。

「どうして2人を殺したの?」
「幸せになりたかった……」
それが出頭した芳子の言葉であった。

そして、杉本はと言えば芳子について集めたデータを全て消去した。
もちろん、杉本には芳子を題材にした小説も書く気は無かった―――エンド。

<感想>

原作は松本清張先生の短編『地方紙を買う女』(新潮社刊『張込み』収録)。
原作『地方紙を買う女』については過去にネタバレ書評(レビュー)してますね。

『地方紙を買う女』(松本清張著、新潮社刊『張込み』収録)ネタバレ書評(レビュー)

では、ドラマの感想を。

ドラマ版は「芳子が潮田を介して家族を求めつつも、当の潮田により家族を奪われてしまう」との皮肉が描かれていました。
芳子は家族(子供)を欲したが潮田に堕胎を迫られ二度と子供を産めない身体になってしまった。
また、当の潮田は15年の長きに渡り単身赴任を続け芳子を顧みなかった。
そして、最後に芳子に背中を向けて去ってしまった。
芳子は唯一の夫・潮田を失ってしまったワケです。

これを作家であり、事件の傍観者であり、事後の当事者の1人でもあった杉本の視点で描いたものか。

此処までを踏まえた上で。
基本、管理人は原作を尊重した作品が好きです。
その上でアレンジを加えるならば、良アレンジにより原作を超えて欲しいと思って止みません。

そんな中、本作はアレンジ部分を最小限に抑えつつ原作を尊重していた印象。
アレンジ部分は次の通り。

・舞台を現代に変更(スマホなどが存在)。
・編集者が杉本のアシスタントに設定変更。
・芳子の夫である潮田が代議士秘書になっている。
・芳子が姑の介護を行い、不妊に悩む設定に。
・終盤の毒の仕込み先が異なる。
・芳子がラストでも生存している。
・原作だと終盤に杉本殺害を決意するまでは受け身だったのが、ドラマ版は自ら杉本に接触している。

ドラマ化に際して舞台を現代に置き換えることは良くあるし、大筋自体はラスト以外はほぼ原作通り。
なので、アレンジ部分はラストを除けば比較的抑え目だと思います。

ただ、その肝心のアレンジ部分が原作部分に悪さをしている印象。
どちらかと言えば、アレンジ部分と原作部分とが乖離しているように思う。

此処からは管理人独自の解釈による『地方紙を買う女』が語られています。
あくまで個人的な感想に過ぎません。
気分を害される恐れがあるので注意!!


原作『地方紙を買う女』のテーマを個人的には「理不尽」と「それに如何に抗するか」だと理解しています。
芳子を襲った「覚えのない万引き犯として脅迫される理不尽」、芳子はこれに抗して庄田たちを殺害した。
しかし、今度は杉本が「自信作を不当に貶められるとの理不尽」に巻き込まれ、それを晴らすべく芳子の罪を暴いた。
共に「理不尽」の被害者である2人が相争い、結果として片方が勝者となったワケです。
これもまた1つの「理不尽」なのでしょう。

ドラマ版でも、この「理不尽」の構図は変わりません。
さらに、ドラマ版では芳子に「介護から派生した不妊問題」をも背負わせています。
なるほど「理不尽」の連鎖は変わらないように見える。
ただ、此の時点では芳子は何らこれに抗していない。
流されているだけだ。

そして、納得出来ないのが「不妊問題はあったけど万引きは庄田と梅子の罠」の点。
折角、「介護問題」と「不妊問題」が描かれていたにも関わらず、それと庄田たちは別の「理不尽」となっているのだ。
これがしっくり来ない。

これならば「不妊問題により精神的に弱っていた芳子が万引き行為に走り庄田と梅子に目撃され脅迫」の流れがスムーズなのではないか。
つまり、「介護問題により不妊問題が生じ、不妊問題により庄田と梅子に付け入られる隙が生じた」との流れである。

其処で最終的に「介護問題」「不妊問題」を受けた「庄田たちが象徴する全ての理不尽」に抗した方が芳子らしい。
どうせなら、此処までアレンジしても分かり易かった気がする。

それと、潮田を代議士秘書に改変したのなら芳子のホステス設定も改変して良い気はする。
寧ろ、改変した方がよりドラマ版の求める「家族愛」に飢えていた女性との描写に反映出来ていたのではなかろうか。

改変しないのならば、いっそ舞台を原作に忠実に当時で描いた方が良かったかもしれない。
そもそも、芳子が地方紙を購入した理由がネットが普及した現代では通用しないものとなっているし。
現在ならば、ネットを調べればある程度のことは掴めるし。
また、東京なら国立国会図書館もあるだろうし。

重箱の隅をつつくようだが、些か思っていたものと異なる作品だったように感じた。

さて、明日は二夜連続の二夜目となる『黒い樹海』が放送。
他にも松本清張先生原作ドラマの情報が!!

まず、テレビ東京系では『喪失の儀礼』のドラマ版が2016年3月30日に放送予定。
さらに、フジテレビ系でも『かげろう絵図』が2016年4月8日に放送予定。
どちらも注目すべし!!

『黒い樹海』(松本清張著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

松本清張先生『喪失の儀礼』(新潮社刊)がテレビ東京系にてドラマ化とのこと!!

松本清張先生『かげろう絵図』がフジテレビ系「金曜プレミアム」にて2016年4月8日に放送予定とのこと!!

<キャスト>

杉本隆治:田村正和
小説家。地方紙の金沢日々新聞での連載が決まり、東京から金沢市へ移住。自らの作家生命を賭けた推理小説「遠い記憶」を連載している。同新聞社主催の文芸賞の候補にもなっている。亡き妻・繁子からプレゼントされた万年筆を愛用。芳子という女性から「遠い記憶」を読みたいので新聞を購読したい、という依頼があったことを聞き、疑念を抱く。

潮田芳子:広末涼子
代議士秘書・潮田の妻。幸せな家庭を作りたい、との願いを叶えるために結婚。専業主婦として姑の介護もこなす。代議士の都合で夫は石川県羽咋に単身赴任中。その羽咋で夫の仕事ぶりを見届けたあと、立寄った食堂で金沢日々新聞を読み、「遠い記憶」を東京でも読みたいから、と購読を申し込む。

田坂ふじ子:水川あさみ
小説家・杉本のアシスタント。手書き原稿をパソコンで入力するなど、杉本のサポートに余念がない。婚活中でおっちょこちょいな性格を杉本にたしなめられることも。杉本の「遠い記憶」が読みたいという芳子に疑問を抱き、東京の芳子の自宅まで確認に行くなど、小説家として尊敬する杉本のためには労を惜しまない行動的な女性。

潮田早雄:北村有起哉
芳子の夫。本間代議士の秘書として、芳子とは離れ、本間の地元である石川県羽咋市で働いている。流産を経験している芳子との間に子供を作りたい、と思っており、本間の入閣を機に秘書を辞め、東京へ帰る決意を固める。

広田:片瀬那奈
金沢日々新聞社会部記者。庄田と梅子の心中事件について、自らの取材結果を杉本に説明。2人の心中には不自然な点があると疑惑を抱いている。

庄田咲次:駿河太郎
東京のデパート警備員。能登の関野鼻で愛人の梅子とともに遺体で発見される。妻子がおり、不倫関係を精算するために梅子と青酸カリによる死を選んだとみなされる。が、その心中現場には不自然な点も。

小島警部補:木下ほうか
石川県警捜査一課の警部補。庄田と梅子の心中事件を担当。事件に不自然な点があることを認めながらも、決定的な証拠を見出せない。あくまでも心中を他殺と疑う杉本をたしなめようとする。

福田梅子:須藤理彩
庄田が務める東京のデパート店員。庄田とは愛人関係にあったが、能登の関野鼻で庄田とともに遺体となって発見される。

庄田恵:西田尚美
東京のデパート警備員・庄田の妻。愛人と心中した夫に腹をたて、夫の遺骨箱を押し入れにしまいっぱなしに。しかし、庄田の死に疑問を持ち、訪ねてきた杉本の前では2人の子供とともに遺骨を前に手を合わせると涙を流す。

由紀子:遊井亮子
芳子が最初に働いた西銀座のバー「エンゼル」のママ。

潮田久子:佐々木すみ江
芳子の夫・潮田早雄の実母。身体を悪くし、死ぬまで嫁の芳子の介護を受けていた。芳子の流産の原因が介護のためと考え、芳子にわびつつ幸せを願いつつこの世を去る。好きな花は、亡き夫からプロポーズの際にもらった吾亦紅(われもこう)。

服部:佐野史郎
金沢日々新聞文化部長。杉本の担当で「遠い記憶」の連載を半年延長して欲しいと依頼する。心中事件に興味を抱いた杉本に広田記者を紹介するなど、杉本をサポート。

山下県警本部長:寺島進
庄田と梅子の心中事件に関して調査をする杉本に抗議の電話を入れる。あくまでも事件は心中というのが県警本部長としての見解だが、抗議の裏には本間代議士の影が…!?

本間精次郎:大杉漣
芳子の夫・潮田が秘書を務める国会議員。厚生労働大臣。大臣就任を機に秘書を辞め、東京に帰ろうとする潮田を懸命に引き留める。

東山善吉:橋爪功
杉本の小説家仲間で気の置けない友人。芸者の雪乃にゾッコンで、何かにつけて言い寄るなどしている。杉本が候補になっている文芸賞の選考委員も務める。 ほか
(公式HPより、順不同、敬称略)


◆松本清張先生関連過去記事
【小説】
「霧の旗」(松本清張著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)

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【ドラマ】
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生誕100年記念作 松本清張ドラマスペシャル〜霧の旗「歌舞伎界のプリンスが現代劇初主演!原作と異なる衝撃のラスト!魔性の女3人に振り回される傲慢敏腕弁護士誰もが陥る心の闇と罠の先に待つ真実の幸せとは?真犯人は誰?」(3月16日放送)ネタバレ批評(レビュー)

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金曜プレステージ 松本清張没後20年特別企画第3弾「疑惑 夫殺しの疑いをかけられた若き悪妻はシロかクロか?個性派女性弁護士が史上最強の悪女と闘う〜無実だったら覚えていろ!衝撃の真相とは」(11月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「松本清張没後20年特別企画 事故〜黒い画集〜 疑惑の事故が招く連続殺人!不倫密会の代償点と線を結ぶ捜査が暴く死体移動トリック」(12月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)

テレビ朝日開局55周年記念 松本清張没後20年 2週連続ドラマスペシャル「十万分の一の偶然〜激突!事故か殺人か!?東名高速四重衝突!!一枚の写真が暴く赤い火の玉の謎…結婚目前に消えた娘〜父の追跡」(12月15日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「松本清張没後20年スペシャル『寒流』〜黒い画集より〜エリート行員の不倫の恋が上司の嫉妬を生み運命が転がる!一体誰が悪で誰が善なのか?幻の名作の意外な結末とは」(1月14日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「松本清張没後20年特別企画『留守宅の事件』〜証明より〜妻は何故殺されたか?密会と密告の罪深い闇 空白5日間の不在証明を追う刑事達の執念」(4月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「テレビ朝日開局55周年記念 松本清張二夜連続ドラマスペシャル 三億円事件 戦後最大の未解決事件〜衝撃の推理初映像化!!消えた真犯人VS保険調査員!!最後の真実」(1月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「テレビ朝日開局55周年記念 松本清張二夜連続ドラマスペシャル“黒い福音” 国際線スチュワーデス殺人事件!昭和最大の未解決事件に挑む定年刑事&若手エリート刑事!!真犯人は誰か!?衝撃の結末」(1月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「フジテレビ開局55周年記念特別番組 松本清張ドラマスペシャル 時間の習俗 点と線の名刑事コンビ登場!相模湖畔で消えた女と福岡の変死体を結ぶ謎1000キロの距離と時間を超えた難事件…鉄壁のアリバイを崩せるか?真実はカメラが知っている」(4月10日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「テレビ東京開局50周年特別企画 松本清張『強き蟻』 3年後に夫は死ぬ!10億円の財産狙う美貌の妻に群がる4人の男 屋根裏の情事に隠した殺人トリックと欲望!最後に生き残るのは」(7月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「松本清張サスペンス 悪女の事件・第一夜 坂道の家〜魔性の女が招く連続殺人の罠!美しい理容師に全財産を奪われた初老の男!!嫉妬と憎しみの殺意…浴室の氷のトリック(松本清張二夜連続ドラマスペシャル 坂道の家)」(12月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「松本清張サスペンス 悪女の事件・第二夜 霧の旗 無実の弟の弁護を断った弁護士に対する復讐を描く傑作サスペンス!殺人の汚名を着せられたまま獄中で死亡した弟への悲しみが、1人の女を悪女へと変貌させる!(松本清張二夜連続ドラマスペシャル 霧の旗)」(12月07日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「テレビ東京開局50周年特別企画 松本清張ドラマSP『黒い画集−草−』 清張医療サスペンスの傑作!大病院の闇…不倫、失踪、医療ミス そして雨の夜に3件の連続殺人…白い巨塔に隠された驚愕の陰謀」(3月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「月曜ゴールデン特別企画 松本清張サスペンス 影の地帯 大学教授失踪!?森に消える白い家・幻の黒髪の美女は敵か味方か…湖に捨てられた木箱の謎?蛍の里山に渦巻く悲しき欲と業」(7月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「松本清張特別企画 共犯者 夫を殺して!報酬は5000万円…整形手術で成功を手にした女社長が堕ちた罠!!福岡から東京へ…封印した過去から迫る謎の脅迫者!傑作清張サスペンス」(9月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【その他】
・『眼の壁』から出題がありました。
「ミステリーキューブ 名作ミステリーを凝縮▽華麗なトリックを見破り密室から脱出せよ!▽松本清張が仕掛けたわなに挑戦だ」(8月20日放送)ネタバレ批評(レビュー)

【特報】松本清張先生、未収録短編発見さる!!その名も『女に憑かれた男』!!

【2015年】松本清張先生『女に憑かれた男』に続く未収録短編作品見つかる!!その名は『渓流』とのこと!!

「張込み (新潮文庫―傑作短篇集)」です!!
張込み (新潮文庫―傑作短篇集)



キンドル版「張込み―傑作短編集(五)―」です!!
張込み―傑作短編集(五)―



キンドル版「清張映画にかけた男たち―『張込み』から『砂の器』へ―」です!!
清張映画にかけた男たち―『張込み』から『砂の器』へ―

2016年03月08日

月曜ゴールデン「刑事夫婦2 加賀美涼子は警視庁の女刑事。加賀美太郎は現場一筋ショカツ刑事。二人は刑事夫婦。夫婦ならではの問題に焦点を当てた、ハートフル刑事ドラマです!」(3月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン「刑事夫婦2 加賀美涼子は警視庁の女刑事。加賀美太郎は現場一筋ショカツ刑事。二人は刑事夫婦。夫婦ならではの問題に焦点を当てた、ハートフル刑事ドラマです!」(3月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

ある日、涼子の部下である榎本美香刑事(星野真里)に呼び出され、建築事務所にやって来た涼子(鈴木砂羽)と太郎(石黒賢)は、美香から結婚の報告を受け夫になる三上(須田邦裕)を紹介された。おまけに、結婚を機に自分たちの家を建てようとしている美香は、涼子たちにアドバイスをして欲しいと言うのだった。若いのに将来をしっかり考えている美香たちに感心する涼子と太郎に、突然、大曽根良治(長谷川初範)が声をかけてきた。大曽根は、この事務所の所長で涼子たちが理想とする家の話を聞きながらスケッチブックにイラストを描き「いつかこんな家が欲しいと思いながら生きれば、少し夢のある毎日を送れる」と話しそのイラストを二人に渡した。

帰宅してから、大曽根が世界的な建築物を手がける有名な建築家だと分かり感動していると、涼子と太郎の携帯が同時に鳴り出した。
「殺し」の知らせを受けた涼子と「傷害事件」との連絡を受け家を飛び出す二人。
涼子の現場は、とある公園内の階段下で遺体が発見され、その遺体の人物は篠田深雪(野村佑香)29歳だった。東森商会の社員で、半年前に同居していた兄を亡くし身寄りがないとのことだった。所持品に財布がないことから、物取りの犯行と考えられた。

一方、太郎の現場は、涼子の現場に近いいつも若者たちのたまり場になっていると言われている場所で、被害者・山本(久保酎吉)はいわゆるオヤジ狩りにあったのではと見ていた。
その現場に涼子が現れた。お互いの現場が近いこともあり、同一犯の可能性もあると思いやってきたのだ。

捜査を進めるうち、亡くなった深雪が、会社のパソコンで建築家の大曽根を調べていたことが発覚、さらに、オヤジ狩りにあった山本が深雪の財布を持っていたと分かり、二つの事件に何か関係があるのか調べ始める。早々、大曽根の事務所を調べに行った涼子たちは、美香の設計担当の真田(古澤蓮)の話から大曽根が建築界のノーベル賞とも言えるラファエル賞の候補に上がっていることや大曽根事務所の事務を取り仕切っている真鍋杏子(あめく みちこ)の存在を知ることになる。

帰り道、涼子と美香は誰かから尾行されているのに気付く。問い詰めると、高梨雄馬(鷲尾昇)と名乗る男は、亡くなった深雪と以前結婚の約束をしていたというのだ。深雪の兄がバイクに跳ねられ、下半身麻痺になってしまった時にやむなく結婚を諦めた経緯など、当時から現在までの様子を話す高梨。さらに調査を進めていくと、深雪にストーカーのように付きまとっていた刈谷アート設計の刈谷(長谷川公彦)という男が浮かび上がった。だが、その刈谷も何者かに殺害されてしまった。深雪、刈谷の殺人事件・・・山本をめぐる傷害事件・・・二つの設計事務所が関係する複雑な人間関係・・・涼子・太郎の刑事夫婦コンビが動き出す。
(月曜ゴールデン公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……。

加賀美涼子と加賀美太郎は新婚夫婦。
とはいえ、彼らには他の夫婦には無いある秘密があった。
彼らは2人とも刑事なのだ。
しかも、涼子は警視庁の刑事、太郎は所轄署の刑事であった。

そんなある日、涼子は後輩の榎本美香刑事に太郎と共に呼び出されることに。
呼び出された先は世界的に高名な建築家・大曽根良治の建築事務所。
其処で涼子たちは美香から彼女の婚約者である三上を引き合わされる。

それにしても、どうして建築事務所なのか?
不思議に思う涼子だが、その目前で美香が若い男性に声を掛けられる。
相手は大曽根の下で働く一級建築士の真田である。
美香は結婚と同時に一戸建てを新築する予定だったのだ。
ちなみに涼子と太郎は賃貸住まいである。

あ〜〜〜とか〜〜〜ら来ぃ〜〜〜たぁ〜〜〜のぉ〜〜〜に追い越され〜〜〜。
と「水戸黄門」のテーマが聞こえて来たかどうかは定かではないが、がっくりと肩を落とす涼子。

そんな涼子たちに、声をかける壮年の男性があった。
男性は涼子たちから理想の間取りについて聞き取りを行うと、それを短時間で具体的なデザインとして仕上げてしまった。
実はこの男性こそ、大曽根良治本人であった。

これに感動し、すっかり大曽根のファンになった涼子と太郎。
其処に事件発生の方が届く。

涼子が向かった先は公園で発生した殺人事件。
被害者は篠田深雪、階段から突き飛ばされ転落死を遂げたようだ。
所持品から財布が奪われていたことから、物取りによる犯行と思われた。

一方、太郎が向かった先は深雪が死亡した公園近くの路上。
山本という男性が何者かに襲われ負傷したのだ。

現場が近かったことから2つの事件に関係があるのではないかと考える涼子だが。

涼子は深雪の所持品に「サンデードラッグ」の買い物袋があったことに注目。
「サンデードラッグ」は深雪が通勤に用いる最寄駅とは真逆の方向にあった。
つまり、深雪はわざわざ遠回りしたことになる。

そんな中、深雪の兄・篠田正行が半年前に死亡していたことが判明。
篠田は10年前に事故に遭い、車椅子生活を余儀なくされていた。
深雪の身内は正行以外に居らず、天涯孤独となっていたらしい。

続けて深雪について調べたところ新事実が明らかに。
まず、深雪は密かに大曽根について調べていたようだ。
また、深雪は男性からストーカーされていたらしい。

手掛かりを求めて大曽根の建築事務所を再訪した涼子は、事務所のナンバー2である野々村省吾や事務方として大曽根を支える真鍋杏子、大曽根の元妻で彼に復縁を迫っている葛城綾と出会う。
さらに、大曽根が彼が手がけた「国立現代美術館」のデザインにより建築界のノーベル賞と呼ばれる「ラファエル賞」候補となっていることを知る。

その帰路、涼子は何者かの尾行に気付く。
尾行者の正体は高梨雄馬なる男性、彼は深雪の元婚約者であった。
だが、10年前の篠田の事故が原因となり深雪にフラれ失意のうちに別の相手と結婚。
しかし、結局上手く行かず深雪との復縁の機会を窺っていたのだそうだ。
彼こそストーカーかと思われたのだが、高梨によれば別の人物らしい。

矢先、大曽根の元部下であった刈谷こそが深雪のストーカーと判明。
事情を問い詰めようとした直後に、刈谷が何者かに殺害されてしまう。

その翌日、刈谷の死について尋ねるべくまたも大曽根を訪問した涼子。
しかし、大曽根に相手にされず野々村と杏子から謝罪される。
野々村によれば、彼と京子と大曽根は大学時代からの同級生で事務所草創期からのメンバーなのだそうだ。
しかも、30年前に大曽根は杏子にプロポーズしたがフラれるとのエピソードがあったらしい。
とはいえ、それにより大曽根が奮起したことが事務所拡大の原動力となっているようだ。

事務所内をうろうろしていた涼子は10年前の写真に篠田の姿を見出す。
篠田もまた大曽根事務所の従業員だったのだ。

太郎と共に10年前の篠田の事故現場を調べた涼子は其処が「NC建築事務所」の前であったことを知る。
「NC建築事務所」は当時の大曽根のライバルであった。
どうやら、篠田は「NC建築事務所」のデザインをスパイしていたらしい。
その途上で事故に遭っていたのである。
事故により車椅子生活となった篠田は建築家の夢を諦めていた。

矢先、大曽根が「ラファエル賞」を受賞した。
喜びに沸く大曽根、野々村、杏子たち。

其処に現れた涼子は大曽根に篠田の名を尋ね、スパイ疑惑について問い詰めることに。
だが、大曽根は「知らない」と繰り返すばかり。
どうやら、篠田が部下であったことすら忘れているようだ。
ちなみに、大曽根は刈谷についても「知らない」と語る。

業を煮やした涼子は深雪が殺害された28日夜のアリバイを問う。
これも「知らない」と答える大曽根であったが、杏子が「一緒に居ました」と証言する。
此の間も首を傾げ続ける大曽根であったが……。

一方、殺害直前の深雪の行動を調べたところ、喫茶店で「大曽根の妻」を名乗る人物と密会していたことが明らかに。
深雪はその人物に大金を要求していたと言う。
どうやら、篠田の事故の真相を使って脅迫していたようである。

大曽根の妻と言えば綾だ。
ところが、綾は「深雪など知らない」と主張。
28日夜には「大曽根と一緒に居た」と語り出した。
しかも、この際に「杏子は居なかった」と言う。

防犯カメラ映像から綾のアリバイが確認。
同時に大曽根のアリバイも成立した。
しかし、これにより杏子のアリバイ証言が嘘であったことが分かった。

何故、杏子は嘘を吐かなければならなかったのか?
もしかして、杏子こそが深雪を殺害した犯人なのではないか?

涼子と太郎は杏子に真相を語るように迫る。
これに深雪殺害を認める杏子。

深雪は篠田を亡くしたことで孤独を抱えていた。
その内に、篠田から建築家の夢を奪い、高梨との結婚を邪魔したとして大曽根を恨み出した。
其処で大曽根を脅迫しようとしたのだ。

これに対し、深雪を応対した杏子は「大曽根を守らねばならない」と決意した。
30年前に大曽根のプロポーズを断った杏子だが、実は大曽根を愛していたのだ。
大曽根を飛躍させるべく陰ながら支え続けていたのである。

杏子は大曽根の妻を騙り、深雪と交渉。
深雪は杏子に1000万円を要求した。

要求通り1000万円を用意した杏子。
だが、深雪は3000万円に値を釣り上げて来た。

杏子はこれにも応じた。
ところが、深雪は受取を拒否すると大曽根の直接的な謝罪を要求した。

それでは意味がないと慌てた杏子は「妻として代わりに謝罪する」と訴えるが、深雪は彼女が妻ではないことに気付いていた。

「あんたに何が出来るの?奥さんでも無い癖に!!」
罵声を浴びせられた杏子は深雪と揉み合いになり、これを殺害してしまった。

この事実を知った刈谷は杏子を脅迫して来た。
要求を呑んだ杏子であったが、刈谷は意外な真相を口にした。
なんと、10年前に篠田へスパイを命じたのは大曽根ではなく刈谷だったのだ。
大曽根自身は与り知らぬことだったのである。
逆上した杏子は刈谷を殺害してしまった。

全てを打ち明けた杏子。
杏子の罪を知った大曽根は彼女を完成した「国立現代美術館」へ誘う。

30年前、杏子にフラれたことで彼女に素直になれなくなってしまった大曽根。
だが、杏子の自身への想いを知り改めて求婚する。
30年の時を過ぎ、これに応じる杏子。

これにより、何の因果か三上と美香の新築計画は延期となった。
どうやら結婚自体の雲行きも怪しくなりそうだ。
夫婦の絆について深く考えさせられる涼子と太郎であった―――エンド。

<感想>

「刑事夫婦」シリーズ第2弾。
原作はなし、オリジナル作品です。

では、ドラマの感想から。

4組のカップルを通じて「男女の愛」が描かれました。

加賀美夫妻は相思相愛、特に太郎が上手くバランスを取っている様子。

高梨と深雪も互いに互いを愛しながらも、篠田の事故を契機に報われない結果に。

大曽根は建築デザインだけを愛しているのかと思いきや、杏子と相思相愛。
大曽根の精神的支柱こそ杏子だったのだろう。

美香と三上は結婚延期と言いつつも、アレは冗談でしょう。
それだけ深い信頼関係にあると言えるか。

ちなみに、美香夫婦にはシリーズ次回あたりで子供が出来て居そうな気がする。
「生意気っ!!」とばかりに先を越されて悔しがる涼子の姿が浮かぶようだ。

此処からはイロイロ気になることを。

まず、オープニングの下着窃盗犯・丸山。
宅配便を名乗った太郎たち相手に玄関から直視出来る場所に盗品を並べて置くとは……何たる奴よ。
あれ、仮に本物の宅配便屋さんでもあの状態では荷物の受取出来ないでしょ。
何故、隠しもせずに戸を開けた!?

そして、事故により車椅子生活となり建築家を諦めたと言う篠田。
でも、建築士やデザイナーこそ車椅子でも可能な自宅で出来る仕事だと思うのだが。

そう言えば、山本の傷害事件はあらすじから省いても特に本作に影響が無さそうなことに気付いた。

とはいえ、今回も22時跨ぎの「これまでのまとめ」こと「家族会議」は健在。
太郎の「絶対記憶保持能力」も多用されていました。
シリーズの強みを活かしていたように思います。

<キャスト>

加賀美涼子:鈴木砂羽
加賀美太郎:石黒 賢
榎本美香:星野真里
小早川秀樹:井田國彦
亀田正雄:迫田孝也
内田耕二:一条 俊
野々村省吾:佐戸井けん太
篠田深雪:野村佑香
刈谷健司:長谷川公彦
葛城綾:根本りつ子
真鍋杏子:あめくみちこ
大曽根良治:長谷川初範 ほか
(公式HPより、敬称略)


◆関連過去記事
月曜ゴールデン「刑事夫婦 妻は殺人犯を、夫はひき逃げ犯を追い詰める!2つの事件が導く35年前の偽りの証言 夫婦の絆を守るため夫が下した悲しい決断」(2月3日放送)ネタバレ批評(レビュー)

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