発見された短編の名は『女に憑かれた男』。
400字詰め原稿用紙約30枚。
1956年6月に刊行された月刊文芸誌『小説春秋』臨時増刊号に掲載されていたもので、松本清張先生が専業作家になって間もなくの作品。
全集や年譜にも未収録で単行本化もされておらず、まさに幻の作品と言えるでしょう!!
『女に憑かれた男』のあらすじはこちら。
「主人公は下宿先の人妻に言い寄られ、心中を持ちかけられる。
生き残った男は、嘱託殺人罪で服役後、勤務する印刷所でも経営者の親類の女性に心中を持ちかけられるが、また自分だけ死にきれない。
最後は工事現場の雇い主の夫人と関係を持つが、それが露見して悲劇を招く」
テーマとしては「年上の女性と心中を繰り返すが、生き残ってしまう男の転落の人生をミステリー風に綴った」ものとのこと。
また、「男は心中したのか?殺人ではないか?との疑問が最後まで残る」とのことで、『藪の中』的な結末の様子。
つまり、主人公が心中しながらも生き残ったことで「果たして初めから死ぬ気があったのか」がポイントになる模様。
やはり、後の清張作品に繋がる作風が既に見てとれますね。
『女に憑かれた男』が発見された経緯ですが、北九州市の火野葦平資料館に残されていた資料の中に同短編が掲載された『小説春秋』誌があることに、館長の坂口博さんが気付いたことが発端。
北九州市の松本清張記念館が確認したところ、未収録作品であることが明らかになったとのこと。
これはファンならずとも読みたい!!
2013年7月25日追記:
当初の記事タイトルに誤りがありました。
下記の通りに訂正致します、ご注意ください。
誤:「【特報】松本清張先生、未“発表”短編発見さる!!その名も『女に憑かれた男』!!」
正:「【特報】松本清張先生、未“収録”短編発見さる!!その名も『女に憑かれた男』!!」
追記終わり
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